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PS4版「レッド・デッド・リデンプション2」をSSDで高速化、ロード時間を最大で半分に

西部劇の世界をより快適に、Crucial MX500を外付けで簡単増設 text by 坂本はじめ

 2018年10月に発売され、大作オープンワールドゲームとして高い評価を獲得している「レッド・デッド・リデンプション2(Red Dead Redemption 2)」。PS4版の必要インストール容量は99GBとされており、超大作となっている。

 今回はこの「レッド・デッド・リデンプション2(PS4版)」をより快適に遊ぶため、SSDを導入する価値があるのか、標準のHDD搭載状態と比べてシーン毎に速度を検証してみた。

 なお、PS4は「拡張ストレージ機能」を利用することで外付けSSDを簡単に増設可能だ。SSDをインストール先として利用した際、ロード時間がどれだけ短縮できるのか実際の効果を見てみよう。

西部劇の世界が堪能できる!大作オープンワールドゲーム「レッド・デッド・リデンプション2」

 レッド・デッド・リデンプション2は、ロックスター・ゲームス(Rockstar Games)より2018年10月に発売されたオープンワールドアクションゲーム。

 19世紀から20世紀へと時代が移り変わっていくアメリカを広大なマップで描く本作は、オープンワールドゲームの中でも高い評価を獲得しているタイトルのひとつで、大ヒットを記録している。すでに楽しんでいるというユーザーも多いだろう。

 オープンワールドゲームである本作のマップはシームレス化されており、マップのエリア移動によるロード待ちは排除されているが、セーブデータを読み込んでゲームを再開する際や、ファストトラベルの利用など、マップの生成/再生成が必要となる場面でロード待ちが発生する。

 今回は、そのようなシーンで発生するロード時間について、インストール先に外付けSSDを用いることでどこまで短縮できるのか確認する。

薄型PS4で「内蔵HDD」と「外付けSSD」のロード時間を比較

1TBのHDDを内蔵する薄型PS4のグレッシャー・ホワイトモデル「CUH-2100BB02」。

 今回のテストでは、Crucial MX500シリーズの500GB SSD「CT500MX500SSD1」を、玄人志向の外付けケース「GW2.5FST-SU3.1」に入れてPS4に接続して行う。

 PS4が備える「拡張ストレージ」機能を用い、ゲームのインストール先に設定可能な外付けSSDとして利用。内蔵HDDと外付けSSDでのロード時間を比較した。

 テストに用いるPS4は、1TBのHDDを内蔵した薄型PS4のグレイシャー・ホワイト「CUH-2100BB02」。システムソフトウェアのバージョンは6.20。

Crucial MX500の500GBモデル「CT500MX500SSD1」。1万円以下で購入可能な6Gbps SATA対応SSD。
PCに接続した際の速度。6Gbps SATA対応SSDとしては最上級の性能を備えている。
玄人志向「GW2.5FST-SU3.1」。USB 3.1 Gen2対応の外付けHDD/SSDケース。
PS4のUSBポートに接続する。PS4のUSBポートは5Gbpsまでの対応なので、USB 3.0またはUSB 3.1 Gen1以上の外付けケースであれば問題ない。

パッケージ版「レッド・デッド・リデンプション2」のロード時間を6つのシーンで測定

 今回のテストでは、パッケージ版レッド・デッド・リデンプション2を利用する。パッケージ版はBlu-rayディスク2枚組となっており、本体ストレージにインストールした際の容量はなんと100GBを超える。

 桁違いのインストール容量からも、レッド・デッド・リデンプション2が尋常ならざるボリュームのオープンワールドゲームであることが伺える。

 ロード時間を比較するシーンは「ゲームの起動」「ストーリーモード再開時」「セーブデータのロード」「ファストトラベル」「列車の利用」「駅馬車の利用」の6つ。各シーンで3回ずつロード時間を測定し、その平均値を比較する。

