Windows 10とWindows 8.1はどう違う？
～"エクスプローラー"と"設定"で比較～

DOS/V POWER REPORT 2015年9月号

　こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年9月号」の第一特集「新OSがあなたのマシンを変える　即効！Windows 10 × PC自作」を掲載する。

　第四回目となる今回は、Windows 10はWindows 8.1からどう変わったのかをエクスプローラーと設定にフォーカスし比較、進化した点を解説していく。

　この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年9月号は全国書店、ネット通販にて7月29日(水)に発売。ついに発売されるWindows 10を解説した第一特集のほか、頻繁に買い換えるものではない電源ユニット、カタログや口コミだけでは分からない部分を徹底解析する第二特集「出力だけじゃない！ 効率だけじゃない！　2年後に後悔しない電源」、二次元世界の嫁の写真（イラスト）もきれいに拡大！「“最新ハードによる”waifu2x活用講座」、容量も重要だけど、やっぱり品質にも気を遣いたい「安くなった高性能、高品質メモリを狙え！ DDR4/DDR3メモリコレクション2015」、MVNOのお供に選べるスマホ「選べる自由とハイコスパをその手に！ すぐ買えるSIMフリースマホ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY＋の本編「わがままDIY」も掲載だ。

　今号の特別付録は高音質、ハイレゾ対応、デザイン性、コストパフォーマンス、多彩なニーズに応えます！「サウンドデバイス大全2015」だ。

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Windows 8.1からマイナーチェンジ
エクスプローラー

　ファイル操作を行なうためのエクスプローラーは、Windows 8.1から大きな変化はないが、お気に入りがクイックアクセスに代わるなど、細かな変更が加えられている。

　メニューを排除してリボンを採用するなど、Windows 8/8.1ではエクスプローラーのインターフェースを大きく変更したが、Windows 10は基本的に前バージョンのものを踏襲している。ただアイコンが新たなデザインに変更されたことで見た目の印象が変わったほか、細かな修正も行なわれている。

　ウィンドウを開いてまず目に入る変更点として、ナビゲーションウィンドウの最上部にある項目が「お気に入り」から「クイックアクセス」へと変更されたことが挙げられる。またツリーから「最近表示した場所」が消え、変わりに「クイックアクセス」の項目をクリックすると「よく使用するフォルダー」と「最近使用したファイル」がそれぞれ表示されるようになった。

　リボンの項目も一部が変更されている。たとえば「ホーム」タブに「クイックアクセスにピン留め」、「共有」タブに共有チャームを表示する「共有」という項目がそれぞれ追加されている。

ポイント1　お気に入りからクイックアクセスへ

　従来の「お気に入り」に代わる「クイックアクセス」。任意のフォルダを登録する方法は従来と変わらず、登録したいフォルダを開いた上でクイックアクセスを右クリックし、メニューから「現在のフォルダーをクイックアクセスにピン留め」を選ぶ。

ポイント2　履歴の消去でプライバシーを守る

　「フォルダーオプション」に「プライバシー」の項目が追加された。最近使ったファイルやよく使うフォルダの表示／非表示を切り換えられるほか、過去にアクセスしたファイル／フォルダの履歴を削除する「消去」ボタンがある。

ポイント3　メールでファイルを送れる「共有」チャーム

　「共有」タブに追加された「共有」ボタンをクリックすると、共有チャームが画面右から現われる。基本的にはWindows 8.1の共有チャームと同じで、ファイルを選択しておくとメールで送るための項目などが現われる。

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Windows 8.1から大幅に進化
設定

　PC設定とコントロールパネルを使い分ける必要があったWindows 8.1に対し、Windows 10では多くの項目を「設定」で行なえるようになり、コントロールパネルを使う機会を大幅に減らしている。

　Windowsの各種設定を行なうための場所として、Windows 8ではコントロールパネルのほかに「PC設定」を追加した。タッチ操作に最適化されたインターフェースでタブレット端末では使いやすかったが、設定できる項目数が少なく、結局コントロールパネルを利用しなければならないケースが多かった。またPC設定にしかない項目があり、コントロールパネルとの使い分けに分かりづらさを感じていたユーザーも多いだろう。

　これに対してWindows 10では、従来のPC設定を継承する「設定」を中心とした設計となり、設定できる項目の数を大幅に増やしている。コントロールパネルも残されているが、使う機会は減りそうだ。

