COMPUTEX AKIBA出張所

将来は5G対応も?SIMスロット搭載の小型PCや、4K×4出力可能な小型PCなどが登場

小型ゲーミングPCもCPU/GPUを強化(COMPUTEX AKIBA出張所 / Shuttle編)

 PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2018」が、6月5日~6月9日(現地時間)の日程で台湾で開催された。

 詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 項目ごとに、あなたの「欲しさ加減」や意見を入力できる入力欄を用意したので、好きな項目に入力し、最下段の「送信」のボタンを押して送信してほしい。

 いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

用途別に特化したモデルを中心に展示、業務用途にも適した小型PC

 Shuttleは、PCやマザーボードなどを開発している老舗の台湾メーカーであり、特に小型ベアボーンや業務向けPCを得意としている。古くからの自作PC派にとっては、キューブ型ベアボーンブームの火付け役として記憶している人も多いことだろう。

 今回のCOMPUTEXのブースでは、業務用途に適した小型PCを中心に製品を展示していた。5G通信の普及を見越したSIMカード対応LTEモジュール搭載モデルや、据え置きで使用するタブレットの置き換えに適した静電式タッチパネル搭載モデル、4K×4で8K相当の出力が可能なモデルなど、ユニークな製品が目白押し。また、小型ゲーミングPCのアップデートモデルなども展示されていた。



SIMカードスロット付きの小型PC「DL1000」が登場、将来は5G対応予定

SIMカード対応LTEモジュールを搭載した小型ベアボーン「DL10J」。展示品は中が見えるように上面の一部が透明になっているが、製品版では透明部分はなくなり、中は見えない
展示品には、HUAWEI製のLTEモジュールが搭載されており、SIMカードを装着することで、無線WAN通信が可能になる。各国の周波数帯などに合わせて搭載されるモデルは変わるとのこと

 最初に紹介したいのが、SIMカードスロットを備えた小型PC「DL1000」だ。同社のベアボーンキット「DL10J」をベースにしたモデルで、完成品PCの状態で提供される。

 CPUはCeleron J4005を搭載。SO-DIMMスロットを2基備えており、最大8GBまでのメモリを搭載できる。LTEモジュールは、オプションとして提供され、利用する国にあわせたモジュールを搭載することになる。今後、5G対応モジュールが登場すれば、5Gへの対応も可能とのことだ。

 展示品は中のLTEモジュールが見えるように上面の一部が透明になっているが、製品版では透明部分はないとのことだ。展示品には、HUAWEI製LTEモジュールが搭載されていたが、日本で発売される製品については、Sierra Wireless製LTEモジュールが搭載されることになるという。

 SIMカードを利用するLTEなどの無線WANは、無線LANに比べて信頼性が高く、セキュリティ面でも安心であるという。また、無線LANであればルーターが故障すると通信できなくなるが、そうした対障害面でのリスクを少なく出来る点もメリットになるという。

 そのほか、センサーデータの集積などの用途では、無線LAN環境がない場所でもデータの送受信が可能なことがメリットとなる。常時通信可能という利点を活かして、POSや監視カメラ、IoT、デジタルサイネージなどの応用が考えられる。

DL10Jの前面には、USB 3.1 Gen1×2やライン出力、マイク入力が用意されている
DL10Jは、デジタルサイネージやセンサーデータの集積、POS、監視カメラなどさまざまな用途での使用が想定されている
DL10Jのスペック。CPUとしてCeleron J4005を搭載し、ファンレス動作を実現。SO-DIMMスロットを2基備えており、最大8GBまでのメモリを搭載できる

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小型ゲーミングPC「X1」のCoffee Lake世代モデルが登場、GPUも強化

小型ゲーミングPC「X1」のアップデートモデル。新モデルは、Coffee Lake世代のCPUを搭載し、ビデオメモリ6GB版GeForce GTX 1060(旧モデルはビデオメモリ3GB版)を搭載する
X1の背面。USB 3.1 Gen1×3(うち一つはType-C)、USB 2.0×4、Gigabit LAN、HDMI×3、DisplayPortなどが用意されている

 コンパクトな筐体にクアッドコアCPUとGeForce GTX 1060を搭載していることで人気の小型ゲーミングPC「X1」は、マイナーチェンジしたアップデートモデルが展示されていた。

 新X1は、ボディなどの変更はないが、CPUがCoffee Lake世代になり(現行モデルはKaby Lake世代)、GPUも3GBメモリ版GeForce GTX 1060から6GBメモリ版GeForce GTX 1060へ強化される。

 小型でも高性能なPCが欲しいというユーザー向けの製品で、ゲームはもちろん、ディープラーニングやシミュレーションなどのGPGPUアプリケーションにも向いている。ブースでは、人物を認識し、それぞれの人の位置を管理するシステムのデモが行われていた。X1のアップデートモデルは、今年夏頃に登場予定であり、価格は未定だ。

