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注目の「給料制」プロゲーミングチームDetonatioN FMの
「世界挑戦ツアー」、凱旋結果を見に行ってみた
text by スイニャン
(2015/5/7 17:03)
最近、とみに話題になっている「eスポーツ」だが、今の話題の中心は秋葉原にあるeスポーツ施設「e-sports SQUARE AKIHABARA」であり、近々日本サーバーが立ち上がると噂されているゲーム「League of Legends」(Riot Games / 以下LoL)だ。
中でも注目されているのが、国内独自リーグ「LJL 2015」のシーズン1で優勝し、あまつさえ「完全給料制」「専用宿舎(ゲーミングハウス)での生活とトレーニング」といった「プロとしてのありかた」にフォーカスしているプロチーム「DetonatioN FocusMe(以下DetonatioN FM)」。
今回はそのDetonatioN FMが、4月30日にe-sports SQUARE AKIHABARAで開催した「世界挑戦ツアー凱旋パーティ」の模様をお伝えする。
話題の「League of Legends」で世界に挑戦
5人のプレイヤーでチームを結成、役割を分担しながら敵チームと戦うLeague of Legendsだが、今回、国内リーグを制したDetonatioN FMに与えられたのは、Riot Gamesが主催するLoLの公式世界大会「IWCI(International Wild Card Invitational)」への参戦権。
DetonatioN FMは、参戦前のトレーニングを「プロの世界」が感じられる米国で実施。その後開催地のトルコに渡って参戦。世界に対して1勝したものの結果は1勝6敗。
「凱旋パーティ」では、出場選手が悔しさをにじませつつ「世界の壁は厚かった」「次のIWCIまでに精進したい」と口々に語った。
なお、パーティに参加したDetonatioN FMのメンバーはBonziN選手、Astarore 選手、Ceros選手、KazuXD選手の4選手とマネージャーのLGraN氏。このほか、アメリカブートキャンプに同行した株式会社ロジクールの仲尾周三郎氏とLJL専属キャスターのeyes氏が参加。LJL総合司会でおなじみの室川慎也氏とLJL広報担当Angelatty氏の2人が聞き手となった。
初挑戦ながら勝ち星もしかし世界の壁は高かった…
それでは会場で語られた試合経緯と選手の声を紹介しよう。
国内王者として世界に挑戦することになったDetonatioN FMだが、世界レベルではまだまだ経験不足なのは否めないようだ。
結果、大会初日は連続2敗、という痛恨の内容に。LGraNマネージャーによると、「他の出場チームともスクリム(練習試合)していたが、各国とも練習と本番では実力がまるで違っていた。どうしたら良いのか分からなかった……」そうで、困惑げ。
それでも日本代表の意地か、2日目は「(戦略的に行けるはずだが)練習したことはない」という初めての編成で試合に挑戦することに。この戦略はて見事にハマり、ついに世界大会で初勝利。
この結果、予選突破の可能性を残すことができ、喜びに沸く選手。LGraNマネージャーは感極まって泣きだすほどだったとか。しかし、続く3日目にまたも2敗。予選突破の夢は破れてしまった。
……そして帰国。悔しさを隠せない、各選手とマネージャーの声を紹介しよう。
自信と団結力を得たアメリカブートキャンプ
さて、順序は逆になるが、パーティでは、「IWCI」参戦前のアメリカでの武者修行(ブートキャンプ)についても語られた。
「日本から来たプロチーム」としてロジクール本社で紹介されたエピソードや、米国プロチーム「Cloud9」と撮った写真を公開。憧れの選手とツーショットを撮らせてもらったKazuXD選手は、エピソードを語りながらも興奮気味。「リスペクトしてます」と直接英語で会話できたことが印象的だったとか。
練習については、かなり激しくやっていたようで、「朝起きてから寝る直前までゲームをしていた」そう。「食事やトイレは(チーム間で試合設定を調整する)バンピックの時間を利用した」ほど。実際、「最初はちょっとスクリムを入れすぎた」(LGraNマネージャー)と苦笑いしつつ反省も。練習相手については「世界大会(LCS)に出ているチームも含まれる」そうで、そうした相手と直に戦えたことはいい経験になったようだ。
「ブートキャンプで得たものは?」という質問には、選手たちは口をそろえて「自信がついた」とコメント。さらに、「10日間の合宿で本当の意味でチームワークができた。普段以上にケンカをしたが、それによってチームとしての団結力が生まれた」と語り、ゲームの実力はもちろん、メンタル面でも良い効果が得られたよう。
ちなみに、食事は「量が多すぎて食べきれなかった」といい、わざわざ日本食を食べに行った写真も公開。そのほかCeros選手とBonziN選手が乗り物酔いで苦労した話や、ロジクールの仲尾氏の提案による「ゴールデンゲートブリッジ1日観光」の思い出について楽しそうに語っていた。
LJL連覇を目指しDetonatioN FM新体制発表
最後にDetonatioN FMのマネージャーLGraN氏より、5月23日(土)からスタートする「LJL 2015」のシーズン2に向けて、チームの新体制が発表された。
これまで選手を兼務していたKazuXD選手が、ゲームを分析して戦略を考える「アナリスト」専任となり、さらに海外からも戦術アナリストを招聘するという。選手は1名減る計算だが、既存の4名とYumeoti選手に加え、Ozone Rampageより移籍したZenith選手と韓国生まれのHwang選手を新たにチームに迎えたことを発表。シーズン2開幕間近には新たな発表を予定しているとのことなので、今後の展開にも期待したい。
「LJL 2015」のシーズン2にはDetonatioN FMを含む全6チームが参戦する。ほかのチームが打倒DetonatioN FMを掲げるであろうプレッシャーの中、世界挑戦ツアーを通じてひと回りもふた回りも成長したDetonatioN FMが連覇を果たせるのか、注目である。