COMPUTEX AKIBA出張所
SeagateがSSDにも本格参入、ゲーミングSSDを複数のブースでアピール
NAS向けに設計した新モデルのSSDも近日登場?(COMPUTEX AKIBA出張所 / Seagate編)
2019年6月7日 17:01
PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2019」が、5月28日~6月1日(現地時間)の日程で台湾で開催された。
詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。
記事の最後に製品やメーカーへの意見を入力できる入力欄を用意したので、ぜひ意見や要望を送信してほしい。いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。
ゲーミングSSDをパートナー企業のブースでアピール、日本でも本格展開を予定
昨年のSeagateはブースを設け、最新技術を展示していた。熱アシスト型の記録方式を採用する「HAMR」や2本のアクチュエータを用いて高速化する「MACH.2」技術などがアピールされていた。
2019年のSeagateは、単独でのブース出展はないものの、パートナー企業のブースに機材協力という形でSSDの最新モデルをアピール。日本でもSSDを本格展開するとのことなので、会場に展示されていたSeagate製SSDを紹介する。
先に、SeagateのSSDラインナップを紹介しておこう。SSDも同社のHDDと同じブランドが用意されており、メインストリーム向けがBarracuda、より高速なゲーム向けがFireCuda、NASやそのキャッシュ向けがIronWolfとなる。今回のCOMPUTEXの展示では、ゲーム向けのFireCudaが多くのブースでアピールされていた。
ASRockブースではAMD X570マザーにFireCuda 510 SSDを搭載してデモ
ASRockブースでは、主力マザーボード「X570 Phantom Gaming X」を搭載するデモ機でSeagate FireCuda 510 SSDが搭載されていた。
FireCuda 510 SSDはM.2 2280サイズでPCI Express Gen3 x4接続、NVMeに対応しリード最大3.45GB/s、ライト最大3.2GB/sの転送速度を実現したモデルだ。デモ機は「Phantom Gaming D Radeon RX580 8G OC」ビデオカードを搭載し、LEDイルミネーションも施したゲーミングPC。
ストレージはCドライブとして高速なFireCuda 510 SSD 1TBモデルを用い、DドライブにはSeagate Barracuda 2TB HDDを搭載していた。ゲーミングPCにおける鉄板ストレージ構成と言えるだろう。
ASUSはNVMe SSD外付けケースにFireCuda 510 SSDを搭載してデモ
ASUSブースの展示でもFireCuda 510 SSDが用いられていたが、ちょっと趣向が異なりM,2エンクロージャーに搭載されていた。ASUSが今回はじめて展示した製品の一つで、製品名は「ROG STRIX ARION ESD-S1C」。
ゲーマー向けの「ROG」ブランドが用いられているように、ゲーミングPC用外付けストレージを自作するためのエンクロージャー。FireCuda 510 SSDが搭載できるとおり、PCI Express Gen3 x4接続に対応するとともにNVMeがサポートされている。
PCとの接続インターフェースはUSB 3.1 Gen2 Type-Cで、最大1GB/sの帯域だ。カラビナを付けられる穴や、LEDイルミネーションも備えている。
CoolerMasterは最新世代ケースのデモ機にFireCuda 510 SSDを搭載して展示
CoolerMasterブースでは、同社のケース「MasterBox CM694」やCPUクーラー「MasterLicuid ML360R RGB」などの製品とともに組み込まれた形での展示だった。
ケースの展示ということで、サイドパネルを開け内部までしっかりと見える状態で展示。FireCuda 510 SSDはマザーボード上のM.2スロットに搭載されていた。
MSIはFireCuda 510 SSD×4枚構成のソリューションを紹介
MSIブースでは、同社のM.2拡張カード「M.2 XPANDER-AERO」上に、FireCuda 510 SSDを4枚搭載し、これをデモ機にも載せて動作デモを行なっていた。
M.2 XPANDER-AEROは、4つのM.2スロットを並べた基板に、ヒートシンク&ファン付きのカバーを設けた2スロット厚のPCI Express x16カード。クーラーによってSSDの発熱をしっかりと冷却するとともに、対応マザーボードではこれらをRAIDで運用することができ、超高速かつ大容量のSSDストレージを実現できる。
デモ機のマザーボードは「MEG X299 CREATION」。Core Xプラットフォームなので、PCI Express x16スロットが2本、フルレーンで利用でき、こうした拡張が可能になっている。ハイエンドを極めたい方は、こうしたFireCuda SSDの活用方法にもチャレンジしてみて欲しい。
Thermaltakeはオープン型ケースでのM.2 SSDの有用性を紹介
Thermaltakeブースでは、同社がCOMPUTEXで発表した水冷ラックとも呼ぶべき製品「Distro Plate Open Frame」のスペック表にBarraCuda 510 SSDの名を確認できた。
Distro Plate Open Frameは、製品名にプレート、オープンラックとあるように、板状の本体内に水冷のクーラントが流れ、その板の上にマザーボードや電源など各種パーツを装着するデザイン。
こうしたデザイン性の高いケースでは、従来の3.5/2.5インチストレージを搭載するスペースがないものもあり、そうした場合ではマザーボード上に装着できるM.2ストレージが重宝される。ただし、今回のデモではSSDの手配が間に合わなかったのか、基板上をよく見てもM.2スロットが空だった。
ASUSTORはNAS用SSDへの対応をアピール、オールフラッシュNASをより安全に運用
ASUSTORブースでは、近日発売が予定されているNAS用SSDの「IronWolf 110 SSD」への対応が紹介されていた。残念ながら実機はなかったものの、IronWolf 110 SSDのモックアップとポップが展示されていた。
IronWolf 110 SSDはNAS向けの機能を備えた2.5インチSATA SSD。HDDのIronWolfシリーズと同じく、IronWolf Health Management(IHM)機能を備えており、NAS本体により細かいステータス情報を提供することで運用の安定性を高めることができる。NASのメインストレージとしてだけでなく、キャッシュとしての利用も想定されたモデルになっている。
ASUSTORのモデルでは10G LAN搭載のAS4004T/AS4002TがIronWolf 110 SSDに対応しているとのことで、IronWolf Health Managementを利用してNASを運用可能とのことだった。
[制作協力:Seagate]