 検証の前に、一応Blu-rayディスクからのインストール時間を紹介しておくが、これはHDDとSSDでほぼ同じとなった。Blu-rayドライブのデータ転送速度はHDDよりもだいぶ遅く、ここがボトルネックになるため、インストール時間に差が出なかったものと思われる。

ゲームの起動はSSDが若干高速に

 まずはゲームの起動時間の比較だ。起動を開始してからタイトルメニューが表示されるまでの時間を測定した。

 測定の結果、HDDの起動時間が37.6秒であったのに対しSSDは33.3秒。外付けSSDの利用によって短縮された時間は4.3秒で、SSDはHDDの約89%の時間で起動を完了した。

ストーリーモード再開時の速度はSSDが倍以上高速、効果は絶大

 続いて、タイトルメニューからストーリーモードを選択し、ゲーム中で操作が可能になるまでの時間を比較した。ここではマップを1から描画することになるため、かなりのディスクアクセスが発生する。

 HDD利用時のロード時間は約85.4秒と1分半近い時間を要したが、SSDのロード時間はわずか36.9秒。外付けSSDの利用で短縮された時間は48.5秒で、SSDはHDDの約43.2%の時間でロードを完了した。

セーブデータのロードはSSD化で半分近くまで高速化可能

 ゲーム中のメニュー画面で、セーブデータのロードを実行してから操作可能になるまでの時間を比較した。

 測定の結果、HDDのロード時間が49.7秒だったのに対しSSDは25.2秒。短縮された時間は24.5秒で、SSDはHDD比で約51%の時間でロードを完了した。

 マップをゼロから描画するストーリーモード再開時のロードより差は縮まっているが、ここでもSSDが大幅な時間短縮を実現している。

ファストトラベルはSSDが8秒ほど高速に

 マップが広大なオープンワールドゲームで必須とも言えるファストトラベル。今回は「ホースシュー高台」から「エメラルド牧場」へのファストトラベルを実行した際に生じるロード時間を比較した。

 ファストトラベル実行時のロード時間は、HDDが65.7秒だったのに対しSSDは57.5秒。SSDの利用によって、8.2秒の時間を短縮し、HDD比で約83%の時間でロードを完了した。

列車の利用時の移動は約10秒ほどSSDが高速

 レッド・デッド・リデンプション2では、列車による移動が実装されており、駅間のファストトラベルとして利用できる。今回は「エメラルド牧場」から「バレンタイン」へ列車で移動した際の時間を比較した。

 列車での移動時に生じたロード時間は、HDDが59.2秒だったのに対しSSDは49.3秒だった。SSDは9.9秒の時間を短縮し、HDD比で約83.3%の時間でロードを完了した。

駅馬車の利用の時間もSSDが若干高速

 レッド・デッド・リデンプション2において、列車と並んで序盤から利用可能な移動手段が駅馬車だ。今回は列車と同じく「エメラルド牧場」から「バレンタイン」へ駅馬車で移動した際に生じるロード時間を比較した。

 HDDのロード時間が31.4秒だったのに対し、SSDのロード時間は26.2秒だった。短縮された時間は5.2秒で、SSDのロード時間はHDD比で83.5%だった。

レッド・デッド・リデンプション2はSSDで遊ぶべきディスクアクセスの多い場面での効果は絶大

 レッド・デッド・リデンプション2では、インストール先に外付けSSDを利用することで、セーブデータのロードやストーリーモード再開時など、マップを新たに生成する際のロード時間を劇的に短縮することができた。

 ファストトラベルや列車の利用では移動シーンの演出に一定の時間が割かれるため、SSDによるロード時間短縮効果は限定的に見えるかもしれないが、それでも1回あたり5~10秒近い時間が短縮されている。利用の頻度とゲームのボリュームを考えれば、これは決して小さな差ではない。

 レッド・デッド・リデンプション2は、ぜひともインストール先にSSDを利用すべきタイトルだ。今回のように外付けSSDを拡張ストレージとして利用すれば、簡単かつ効果的にロード時間を短縮できるだろう。

[制作協力:Crucial]