COMPUTEX AKIBA出張所

世界で一番小さいGeForce GTX 1080 Tiが登場、Ryzen搭載の超小型PCの発売も予告

(COMPUTEX AKIBA出張所 / ZOTAC編)

カード長はわずか211mmのハイエンドビデオカード「GEFORCE GTX 1080 TI MINI」

 毎年恒例のCOMPUTEX TAIPEIが3日(土)まで開催中だ。

 様々なメーカーが出展する同イベント、詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 項目ごとに、あなたの「欲しさ加減」や意見を入力できる入力欄を用意したので、好きな項目に入力し、最下段の「送信」のボタンを押して送信してほしい。

 いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

最強の小型PCが作れるビデオカードにRyzen搭載の小型PCなど注目作を展示

 自作PCユーザーにはビデオカードや小型PCのメーカーとして有名なZOTAC。今年のCOMPUTEX会場ではそうした得意分野を強く印象づけるモデルの展示が目立った。

 GeForce GTX 1080 Tiとしてはありえないといえるようなカード長の短いビデオカードや、Ryzen搭載の小型PC、本当にポケットに入る超小型PCなど、ユニークな製品が多数用意されていた。ZOTACらしさが強く出ているモデルを中心に注目製品を紹介しよう。



GeForce GTX 1080 TiなのにMini-ITXサイズ、「MINI」シリーズに究極の小型PC向けカード

Mini-ITXサイズのGEFORCE GTX 1080 TI MINI
MINIの本格水冷モデル「GEFORCE GTX 1080 TI ARCTICSTORM MINI」

 近年、得意のOCモデルはもちろん、ユニークな方向にも力を入れているZOTACのビデオカードでは、直前に予告されていた「GEFORCE GTX 1080 TI MINI」、「GEFORCE GTX 1080 TI ARCTICSTORM MINI」がまず最初の目玉だ。

 どちらもGeForce GTX 1080 Ti搭載にもかかわらず長さは211mm。Mini-ITXマザーボードから「少しはみ出す」程度という現時点ではもっともコンパクトなGeForce GTX 1080 Tiカードとなる。OCモデルとはいえクロック上昇幅は小さめでベースクロックが1,506MHz、ブーストが1,620MHz。メモリは定格の11GHzで容量が11GB。当然十分な出力の電源が必要となるが、究極のコンパクトゲーミングPC自作のための切り札となるだろう。補助電源コネクタは8ピン×2。ARCTIC STORM MINIは、MINIをベースに水冷ブロックを装着したバージョンで本格水冷用だ。

 そのほか、「EXTREME EDITION」の下位にあたる「GEFORCE GTX 1080 TI AMP EXTREME CORE EDITION」、水冷ヘッド搭載モデルの「GEFORCE GTX 1080 TI ARCTICSTORM」なども展示されていた。「GEFORCE GTX 1080 TI ARCTICSTORM」はサイズ的には3連ファンの「AMP EXTREME」の水冷版となるが、動作クロックはARCTICSTORM MINIと同じ控えめのOC。ただし基板設計はOC向け。ユーザー自身の手でOCを楽しもうというコンセプトになる。

今回登場した「MINI」モデルの仕様は、クーラー以外はほぼ共通
電源コネクタは8ピン×2
バックプレートも搭載
AMP EXTREMEとの間を埋める「GEFORCE GTX 1080 TI AMP EXTREME CORE EDITION」
「GEFORCE GTX 1080 TI ARCTICSTORM」は水冷でOCを本格的に楽しみたい方向け

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ZBOXの「Ryzen + GeForce GTX」搭載モデルを予告、さらに「Ryzen APU」搭載モデルまで

Ryzen + ビデオカード搭載をうたうMAGNUS ERシリーズ、Intel CPU搭載のEKシリーズと同筐体
出力端子部分

 「ZBOX」では、MAGNUS ER/EKシリーズの展開が予告されていた。NUCなどのミニPCよりは大きいものの、充分コンパクトと言えるサイズでデスクトップPCに近い性能を実現している。

 両者の違いは搭載されているCPUで、EKモデルはCore i7-7700HQ/i5-7300HQを搭載しているのに対し、ERモデルにはなんとRyzenが搭載予定。GPUは同社製ビデオカード「GeForce GTX 1070 MINI」または「GeForce GTX 1060 MINI」が搭載される。なお、ビデオカードはクーラーが本機専用のカスタムモデルとなるため、店頭で販売されている「MINI」シリーズと入れ替えることはできない。

