COMPUTEX AKIBA出張所
ZOTACはカラフルなミニPCやVR向けの背負えるPCの新製品を展示、ハイエンドカードのアピールも
eスポーツのチャリティマッチも会場で開催(COMPUTEX AKIBA出張所 / ZOTAC編)
2019年6月3日 00:05
PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2019」が、5月28日~6月1日(現地時間)の日程で台湾で開催された。
詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。
記事末尾に製品やメーカーへの意見を入力できる入力欄を用意したので、ぜひ意見や要望を送信してほしい。いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。
日本支社設立で影響力増す、eスポーツ市場にも貢献
ZOTACは、2006年に設立されたPC/PC周辺機器メーカーであり、特にビデオカードやミニPC(またはベアボーン)で高い実績がある。最近ではVR向けの「背負えるPC」でも有名だ。
2018年9月に日本支社「株式会社ゾタック日本」を設立したことで、日本市場でのサポート体制が強化され、さらにBtoBでも影響力の強い存在となってきている。
また、ゲーミングブランド「ZOTAC GAMING」を立ち上げ、自ら賞金を供出するオンラインの対戦プラットフォーム「ZOTAC CUP」を主催。早くからeスポーツを積極的に支援し、盛り上げてきた。
今回のCOMPUTEX TAIPEI 2019でも大きなブースを構え、ZOTAC CUPのチャリティートーナメントを開催したほか、ビデオカードの新製品などを展示していた。
“小は大を兼ねる”「MEK MINI」、ポップなカラーバリエーションモデルも複数参考展示
ブースの目立つところに堂々展示されていたのが、ZOTACのゲーミングPC「MEK」シリーズの次世代モデル。小型の「MEK Mini」、スリムな「MEK1」、フルタワー型の「MEK ULTRA」の3モデルのラインナップがあるが、Intelの第9世代Coreプロセッサーとなった。
この中でも同社がフラッグシップと位置づけるのは、容積9.18リットルの小型ボディーにCore i7-9700、GeForce RTX 2070を収めたMEK MINI」。4月に発売されたばかりの現行モデル(Core i7-8700搭載)の後継だ。「小は大を兼ねる」というコンセプトを前面に押し出しているとおり、「PCの価値は必ずしも性能だけでは決まらない。高性能でありながら小さいことにプレミアムな価値がある」というのが同社のメッセージだ。同社が重視するのは、ボディーのサイズを含めた総合的なゲーミング体験だ。
このサイズ感であれば、設置も移動も容易。「ゲームが好きだけどPCには興味がない」「ゲームのために、詳しくないけれどPCを買っている」という方でも、抵抗なく導入することできる。そして、小さくても安定性検証は万全とアピールする。従来モデルはFINAL FANTASY XIVのファンフェスティバルに協賛した際に、1日約9時間連続、3日間合計で25時間以上、FINAL FANTASY XIVを動作させて、ノートラブルだった実績もあるという。
クールなフォルム、アドレッサブルRGBの美しいイルミネーションが楽しめるなど、ビジュアル要素にも力を入れており、カラーバリエーションも参考展示されていた。カラバリの中からピンクモデルのみ香港限定で発売することが予定されているというが、反響次第で日本市場でも展開することも検討されているという。
背負えるバックパック型PCの3代目「VR GO 3.0」
VR向けに最適な、背負うことができるバックパック型PCの次世代モデル「VR GO 3.0」も注目だ。基本構造を先代のVR GO 2.0から継承しつつ、スペックを大幅にアップデートした。CPUはCore i7-9750H、GPUはGeForce RTX 2070を搭載する。現在、アミューズメント施設などのコンテンツの多くは現行モデルが搭載しているGeForce GTX 1070を基準に制作されているというが、よりリッチな体験をしてほしいということで、次世代モデルではGeForce RTX 2070の搭載を決定したという。
スペック以外の仕様は現行モデルと共通。バックパック部にPC本体部をアタッチする構造となっており、作業中に背中に熱が伝わってくることがないよう熱的にも完全に分離されている。また、バッテリーは2基搭載でき、1個ずつホットスワップで交換することが可能なため、バッテリー交換のために作業を中断して電源を切る必要はない。
こうした特徴から、VR用以外にも、災害時の現場作業、緊急対策用PCとして自治体などからのオーダーや問い合わせが来ているという。担当者は、Windows MR、HoloLens 2などがより普及してくればさらに可能性が拓けてくるのではないかと話していた。
「3つの最上級」に込められたZOTACのメッセージ
ZOTACのビデオカードコーナーでは「3つの最上級」と銘打ち、同社のラインナップの中でも特に個性的な特徴のあるビデオカードをそれぞれ「THE STRONGEST」「THE COOLEST」「THE SMALLEST」としてフィーチャーしていた。
「THE STRONGEST」は、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP EXTREME」。業界最高クラスのOC仕様に加えて、美しいアドレッサブルRGB LED演出で所有欲を強く刺激する。
そして、「THE COOLEST」として展示したのは、水冷システム用の「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti ARCTICSTORM」。水冷システムに組み込めるため強烈に冷やすことができる。高さが「約1スロット」とスリムでスペースをとらず、冷却液を利用した効果的なビジュアル演出が可能な点も魅力だ。
3つ目の「THE SMALLEST」は、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 MINI」。最新のゲーミング体験ができる性能/機能、もっとも小さいサイズに抑えたモデルだ。
これらはすべて「それぞれ個性が異なるナンバーワン」であり、最上位、上位、廉価版という関係性ではない。この3モデルに限らず、ZOTACがラインナップする製品はすべてが同様にナンバーワンといえる個性を持っており、同社の製品企画/開発に対する考え方をアピールするものとなっている。
なお、未発表の新製品として、ロープロファイル対応のGeForce GTX 1650搭載ビデオカード「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 LOW PROFILE」も展示されていた。こちらもやはり同GPUの電力効率の優秀さを生かした「ロープロファイルのナンバーワン」。ニッチなニーズを吸い上げる感度の高さにエンドユーザーの顔がしっかり見えていることも感じさせる。
クリエイター向けミニPC、デジタルサイネージ向けミニPCなども
得意の小型化技術を生かしたミニPCを多数展示。ミニワークステーション、ミニクリエイターPCのほか、デジタルサイネージ向けや組み込み向け製品などを展示していた。
Intel、NVIDIAのVIPも駆けつけたZOTAC CUPチャリティートーナメント
ZOTACブースでは、eスポーツ大会「ZOTAC CUP」のチャリティートーナメントを開催。ZOTACが供出する10万USドルの賞金を、参加プレイヤーが受け取るのではなく、プレイヤーに紐付けられた慈善団体へ分配されるというルールになっている。
4月からアメリカ、ヨーロッパ、アジア、それぞれのリージョンで行われた予選を勝ち抜いた9名のプレイヤーにローカルインフルエンサー6名を加えた準決勝が初日に行われた。そこで勝ち抜いた5名と世界的に有名なストリーマー5名、合計10名での本戦が開幕という流れだ。
取材当日には、オープニングセレモニーが行われ、冒頭にはZOTACのCEOであるTony Wong氏が登壇してスピーチ。さらにIntel、NVIDIAのVIPも駆けつけ、会場を盛り上げた。
[制作協力:ZOTAC]