　実際の設定項目を見ていくと、まず最上位には「システム」や「デバイス」、「ネットワークとインターネット」など九つのアイコンが並ぶ。いずれかをクリックすると、その配下にある設定項目がウィンドウ左側に表示され、選択した項目の設定が右側に現われる。

システム

アプリと機能

ストレージ

規定のアプリ

アプリのアンインストールが行なえる。アプリ名での検索や使用サイズでの並べ換え、インストールしたドライブでの絞り込みなど、コントロールパネルのものよりも使いやすい

各ドライブの使用済み容量を確認できるほか、いずれかをクリックすると「システムと予約済み」、「アプリとゲーム」といったセクションごとの容量をチェックできる

カレンダーやメール、マップなどの各項目で規定のアプリを指定できるほか、「ファイルの種類ごとに規定のアプリを選ぶ」をクリックすると、拡張子の関連付け画面が現われる

デバイス

プリンタとスキャナー

接続中のデバイス

マウス

プリンタやスキャナの一覧を確認可能なほか、追加やドライバの削除も行なえる。なおWindows 10では、PDFファイルを出力するプリンタドライバを標準で備えている

PCに接続した周辺機器を登録する。Windows8.1では「Bluetooth」として独立していたBluetooth機器の登録だが、Windows 10ではここでほかの周辺機器と同様にここで登録する

マウスの設定は、左クリックと右クリックの入れ換えやホイールを使ったときのスクロール量の調整などが行なえるが、そのほかの項目はコントロールパネルで設定する

パーソナル設定

ロック画面

背景

スタート

ロック中の画面の背景画像を選択できるほか、状態や簡易ステータスを表示するアプリを指定することが可能。コントロールパネルのスクリーンセーバーの設定に移動するリンクもある

デスクトップの背景（壁紙）を指定する。画像と単色、スライドショーのいずれかを選択することが可能。デスクトップを右クリックし、「個人設定」を選択してもこの画面に移動できる

スタートメニューやタブレットモード時のスタート画面の内容をカスタマイズすることができる。特定のフォルダをスタートメニューに表示するといったことも可能だ

アカウント

お使いのアカウント

家族とその他のユーザー

子どもの追加

ログインしているアカウントの情報が表示されるほか、自分の画像を登録できる。またMicrosoftアカウントを使っている場合、ここでローカルアカウントに切り換えられる

Windows 8.1では家族アカウントをコントロールパネルのファミリーセーフティで管理していたが、Windows 10ではこの項目に移動している。通常のアカウントの追加もできる

子ども用のMicrosoftアカウントを追加すると、Webサイト上でWebフィルタリングの設定やアプリ／ゲームの利用制限、PCを使用できる時間の制限などが行なえる

更新とセキュリティ

Windows Update

Windows Defender

コントロールパネルから設定に移行したWindows Update。更新プログラムの適用に再起動が必要な場合、Windowsが判断した時刻に自動的に再起動するか、自分で時刻を設定するかを選べる

Microsoftが提供するマルウェア検知ツールの設定。リアルタイム保護やMicrosoftへの情報送信についての項目があるほか、特定のファイルを除外することもできる

バックアップ

回復

Windows 8.1の「ファイル履歴」からバックアップに名前が変わっている。バックアップ先のドライブとバックアップ元のフォルダ、バックアップ頻度などを指定する

PCを初期状態に戻したり、起動ディスクを選択したりすることができる。Windowsの挙動が不安定になった際、ここで初期状態に戻すといったことができる

存在感が薄れたコントロールパネル

　エクスプローラで「PC」を選択してリボンの「コンピューター」タブを選ぶと、Windows 8.1では「コントロールパネルを開く」という項目があったが、Windows 10ではこれが「設定」に置き換えられている。またスタートメニューにもコントロールパネルの項目はない。ただ現時点では設定ですべてをまかなえているわけではないため、一部の項目はやはりコントロールパネルで設定することになる。

　なおコントロールパネルには、「Windows＋X」のショートカットキーか、スタートメニューの右クリックで表示される管理メニューからアクセスすることができる。

コントロールパネル

アカウント管理

ネットワークの設定

Windows 10のコントロールパネル。Windows 8.1と比べると、いくつかの項目が省かれている

アカウント管理では、アカウントの参照や設定が可能だが、アカウントの作成は設定に移動した

IPアドレスや共有の設定は、設定の「ネットワークとインターネット」の「イーサネット」内にあるリンクからコントロールパネルに移動して行なう

※掲載されている画面はすべてWindows 10 Insider Previewビルド10240のものです。

[Text by 川添貴生]