 ZBOXからはもう1台、MAGNUSを一回り小さくしたMシリーズも計画中とされていた。今回紹介されたのは2モデルで、MI553がクアッドコアのIntel Core i5-7300HQを、MA551が未発表のRyzen APU(65W)を搭載する予定だ。

 また、Picoの系列だがカードサイズにまで小型・薄型化を進めた「PI225」も目を引く。実際、スーツの胸ポケットに収まる小ささだ。CPUはIntel N3350(Apollo Lake)、メモリがLPDDR3 4GB、ストレージは32GB eMMCといったスペック。インタフェースは電源がmicroUSB、ほかUSB 3.0 Type-C×2、microSDカードスロット。様々な機器に固定するためのベースユニットも付属する模様。

MシリーズのIntel CPU搭載モデル「MI553」。同じフォームファクタでRyzen APU搭載モデル「MA551」もリリース予定
リアルなポケットPCを実現する「PI225」
「PI225」はほんとうにポケットに入るサイズだった
モバイル版のGeForceを搭載する現行ラインナップのENシリーズも展示、こちらは水冷モデル
こちらはモバイル版GeForce搭載モデルENシリーズの空冷モデル
ZBOXシリーズはだいぶ種類も豊富になってきた

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近未来風デザインのデスクトップ型ゲーミングPCも登場

ZBOXよりも大きいが、PCとしてはまだまだ小型と言えるサイズに高性能パーツを搭載した「MEK」

 ZBOXよりも大型となるが、MEKシリーズも新しい動きだ。

 MEKとは「メカニカル・エクストラクション・キット」の略。ZOTACのコンセプトの元に作られたブックシェルフ型のPCで、デザインに力を入れつつコンパクトで高性能なゲーミングPCとなる。ビデオカードは2スロット厚のものが搭載でき、マザーボードもバックパネルを見る限り通常のフォームファクタとなる。

 正面のLEDラインや中央をシェイプしたデザインもなかなかグラマラス。MEKをモチーフにZOTACイエローのロボットのおもちゃが展示されていたが、多少、MechWarriorも入っているのだろうか。

青色LEDのラインが印象的
デザインもゲーミングらしい
背面
ホワイトモデルのサイドパネル
「MEK」の名を冠したブロックのおもちゃも展示されていた

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Thunderbot 3外付け拡張ボックスで「MINI」ビデオカードをZBOXで使えるように

「EXTERNAL GRAPHICS DOCK」。同社「MINI」シリーズビデオカードが搭載可能で、ビデオカード用としてみれば小さめ

 Thunderbolt 3対応機器も2つ展示されていた。

 一つは外付けビデオカードユニット「EXTERNAL GRAPHICS DOCK」。対応するカードの奥行きは「MINI」シリーズに合わせた9インチで、比較的コンパクトだ。400W電源を搭載しているので「GEFORCE GTX 1080 TI MINI」も搭載可能。USB 3.0ハブ機能やLEDライティングにも対応する。

 もう一つは「EXTERNAL BOX」。1スロット厚のPCI Express x16カードに対応する拡張ボックスだ。ACアダプタ駆動なので消費電力の大きなものには対応できないが、PCI Express 3.0 x4ストレージなどを搭載することが想定される。キャプチャカードなどでもよいだろう。ZBOXのようなカードが搭載できないモデルに拡張性をもたらすという点では価値があるだろう。

内部のビデオカードが見える構造になっている。
本体背面
例えコンパクトで統合GPUしか利用できないZBOXでも、ディスクリートGPUの性能を手にすることができる
「EXTERNAL BOX」。対応可能な拡張カードは小さくなるが、汎用拡張カードを利用できるほか、USBハブとしても機能する。
本体内部

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背負えるVR PC「VR GO」はKaby Lake搭載に、ZOTACのゲーミング製品用のロゴマークも公開

 これらのほかに、Kaby Lake世代に内部がアップグレードされた背負えるVR PC「VR GO」が展示されていたほか、ZOTACのゲーミングモデルに今後使用されるロゴマークなどもブースで公開されていた。

「VR GO」はCPUをKaby Lakeにアップデート
デモ機にはHDMIトランスミッタが接続され、ワイヤレスでディスプレイと接続されていた
COMPUTEXでははじめての試みというeスポーツ大会ブース
ZOTACのゲーミングモデルにつけられるマーク。中央が決定案で、周りのデザインは没案とのこと

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[制作協力:ZOTAC]