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TDP 65W版Rocket Lake-Sはゲームも結構いける!搭載ゲーミングPCで実力をチェック

GeForce RTX 3080搭載のFRONTIER FRGBZ590/A text by 坂本はじめ

 FRONTIER(フロンティア)より、Rocket Lake-SことIntel第11世代Coreプロセッサを搭載したゲーミングBTO PCの新モデルが編集部に届いた。Rocket Lake-Sは新アーキテクチャの採用することで、従来を上回るゲーミング性能を実現するとされている。

 オーバークロックに対応した末尾にKを冠するモデルのレビューは多いが、今回テストするのはTDP 65Wで8コアの標準モデル「Core i9-11900F」を搭載するPCだ。

 TDP 65WのCPUは、前世代の第10世代Coreシリーズではコストパフォーマンスの良さと発熱面での扱いやすさから選ばれることが多かったライン。第11世代のCoreシリーズでもTDP 65Wモデルはバランスの良いCPUなのか、FRONTIERのBTO PCで実ゲームのパフォーマンスをチェックしてみよう。

Rocket Lake-SとGeForce RTX 3080を搭載した「FRGBZ590/A」デザインとエアフローにもこだわったケースを採用

FRGBZ590/A。冷却性とビジュアルを兼ね備えたケースを採用しており、ケース左側面には強化ガラスパネルを搭載

 今回試すFRONTIERのRocket Lake-S搭載BTO PCは「FRGBZ590/A」。

 ビジュアルと冷却性を兼ね備えたハイクオリティなケースを採用する「GBシリーズ」のBTO PCで、CPUにRocket Lake-Sの8コア16スレッドの「Core i9-11900F」、ビデオカードはGeForce RTX 3080を搭載している。なお、今回の「FRGBZ590/A」で採用されているケースは、Phanteksのモデルをベースにしたものだ。

ケース前面。大口径ファンを3基搭載するフロントには、通気性の良いメッシュパネルを採用。
ケース内部の配線はスマートにまとめられており、組み立てのクオリティも高い。

 CPUとビデオカード以外の搭載パーツは、メモリはDDR4-3200 16GB(8GB×2枚)、PCIe 3.0対応1TB NVMe SSD、1,000Wの80PLUS GOLD電源となっている。これらのパーツや、CPUクーラーなどはカスタマイズに対応しており、最大で128GBまでのメモリや、PCIe 4.0 SSD、高性能な水冷クーラーなどを選択して購入することができる。

ケース左側面。強化ガラスパネルを採用しており、内部のパーツを視認できる。
ケース背面。排気用の140mmファンの他、バックパネルインターフェイスや電源ユニットにアクセスできる。
天板側に搭載されている前面インターフェイス。USB Type-Cコネクタも備える。
ケース右側面。フラットな金属製サイドパネルを採用している。

4Kゲームもしっかり遊べる8コア/TDP 65Wの「Core i9-11900F」搭載PCの実力を主要3タイトルでチェック

 それでは、TDP 65WモデルのRocket Lake-Sを搭載するFRGBZ590/Aの実力を実際のゲームでチェックしてみよう。テストしたゲームは、「Apex Legends」、「サイバーパンク2077」、「Microsoft Flight Simulator」の3タイトル。

4Kでも130fpsオーバー、フルHDなら260fps環境で遊べるApex Legends

Apex Legends

 Apex Legendsでは、描画品質を可能な限り高くしたうえで、フルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)という3種類の画面解像度で、平均フレームレートの測定を実施した。なお、テスト時は起動オプションでフレームレートの上限を解放している。

 FRGBZ590/Aは、フルHDで約264fps、WQHDで約220fpsという非常に高いフレームレートを叩き出しており、4Kでも約138fpsを記録。それぞれの画面解像度で、ハイスペックなゲーミングモニターの表示能力を存分に引き出せるほどのパフォーマンスを発揮している。

フルHD解像度では、200fpsを大きく上回るフレームレートを記録した。
4K解像度でも120fpsを超えるフレームレートを記録しており、高精細とハイフレームレートを両立している。

WQHDまでならレイトレーシングありでも70fps超えのサイバーパンク2077

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、描画設定プリセット「レイトレーシング:ウルトラ」を適用し、フルHDから4Kまでの画面解像度で平均フレームレートの測定を実施した。

 FRGBZ590/Aが記録した平均フレームレートは、フルHDで約74fps、WQHDで約71fps、4Kで約49fps。いずれの画面解像度でも30fpsを大きく上回るプレイアブルなフレームレートを記録しており、特に60fpsを超えるWQHD以下では、リアルタイムレイトレーシングによる美しいグラフィックを滑らかな映像で楽しむことができる。

フルHD解像度。人通りの多いシーンでも70fps前後のフレームレートを記録している。
4K解像度。60fpsには届かないものの、十分プレイできるだけのフレームレートは出ている。

4K/30fpsラインを超えられるMicrosoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、描画設定プリセット「ULTRA」を適用し、フルHDから4Kまでの画面解像度で平均フレームレートの測定を実施した。

 今回の測定では、羽田空港から関西国際空港へ飛行するルートの離陸から3分間のフレームレートを測定したのだが、結果として全ての画面解像度で快適にプレイできる基準となる30fpsを上回ることができた。離陸直後の地上付近では30fpsを下回るシーンもあるものの、上空では安定して30fpsを上回っており、フライトの大部分を快適な操作と精緻なグラフィックで楽しめる。

 ただ、Microsoft Flight Simulatorはメインメモリの使用量が非常に多いタイトルだ。FRGBZ590/AでMicrosoft Flight Simulatorをプレイするのであれば、メインメモリは32GB以上にカスタマイズすることをおすすめする。

フルHDであれば、低高度でも40fps前後のフレームレートを実現できる。
4K解像度でも30fps前後を維持できる。

確かな性能を備えたRocket Lake-S搭載ゲーミングBTO PC安定供給されればゲーミングPCの新定番に

 Rocket Lake-SとGeForce RTX 3080を搭載したFRGBZ590/Aは、Apex Legendでのハイフレームレート・ゲーミングから、グラフィック重視のサイバーパンクやMicrosoft Flight Simulatorまで、多くのゲームを楽しめる高いゲーミング性能を備えていた。

 これは、優れたGPU性能を備えるGeForce RTX 3080と、そのGPU性能をしっかり引き出すことのできるRocket Lake-Sの確かなCPU性能が組み合わさることで実現したものだ。今回使用しているCore i9-11900FはTDP 65Wの制限があると考えるとなかなかの性能だ。半導体不足の状況下なので供給量とコスト面次第な部分はあるが、Rocket Lake-SとGeForce RTX 30シリーズの組み合わせが、ゲーミングPCの新たな定番となる可能性は高い。

 いま、ゲーミングPCの新調を考えているのであれば、Rocket Lake-Sを搭載したゲーミングBTOを検討してみてはいかがだろうか。

[制作協力:FRONTIER]