COMPUTEX AKIBA出張所
Seasonicは技術力をアピール、ファンレス電源や宇宙船風MOD PCを展示
800WのSFX-L電源も(COMPUTEX AKIBA出張所 / Seasonic編)
2019年6月5日 06:05
PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2019」が、5月28日~6月1日(現地時間)の日程で台湾で開催された。
詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。
記事の最後に製品やメーカーへの意見を入力できる入力欄を用意したので、ぜひ意見や要望を送信してほしい。いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。
1,600Wの大容量電源からファンレス電源まで、PC用電源が勢揃い
Seasonicは、創業40年を超える歴史を誇る、台湾の老舗電源メーカーである。同社の電源ユニットは、信頼性と変換効率が高いことで人気があり、10年保証や12年保証を実現していることも魅力だ。
今年のSeasonicのブースは、最大1,600Wの大容量電源ユニットから、売れ筋電源ユニットのリニューアルモデル、ファンレス電源ユニット、800Wの大容量SFX電源ユニット、斬新なケーブルレイアウトのコンセプトモデル、MOD PC、産業用電源ユニットまで、さまざまな製品が展示されていた。
ここでは、COMPUTEXのSeasonicブースに展示されていた製品の中から、特に注目すべき製品を取り上げる。
80PLUS Titanium認証を取得した1,600Wの大容量電源ユニット「PRIME TX-1600」
SeasonicのPC向け電源ユニットの中でも、上位製品として位置づけられるのがPRIMEシリーズである。PRIMEシリーズも、さらに変換効率の違いによって80PLUS Titanium認証を取得したPRIME TXシリーズ、80PLUS Platinum認証を取得したPRIME PXシリーズ、80PLUS Gold認証を取得したPRIME GXシリーズに分けられる。
ブースには、最上位のPRIME TXシリーズの新製品「PRIME TX-1600」が展示されていた。PRIME TX-1600は型番からわかるように、80PLUS Titanium認証を取得した1,600Wの大容量電源ユニットであり、SeasonicのPC向け電源ユニットのフラッグシップとして位置づけられる製品だ。出力ケーブルはフルモジュラー仕様で、135mmファンを搭載、さらに信頼性の高いアルミ固体電解コンデンサーを採用している。また、MTLRと呼ばれる技術により、出力電圧変動幅をわずか1%以内におさめていることも魅力だ。保証期間も12年と長い。
PRIME TXシリーズは、容量の違いによって650W/750W/850W/1,000W/1,300W/1,600Wの6モデルが用意されているが、1,300Wモデルと1,600Wモデルのサイズは210×150×86mm、1,000W以下のモデルは170×150×86mmであり、1,300W以上のモデルは奥行きが40mm大きい。日本では、このうち650W/750W/850W/1,300Wの4モデルが発売される予定で、発売時期は2019年秋になるとのことだ。
売れ筋のFOCUSシリーズがマイナーチェンジ、ケーブル接続基板を改良
また、80PLUS Gold認証を取得した1,000W電源ユニット「FOCUS GX-1000」にも注目したい。
こちらは、売れ筋のFOCUS Plus FXシリーズの後継となるフルモジュラータイプの製品であり、出力コネクタが実装されている内部のライザーカードが単層基板から2層基板になった。これにより、ケーブル側に内蔵されていたコンデンサーがなくなり、外観的にもすっきりしただけでなく、ノイズやリップルがより抑えられている。ファンは120mmで、外観のデザインも一新されている。保証期間も10年と長い。
日本では、650W/750W/850W/1,000Wの4モデルが発売される予定で、発売時期は2019年秋になるとのことだ。なお、ホワイトモデルも展示されていたが、こちらは日本での発売は未定だ。
ファンレス電源ユニットも2モデル展示、700Wモデルは80PLUS Titanium認証
ファンレス電源ユニット「PRIME Fanless TX-700」と「PRIME Fanless PX-500」にも注目したい。どちらも、ファンを一切装備していない完全ファンレス電源ユニットだが、TX-700は、80PLUS Titanium認証を取得、PX-500は80PLUS Platinum認証を取得している。信頼性の高いアルミ固体電解コンデンサーをはじめとする日本製パーツをふんだんに採用し、12年保証を実現。
ファンレス電源ユニットは発熱を抑えるために高効率が求められており、80PLUS Titanium認証を取得している本製品はSeasonicの持つ技術力の高さがよくわかる。
TX-700のサイズは170×150×86mmと、一般的なATX電源ユニットと同じのなのに対し、PX-500のサイズは140×150×86mmで、奥行きが30mm短くなっている。どちらも現時点では、日本での発売は未定とのことだ。
800Wの大容量を誇るSFX-L電源ユニット「PRIME STX-800」
最近は省スペースで高性能なPCの需要が増えており、小型でも大容量の電源ユニットが求められている。今回Seasonicはそうしたニーズに応えるために、800Wという大容量を実現したSFX-L電源ユニット「PRIME STX-800」を出展していた。
PRIME STX-800は、80PLUS Titanuim認証を取得した高効率電源である。コンパクトな電源ユニットで80PLUS Titanium認証を取得するのはなかなか難しく、これまでの電源開発のノウハウが活かされているとのことだ。
日本製の耐105℃アルミ電解コンデンサーをはじめ、信頼性の高いパーツが採用されている。姉妹製品として80PLUS Platinum認証を取得したSFX-L電源ユニット「PRIME SPX-800」も用意されていた。両製品とも日本での発売については、現在検討中とのことだ。