X1の上面。斜めに入った多角形ラインが印象的だ
X1の左側面。空気口が設けられている
X1では、人物を認識し、それぞれの人の位置を管理するシステムのデモが行われていた

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静電式タッチパネル搭載のコンパクトな一体型PC「P20U」、店頭の案内板などに最適

静電式タッチパネルを搭載した一体型PC「P20U」。液晶サイズは11.6型で、ファンレス設計となっている
P20Uの底面。数多くのインターフェースがあり、シリアルポートなどのレガシーインターフェースも用意されていることがポイントだ

 一体型PCの新モデル「P20U」も展示されていた。こうした一体型PCは、法人ではタブレット代わりに使われることが多いという。

 Androidタブレットは、バッテリーの交換ができないものが多く、数年使っているとバッテリーがへたってしまい、実用的に使えなくなるという問題がある。また、安価な製品は、製品の信頼性や耐久性にも難があることが多い。P20Uは、そうした問題を解決する製品だ。

 旧モデルの「X50V6」は、タッチパネルが感圧式なので力を入れて押す必要があり、やや操作に慣れが必要であったが、P20Uはより感度の高い静電式タッチパネルを採用しており、タブレットと同じような感覚で利用できる。

 また、タブレットは搭載インターフェースが貧弱で、拡張性に乏しいことも欠点であったが、P20Uは、底面に非常に多くのインターフェースを搭載しており、シリアルポートのようなレガシーインターフェースもサポートしているため、シリアルポートが必要な計測機器や製造装置などのコントローラーとしても利用できる。P20Uの発売は、今年夏頃の予定とのことだ。

P20Uの右側面。シリアルポート用の穴が設けられている
P20Uの左側面。SDカードスロットとUSB 2.0×2が用意されている
旧モデルの「X50V6」。液晶は15.6型と大きめだが、タッチパネルが感圧式なので、タブレットの代用としては今回の「P20U」の方が適しているという

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HDMIを4系統搭載し、最大で8K相当の表示も可能な薄型PC「DH02U」

薄型PC「DH02U」。前面にはUSB 3.1 Gen1×2とUSB 2.0×2、ヘッドホン、マイクが用意されている。また、壁掛け用のオプションパーツもある
DH02Uの背面。DisplayPortの代わりにHDMIを追加しており、HDMIが合計4系統となる。それぞれ4K出力に対応するため、4Kディスプレイを4つ田の字に並べれば8K相当の表示が可能だ

 「DH02U」は、HDMIを4系統搭載したことが特徴の薄型PCだ。高さは43mmしかないので、壁掛けでも運用しやすい。GPUはGeForce GTX 1050が搭載し、大型デジタルサイネージやマルチスクリーンが要求される用途に向けたモデルとなっている。

 複数系統の出力を持つビデオカードや完成品PCは、DisplayPortの数が多いのが一般的だが、DH02Uでは出力を全てHDMI変更、HDMI 2.0×4出力という構成を実現している。それぞれ4K出力に対応するため、4Kディスプレイを4つ用意して田の字に並べれば8K相当((8K出力時は最大30fpsになるとのこと)の表示が可能になる。

 8Kディスプレイは非常に高価だが、DH02Uと4Kディスプレイ4台を用意することで、8K相当の解像度を得られることが利点だ。また、DisplayPort対応の大型ディスプレイは高価な場合もあるが、HDMIであれば安価なテレビなども利用しやすいという。

DH02Uによる4K×4出力のデモ。こうした大型サイネージも低価格で実現できる
DH02Uの上面にはファンが2基装着されている
DH02Uのスペック。GeForce GTX 1050を搭載する

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キューブ型の新製品や毎年恒例のアイス配布など

 そのほか、Shuttle得意のキューブ型ベアボーンの新製品や、BLEを採用した位置情報管理システム、カメラ搭載で人の年齢や性別などを識別する大型サイネージなども展示されていた。

 また、毎年恒例のアイス無料配布が今年も行われており、常に行列ができていた。

左から「DH02U」、「SH370R6」、「SH310R4」。SH370R6とSH310R4は、XPC 300シリーズと呼ばれるキューブ型ベアボーンであり、SH370はH370チップセット、SH310R4はH310チップセットを搭載する
薄型ベアボーン「DH310」。Coffee Lake世代のCPUとH310チップセットを搭載した低価格モデル
左から「XH110G」、「XH270」、「XC60J」。XH110Gは容積3リットルクラスで、Kaby Lake/Skylake世代のCPUを搭載。XH270は、4台のHDD/SSDを搭載できるモデル。XC60Jは、Celeron J3355を搭載し、ファンレス動作を実現。8つのシリアルポートを搭載する
BLEを採用した位置情報管理システムのゲートウェイとBLEタグ
上部に設置されたカメラで、人の年齢や性別などを識別する大型サイネージのデモ
毎年恒例のアイス無料配布は今年も行われており、常に行列ができていた

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[制作協力:Shuttle]