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最高画質のウォッチドッグス2が遊びたい、最適なGeForce搭載カードを探してみた

MSI GAMINGシリーズのGeForce GTX 1080~1060搭載モデル4種でテスト text by 坂本はじめ

 2014年に発売され、世界的な人気を博したオープンワールド・ハッキング・アクションゲーム「ウォッチドッグス」。その続編となる「ウォッチドッグス2」が12月1日に発売された。

 発売直後から既に高い評価を獲得している同作は、ハッキングを駆使したアクションはもちろん、精緻なグラフィックで描かれたサンフランシスコを舞台とするオープンワールドゲームとしても魅力的な作品だ。

 今回は、今冬注目タイトルの筆頭であるウォッチドッグス2をより快適かつ魅力的にプレイするのに最適なGPUを見つけるべく、GeForce GTX 10 シリーズのミドルレンジからハイエンドまでのGPUをチェックする。

 ゲーミングPCの自作を考えている、あるいはPCのアップグレードを検討している諸兄は、ぜひ参考にしてもらいたい。

GeForce GTX 1060 3GBからGTX 1080までMSI製の4製品でチェック

 「ハッキングアクション」であり「オープンワールドアクション」であるウォッチドッグス2の魅力を最大限に楽しむなら、プレイ中の描画品質は出来るだけ高く設定したいものだ。

 AAA級ゲームであるWatch Dogs 2を高画質でプレイするためにビデオカードを新調しようと考えるなら、Pascalアーキテクチャを採用するNVIDIAの最新鋭GPU「GeForce GTX 10 シリーズ」は、最有力の候補となるだろう。

 今回はそのGeForce GTX 10 シリーズの中から、MSI GAMING Xシリーズのモデルを使用し、GeForce GTX 1060 3GB、GeForce GTX 1060 6GB、GeForce GTX 1070、GeForce GTX 1080の4種で、Watch Dogs 2に最適なカードを探してみた。

 なお、MSI GAMINGシリーズは動作クロックを切り替えられるので、今回は最高性能となる「OCモード」でテストを実行している。

MSI GeForce GTX 1060 GAMING X 3G
MSI GeForce GTX 1060 GAMING X 6G
MSI GeForce GTX 1070 GAMING X 8G
MSI GeForce GTX 1080 GAMING X 8G

 ビデオカード以外のテスト機材は以下の通り。Intel Core i7-6700Kを中心としたLGA1151プラットフォームベースのテスト環境だ。

・テスト環境
 CPU IntelCore i7-6700K
 マザーボード MSIZ170A GAMING M7
 メモリ DDR4-2133 8GB×2
 SSD OCZ Vector 180 (480GB)
 電源 玄人志向KRPW-TI700W/94+(700W/80PLUS TITANIUM)
 OS 日本マイクロソフトWindows 10 Pro(64bit)
 グラフィックスドライバGeForce Game Ready Driver 376.19
 室温 28℃

60fps/最高画質ならGeForce GTX 1080、ウォッチドッグス2の負荷を検証GeForce GTX 1060なら画質「高」まで

 PC版ウォッチドッグス2には描画品質にかかわる設定項目が多数用意されており、グラフィックのクオリティをユーザーが細かく設定できる。自分の納得できる設定を詰めるのもPC版ならではの楽しみ方ではあるが、今回は標準で用意されている描画設定プリセットを利用し、各GPUのパフォーマンスをチェックする。

フレームレートの測定ポイント。アルカトラズ島からサンフランシスコ市街を展望するというロケーションだ。

 一般的に、描画品質とフレームレートはトレードオフの関係にあり、美しく精緻な描画設定を行えばフレームレートは低下し、フレームレートを高めるには描画品質を妥協しなければならない。だが、Watch Dogs 2を真に楽しむなら、描画品質とフレームレートのどちらも欠けてはならない要素だ。

 そこで今回は、画面解像度を1,920×1,080ドットのフルHDに設定したうえで、標準で用意されている描画設定プリセットの「高(High)」「超高(Very High)」「最高(Ultra)」の3設定を適用して検証を行った。フレームレートの測定は、アルカトラズ島からサンフランシスコ市街を望むロケーションで行った。

描画設定「高(High)」適用時。VRAM使用量の目安は2,660MB。
描画設定「超高(Very High)」適用時。VRAM使用量の目安は2,980MB。
描画設定「最高(Ultra)」適用時。VRAMの使用量目安は4,859MBとなり、GTX 1060 3GBのメモリ容量を超過する。

 テスト結果をまとめたものが以下のグラフだ。PC版ならではの快適なプレイを望むなら60fpsは欲しいところだが、全てのGPUが60fps超えるのは「高」の時のみで、「超高」ではGeForce GTX 1060が60fpsになり、「最高」ではGeForce GTX 1070も60fpsを僅かに上回る程度にまで低下している。

Watch Dogs 2 (1,920×1,080ドット)

 今回フレームレートの測定を行ったポイントは、比較的GPUの負荷が高いシーンであり、実際のゲーム中には今回の検証結果より高いフレームレートが出る場面も少なくない。

 また、それと同時にウォッチドッグス2はCPUのマルチスレッド性能を強く要求するゲームタイトルであり、GeForce GTX 1080を使用している状況で描画設定を「最高」にした場合、場所によってはIntel Core i7-6700Kの4コア8スレッドがフル稼働状態でもCPU性能が足りず、GeForce GTX 1080がフル性能を発揮できないまま60fpsを割ってしまうという状況も起こり得る。

