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MSIの「GeForce RTX 2070 ARMOR 8G」を早速テスト、最適化次第でGeForce GTX 1080を大幅に超える性能を発揮
2018年10月16日 22:00
GeForce RTX 20シリーズの新モデル「GeForce RTX 2070」を搭載カードの販売が近日開始される。
それに先立ち、MSIからオリジナルクーラー搭載モデルの「GeForce RTX 2070 ARMOR 8G」を借用することができたので、外観の確認や、ベンチマークテストなどを簡単に行ってみた。
GeForce RTX 2070は、現在発表されているGeForce RTX 20シリーズの中ではエントリーに位置するハイエンドGPUだが、前世代にあたるGeForce GTX 10シリーズと比較して明確なアドバンテージがあるのかも気になるところ。パフォーマンステストはGeForce GTX 1080との比較を行っているので、これから上位GPU搭載カードを購入する予定のユーザーは参考にしてもらいたい。
なお、GeForce RTX 2070 ARMOR 8Gの予価は、税込で71,500円前後とのことだ。
オリジナルクーラーを搭載したMSIのGeForce RTX 2070 ARMOR 8GRGB LEDにセミファンレス機能も
GeForce RTX 2070は、NVIIAのTuringアーキテクチャを採用する新型GPU。GeForce RTX 2080 Ti/GeForce RTX 2080の下位にあたるモデルで、コアはTU106-400とされている。
現在発表されているGeForce RTX 20シリーズの中ではエントリーに位置するモデルだが、ミドルハイからハイエンドクラスをカバーするモデルで、2,304基のCUDAコアと14Gbps動作のGDDR6メモリを8GB搭載している。メモリとGPU間のメモリインターフェイスは256bitで、メモリ帯域幅は448GB/sec。
今回紹介するMSIのGeForce RTX 2070 ARMOR 8Gは、オリジナルデザインの「ARMOR」クーラーを採用したモデル。ベースクロックは1,410MHz、Boostクロックは1,620MHz。消費電力は175W。白と黒のツートンカラーが目を惹くデザインになっており、基板背面を覆うバックプレートはドラゴンの柄が特徴だ。
ディスプレイ出力端子はHDMI 2.0b×1、DisplayPort 1.4a×3、次世代VRヘッドセット向け規格であるVirtualLinkに対応したUSB Type-C×1を備えている。
側面のロゴ部分はRGB LEDが搭載されており、同社のRGB LEDイルミネーション機能「Mystic Light」に対応している。クーラーのファンは独自形状/ダブルボールベアリング仕様の「TORX FAN 2.0」が採用されており、セミファンレス機能の「ZERO FROZR」に対応。補助電源コネクタは8ピン+6ピンを備えている。
新しいゲームほど性能を発揮しやすいGeForce RTX 2070GeForce GTX 1080比で最大4割高速になるケースも
それではGeForce RTX 2070のパフォーマンスを見ていこう。
GeForce GTX 10シリーズの上位モデルを置き換える性能がGeForce RTX 2070にあるのか、今回は比較用にGeForce GTX 1080を搭載するMSIの「GeForce GTX 1080 GAMING X 8G」を用意し、性能を比べてみた。
ベンチマークは3DMarkの「Fire Strike」と「Time Spy」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(レビュアー向けバージョン)」を使用した。
ビデオカード以外のベース機材は、Core i7-8700K + Z390マザーボードの環境を用意した。主な構成は以下の通り。
・CPU:Intel Core i7-8700K
・マザーボード:MSI MAG Z390 TOMAHAWK(Intel Z390)
・メモリ:Crucial CT2K8G4DFS8266(DDR4-2666 8GB×2)
・SSD:Intel SSDSC2KW480H6X1(SATA 480GB)
DirectX 11世代のゲームはGeForce GTX 1080と同等、Fire Strikeでテスト
それでは実際の性能を見ていこう。まずはDirectX 11世代のゲームを遊んだ場合を想定して、3DMarkのFire Strike(フルHD)とFireStrike Ultra(4K)を実行してみた。
結果はほぼ同等のスコアとなった。フルHDのFire Strike、4KのFireStrike Ultraともに近いスコアになっており、DirectX 11では解像度によって大きく性能差が開くといったこともないようだ。GeForce RTX 2070とGeForce GTX 1080はCudaコア数が近いこともあり、順当な結果と言えるだろう。
DirectX 12はGeForce RTX 2070がGeForce GTX 1080よりも10%高速、Time Spyでテスト
続いて、DirectX 12のテストとなる3DMark「Time Spy」のスコアを見てみよう。
DirectX 11のテストではあまり差が見られなかったGeForce RTX 2070とGeForce GTX 1080だが、Time Spyの結果はGeForce RTX 2070が約10%ほど高速となった。
DirectX 11とDirectX 12のスコア傾向を見ている限りでは、GeForce RTX 20シリーズは、世代の新しい技術を使ったゲームの方が相性が良いようだ。
DLSSの効果は絶大、FFXVベンチはGeForce RTX 2070が最大4割高速に
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークは、描画品質を「高品質」に設定し、4Kの画面解像度でテストを実行した。
Tensorコアを持たないGeForce GTX 1080ではTAAのみ、GeForce RTX 2070ではDLSSとTAAのどちらも利用してベンチマークを実行した。
結果はDLSSを利用したGeForce RTX 2070がTAAを利用したGeForce GTX 1080よりも約41%も高い「3,862」を記録した。
DLSSはGeForce RTX 20シリーズが備えるTensorコアを活用して既存のアンチエイリアシング処理に変わる画像処理を行う機能だが、この効果は絶大だ。
TAA利用時はGeForce RTX 2070とGeForce GTX 1080の間に大きな差は見られないが、DLSSにゲームが対応しさえすれば、GeForce RTX 2070はGeForce GTX 10シリーズよりも明確に上位の性能を発揮できる。今後様々なゲームへのDLSS適用化が期待されるところだ。
新しいゲームを遊ぶならGeForce RTX 2070、最適化が進めばさらなる性能向上も
GeForce RTX 2070は、相性が良くないケースでもGeForce GTX 1080相当の性能は備えており、DLSSなど相性が良いソフトであればGeForce GTX 1080を大きく上回る性能を発揮する。
レイトレーシングやDLSSといった新しい機能は、現在まだ活用できる環境が少ないものの、対応しさえすれば前世代GPUでは実現できないレベルの性能を発揮する傾向は今回の結果からもわかってもらえるだろう。特にDLSSは対応することで大きくゲームの性能が向上するので、対応ゲームが増えることを期待したい。
また、今回のテストで使用したMSIのGeForce RTX 2070 ARMORは、高負荷状態でも動作温度にゆとりがあり、静音性にも優れていた。
これから上位GPUを搭載したビデオカードの購入を検討しているユーザーは、GeForce RTX 2070を搭載する「GeForce RTX 2070 ARMOR 8G」を購入候補に加えてみてはいかがだろうか。
[制作協力:MSI]