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GeForce RTX 3060はゲームもクリエイター用途もイケる、搭載BTO PCで実力をテスト
ミドルクラスの新型は万能タイプ、FRONTIERの「FRGXB460/36A」 text by 坂本はじめ
2021年2月26日 10:00
2月26日に発売解禁となったNVIDIAの新たなミドルレンジGPU「GeForce RTX 3060」は、ゲームもクリエイティブもこなせる万能ミドルレンジGPUとして注目を集めている。
今回、GeForce RTX 3060を搭載するFRONTIER(フロンティア)製のゲーミングBTO「FRGXB460/36A」を試す機会が得られた。この機会に、NVIDIAがGeForce RTX 3060への乗り換えを推奨する旧世代GPU「GeForce GTX 1060」との比較を通して、新時代のミドルレンジゲーミングPCがが実現するパフォーマンスを確認してみよう。
なお、FRGXB460/36Aの価格は税抜き139,800円で、ミドルクラスゲーミングPCとしては手の出しやすい価格帯に投入されている。
GeForce RTX 3060 + 8コアCPUはミドルクラスの新定番構成コスパ重視のミニタワーゲーミングPC「FRGXB460/36A」
FRONTIERのFRGXB460/36Aは、「GeForce RTX 3060」と「Core i7-10700F」を組み合わせたゲーミングPC。筐体にmicroATX向けのミニタワーケースを採用しており、190×356×421mm(幅×高さ×奥行)というコンパクトなサイズを実現している。
コストパフォーマンスを重視した基本設計を採用するFRGXB460/36Aだが、最新ゲームの要求を満たせる16GBのメインメモリを備え、システムディスクには1TBのNVMe SSDを搭載するなど、ゲームをプレイするのに必要なスペックはしっかり押さえられている。ケース内部の組み立て品質も良好で、ゲーミングPCの新調や買い替えを検討しているゲーマーにとって、安心して選べる費用対効果の高い選択肢となるだろう。
GeForce RTX 3060の性能はGeForce GTX 1060の約2倍、新旧GPUの性能を比較してみた大作ゲームを遊ぶなら乗り換え効果は大
ここからは、GeForce RTX 3060を備えるFRGXB460/36Aのゲーミング性能をチェックしていく。テストしたゲームは、「Apex Legends」、「サイバーパンク2077」、「Microsoft Flight Simulator」。
NVIDIAは、旧世代のミドルレンジGPU「GeForce GTX 1060」のユーザーにとって、GeForce RTX 3060が究極のアップグレードになるとしている。本当にそれほど効果的なのか、FRGXB460/36AのビデオカードをGeForce GTX 1060 6GBに差し換えた際のパフォーマンスとの比較を今回は行ってみた。GPUの進化がどれほどゲームでのパフォーマンスを高めるかに注目してみよう。
Apex Legendsは最高画質で倍以上のフレームレートに
Apex Legendsでは、描画設定を可能な限り高く設定したフルHD解像度で、平均フレームレートの測定を実施した。なお、テスト時は起動オプションでフレームレートの上限を解放している。
平均で151.8fpsを記録したGeForce RTX 3060は、71.4fpsだったGeForce GTX 1060の2倍以上のフレームレートを実現。高画質設定でも144Hz級ゲーミングモニターの表示性能を引き出せる実力を示して、世代間の圧倒的な性能差を見せつけた。
サイバーパンク2077はフルHD/60fps前後が狙える
サイバーパンク2077では、描画設定プリセット「高」を適用したフルHD解像度で、平均フレームレートの測定を実施した。
旧世代のGeForce GTX 1060が、プレイする上で最低限確保したい30fpsを下回る27.4fpsに留まる一方、GeForce RTX 3060は平均64.8fpsを記録。大部分で60fpsクラスの滑らかな描画でゲームをプレイすることができる。
ちなみに、GeForce RTX 3060は、描画設定を1段上の「ウルトラ」にした場合でも平均58.3fpsを記録し、さらにDLSSを自動設定で有効化すると、平均80.2fpsまでフレームレートを高めることができる。また、リアルタイムレイトレーシングを用いるプリセット「レイトレーシング:中」でも平均56.6fpsを実現可能であり、描画品質を追求しても60fps付近の滑らかな映像を実現可能だった。
12GBの大容量VRAMでクリエイティブ用途も快適なGeForce RTX 3060ゲームもVRAM 6GBでは足りない時代に
GeForce GTX 1060を圧倒するゲーミング性能を備えたGeForce RTX 3060が、12GBという大容量VRAMを搭載していることは、ゲーマーだけでなくクリエイターにとっても大きなメリットとなる。
今回テストしたゲームでも、サイバーパンク2077やMicrosoft Flight Simulatorでは、フルHD解像度でもGeForce GTX 1060が搭載する6GBを超えるVRAMを消費するが、クリエイティブシーンにおいても、扱うコンテンツが複雑で高解像度になるほど大量のVRAMが必要となる。
また、ゲームと違い、複数のアプリケーションを同時に利用する機会も多いクリエイティブでは、余裕を確保できる12GBのVRAM容量は魅力的だ。
今回はBlenderとPremiere Proで使用量を確認したが、軽く使うだけでもVRAMはそれなりに消費される。BlenderであればZbrush、PremiereであればPhotoshopといったように、クリエイター向けのアプリケーションは他の素材を作成するアプリケーションと連携させて使用することも多く、VRAMは正直あればあっただけ良い。ミドルクラスで12GBのVRAMを備えるGeForce RTX 3060は、ゲーム以外でも魅力的なカードだ。
GeForce RTX 3060は余裕のあるVRAM容量に加え、Ampereアーキテクチャに基づいて設計された新世代のGPUコアもクリエイティブ用途で高いパフォーマンスを発揮する。
3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークの実行結果をまとめたグラフをみてみると、どのシーンのレンダリングでもGeForce GTX 1060を圧倒しており、合計レンダリング時間は9分36秒と、GeForce GTX 1060の58分20秒の約6倍速を実現している。これだけ差があると、ゲーム以外の用途でも大幅に性能が向上していることは体感でもしっかりわかる。
コスパを求めるゲーマー&クリエイター注目のGeForce RTX 3060搭載PC
GeForce RTX 3060を搭載した「FRGXB460/36A」は、ゲームでもクリエイティブでも高いパフォーマンスを発揮しており、NVIDIAの主張通りGeForce GTX 1060ユーザーのアップグレード先として、申し分のない実力を備えている。
ミドルレンジGPUながら12GBものGDDR6メモリを備えたGeForce RTX 3060は、ゲームやクリエイティブで高まるVRAM需要に対応した新時代のスタンダードとなるGPUだ。ゲームだけをするのであればGeForce RTX 3060 Ti/GeForce RTX 3070も選択肢になるが、クリエイター用途でも使うなら万能タイプでバランスの良いGeForce RTX 3060を推したい。
PCの新調や更新を検討しているゲーマーとクリエイターにとって、FRGXB460/36AのようなGeForce RTX 3060搭載PCは、確かな性能を手に出来る費用対効果の高い選択肢となるだろう。
[制作協力:FRONTIER]