パワレポ連動企画
ゲーム画質の高精細化や最適設定に関するビデオカードテクニック
【自作PCチューニング技術大全100(9)】
(2016/3/8 17:05)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年4月号」の第1特集「もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!! 自作PCチューニング技術大全100」を掲載する。
第9回目からはビデオカードに関する一工夫を紹介する。まずはゲーム画質の最適化や高精細化について。ビデオカードにもよるが、高画質設定はフレームレートへの影響が大きい。特に対戦ゲームでは低いフレームレートは命取りとなるため、画質との妥協点を見つけよう。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年4月号は全国書店、ネット通販にて2月29日(月)に発売。第1特集のほか、第2特集は最新OSの現在の姿を解説する「リリース時とはもう違う。現在形、分かってる? Windows 10知っておきたい10のこと。」、まずはデータ保存から始めよう、低コストで導入できるモデルを紹介「転ばぬ先のバックアップ! 1万円台で買えるお手頃NASキット」、マルチディスプレイやライトゲームに、内蔵GPUからのパワーアップを目指す「チョイ足しアップグレードで効果大! 格安ビデオカードセレクション」、外出先でも2画面で!「いつでもどこでも手軽に使える モバイル液晶ディスプレイ大集合」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は「小型PC向けパーツ大百科」。メインマシンもサブマシンもコンパクトにまとめる時代です!
-自作PCチューニング技術大全100-
ゲーム画質の高精細化や最適設定に関するテクニック~ビデオカード編 その1~
GPUの性能を限界まで引き出して遊べ!
ビデオカード編
ビデオカードは、CPUと同様かそれ以上に、キメ細かなチューニングで性能を伸ばしたり、さらに楽しい機能を追加したりすることができるデバイスだ。
ここでは、比較的試しやすいチューニングポイントを解説する。
35. ゲームの画質を1クリックで最適化する 難易度★★★
最近のPCゲームは起動時のハードウェア情報をもとにおおよその設定に合わせてくれるものが多い。だがゲーム側の標準設定に任せていても、妙に重い描画になることがある。自分の環境に合った最適画質設定を探す際に試してほしいのが、NVIDIAの「GeForce Experience」(GFE)、AMDの「AMD Gaming Evolved App」(AGE)だ。両者とも最新GPUドライバに同梱されており、無償で利用できる。
GFEもAGEも、インストール済みのゲームを選んで「最適化」ボタンを押せば、ゲームの設定が最適設定に書き換わる。ただ、用意された最適設定は海外産メジャータイトルに集中しており、海外で流通していない国産ゲームなどには対応しないことがある。
GFEの設定はGeForceラボの検証結果によるものなのに対し、AGEのほうは実際のユーザーが使っている設定から導き出されているという違いはあるものの、実用性では両者互角といったところだ。
36. 快適プレイ設定につながる画質設定を理解する 難易度★★★
ゲームの画質設定について、GFEやAGEの自動設定からさらに一歩踏み込んた調整を追求したいなら、ゲーム内の画質設定用語をしっかり覚えておこう。ゲームの設計により設定項目は違ってくるが、頻出するのは下の表にある項目だ。
設定項目の名称(例) | 役割と効果 |
アンチエイリアス | 輪郭部のギザギザ(ジャギー)感を解消する。FXAAやMSAAなどの方式があり、前者は軽く、後者は重い |
異方性フィルタリング | 遠方にあるテクスチャがより正確に描画される。テクスチャフィルタリングとも |
テクスチャ | 品質高い設定にすればよりディテールの描写が向上する影影の形状の正確さや輪郭のぼやけ方を指定する |
アンビエントオクルージョン | 奥まった場所に薄く影を付け、よりリアルな立体感を出すのに使われる。環境閉塞とも |
ポストプロセス | まぶしさやレンズフレア、フィルム粒子的なノイズ追加など、雑多な処理を指すことが多い。後処理とも |
被写界深度 | レンズのピントが合っていない部分をボカす処理 |
モーションブラー | 動きの速い物体の“ぶれ”を表現 |
このうち最近のゲームのパフォーマンスを大きく左右するのが「影」、「アンビエントオクルージョン」(AO)、「モーションブラー」の三つ。どれも操作中には分かりにくい項目であるため、この三つのレベルを下げて見た目に反映されやすいテクスチャ品質を上げる、という手法が有効だ。
アンチエイリアスも高く設定すると強烈に重くなるが、完全無効化すると輪郭部のチラつき(クローリング)が目立ち、動作が軽くなってもかえって見苦しくなる。アンチエイリアス設定の中に負荷の軽い「FXAA」があるなら、これにセットしておくのがオススメだ。
37. フルHDで4Kクオリティの画質を体験する 難易度★★★
GeForceの「Dynamic Super Resolution」こと「DSR」、Radeonの「Virtual Super Resolution」こと「VSR」は、液晶の物理解像度以上のサイズでレンダリングしたものを実際の解像度に縮小して出力することで、フルHD液晶でも4K並みの解像感が得られる、という技術だ。ゲームの解像度がフルHDだと非常に細い電線や草木の描画が省略されてしまうことがあるが、DSRやVSRを通じて超高解像度で描画することでこれを防ぐというものだ。
DSRやVSRの効果は絶大だが、これを使って4K相当にすると、描画負荷も4K液晶に出力したときと同じものがかかる。そのため、描画が軽いゲームで活用するか、高い性能を持つハードウェアの準備が必要になる。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
SSD:Micron Crucial MX200 CT1000MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、1TB)
ビデオカード:GALAXY GF PGTX960-EXOC/2GD5(GeForce GTX 960 2GB)
電源:Corsair RM650(650W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
Fallout 4:一定のフィールドを移動中のフレームレートを「Fraps」で計測。垂直同期はドライバで強制OFF
[Text by 加藤勝明]
【DOS/V POWER REPORT 2016年4月号は2月29日(月)発売】
★第1特集「もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!! 自作PCチューニング技術大全100」
★第2特集「リリース時とはもう違う。現在形、分かってる? Windows 10知っておきたい10のこと。」
★特別企画「転ばぬ先のバックアップ! 1万円台で買えるお手頃NASキット」「チョイ足しアップグレードで効果大! 格安ビデオカードセレクション」「いつでもどこでも手軽に使える モバイル液晶ディスプレイ大集合」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「メインマシンもサブマシンもコンパクトにまとめる時代です! 小型PC向けパーツ大百科」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
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