街中など、CPU負荷が高いシーンでは8スレッド全てに90%以上の負荷がかかる。ウォッチドッグス2はCPUの性能をかなり要求するゲームで、4コア/8スレッド/4GHz動作のCore i7-6700Kでも性能が足りなくなることもある。

 真に描画品質を追求するなら、GPUだけでなくCPUもマルチスレッド性能に優れた製品を選択する必要があるが、GPU自体の性能で言えば、GeForce GTX 1080はフルHD解像度の描画品質を「最高」にセットしても、ウォッチドッグス2を60fps以上で動かすだけの実力はあると言えるだろう。

人通りの多いストリートのようなNPC(ノンプレイヤーキャラクター)が多い場所では、Core i7-6700KでもCPU使用率は100%に達する。なお、このシーンでのGPU使用率は80%前後(GeForce GTX 1080)で、CPUの性能不足によってGPUが遊んでしまっている状態になっているようだ。
描画設定最高時のGeForce GTX 1080では、NPCの数がそれほど多くない室内などでフレームレートが跳ね上がる。もちろん、GPU負荷が軽めになることも影響しているが、NPCが減ることによるCPU負荷の減少によってGPUの性能が引き出されることも要因になっている。
ウォッチドッグス2の舞台となるサンフランシスコ。昔とあるドラマを見ていた筆者としては、ゴールデンゲートブリッジや坂道を走るケーブルカーなど、不思議と懐かしさを覚える光景を目にすることができる。なお、街中などは比較的負荷が高い。
ウォッチドッグス2の世界には多数のモブNPCが登場するが、その一人一人にバックストーリーが存在しており、作品にリアリティを持たせる要素となっている。

セミファンレス対応の「TWIN FROZR VI」を搭載、MSI GAMINGシリーズの特徴

 最後に、今回テストに用いたMSI GAMING シリーズ製品について紹介しておこう。

 MSI GAMING シリーズはゲーマーにフォーカスして設計したビデオカードであり、今回テストに用いた製品名に「GAMING X」を冠するビデオカードは、優れた冷却性能と、セミファンレス機能も含め静粛性も兼ね備えた「TWIN FROZR VI」クーラーを搭載したモデルだ。また、同社のラインナップの中では上位モデルに位置し、オーバークロック性能を追求したモデルでもある。

セミファンレス機能に対応する2連ファン搭載GPUクーラー「TWIN FROZR VI」
ミドルレンジモデルのGeForce GTX 1060でもバックプレートを搭載。品質重視の設計が際立つ。
形状の異なるブレードを交互に配置したトルクスファン 2.0を採用。独自の形状でエアフローを最適化して冷却効率を高めた他、セミファンレス機能をサポートしている。
「OC」、「ゲーミング」、「サイレント」の動作モードはMSI GAMING APPから切り替え可能。
カード上に備えられたMSIロゴ部分は発光機能付き。
LEDの発光パターンや、RGB LEDのカラー変更もMSI GAMING APPから行える。

 参考までに、今回ウォッチドッグス2で検証を行ったビデオカードで、3Dベンチマークテストの定番である3DMarkのFire Strikeを実行してスコアを取得。同時に消費電力の測定も行った。

 ウォッチドッグス2の結果と合わせて参照することで、手持ちのPCがウォッチドッグス2でどの程度のパフォーマンスを発揮できるのかの参考や、各GPUを導入するにあたって必要な電源容量の参考にして貰えれば幸いだ。

3DMarkの実行結果
PC本体の消費電力
MSI ARMORシリーズは、セミファンレス機能やバックプレートを省いて費用対効果を高めたモデル。写真は「GeForce GTX 1080 ARMOR 8G OC」。

 なお、MSIはGAMING X系のビデオカードシリーズ以外にも、白黒カラーと費用対効果の高さを特徴とするARMOR シリーズをはじめ、性能やデザインにこだわったオリジナルデザインのビデオカードを複数ラインナップしている。予算や見た目に対する好みから、自分に最適な製品を探してみると良いだろう。

描画にこだわってウォッチドッグス2を遊ぶならGeForce GTX 1070以上を狙いたい

 AAA級のオープンワールドアクションゲームであるウォッチドッグス2を高い描画品質で楽しむには、CPUとGPUともに優れた性能が求められるということが、今回の検証結果から明らかになった。フルHD解像度であっても「超高」や「最高」といった描画設定プリセットで遊ぶなら、GeForce GTX 1070以上のGPUが欲しいところだ。

 なお、NVIDIAでは11月22日~12月19日までの期間限定で、GeForce GTX 1070およびGeForce GTX 1080を購入したユーザーを対象に、Watch Dogs 2を無料で入手できるキャンペーンを展開しており、今回紹介したMSIのGAMING シリーズ製品もキャンペーン対象となっている。

 59.99米ドルで販売されているウォッチドッグス2が無料で入手できるのであれば、GeForce GTX 1060の購入を考えていたユーザーにとっても、GeForce GTX 1070あたりは選び安い製品となりそうだ。この機に思い切ってハイエンドGPUを購入して、高品質な映像でウォッチドッグス2を楽しんでみてはいかがだろう。

[制作協力:MSI]