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在宅勤務で集中できない? それなら集中力が高まるMSIのモニター「Creator PS321QR」の出番!
PS5の4K出力をダウンコンバート表示もできる32型WQHDディスプレイ text by 日沼諭史
2021年5月26日 00:01
周りに同僚の目はないし、だらけようと思えばだらけてしまえる在宅勤務。いつでも飲み食いし放題で、服装はパジャマでよかったりもする……。こうした状況でどう緊張感を保てばいいのか悩んでいる人もいるはずだ。だからこそ、今まさに、集中力を高められる仕事環境が必要とされているのでは、と筆者は思うのである。
そのためのアイテムとして今回取り上げたいのが、MSIの液晶ディスプレイ「Creator PS321QR」(以下、PS321QR)。クリエイターに向けたモデルではあるものの、「集中力アップ」を図れる機能・性能が満載ということもあって、在宅勤務におけるデスクワークにもバッチリハマる製品だ。そして、仕事が終わった後のオフでは、サイコーのゲーム体験ができたりもする。どんなディスプレイなのか、さっそく紹介していこう。
高リフレッシュレートは滑らかでちらつきを抑えた表示がイイ!32型/WQHDの高解像度かつ見やすい環境で集中力アップ
PS321QRは、32型、WQHD(2,560×1,440ドット)解像度の液晶ディスプレイ。応答速度1ms、リフレッシュレート165Hzという、高解像度と高リフレッシュレートのバランスが取れた性能をもつ。それでいてIPS方式のため、シャープな映りと178度の広い視野角を実現し、仕事用途でもストレスなく使える製品になっている。
そんなPS321QRの「集中力アップ」につながる要素の1つは、まず「32型のIPS液晶でWQHD解像度」という部分だ。
高解像度でよりインチサイズの小さいディスプレイもたくさんあるけれど、その分ピクセルサイズも小さくなるため、視認性がどうしても低くなる。せめて文字の視認性だけでも上げようと、たとえばWindows 10でフォントの表示スケールを125%以上に設定すれば、今度は1画面に収められる情報量が減ってしまう場合もある。
しかし32型なら、WQHD解像度でもピクセルサイズは小さくなりすぎず、フォントの表示スケールも100%が推奨となり、2,560×1,440ドットの広いデスクトップを完璧に活かすことが可能だ。高解像度ディスプレイを選ぶ際、この部分は実はかなり重要なので気にしておきたいところ。
また、IPS液晶なので、ユーザーが姿勢を変えることなく画面の隅々まできれいな発色と、キリッとした輪郭を視認できるのもポイントだ。
視界を広くカバーするサイズで、かつ細部まで見やすい解像度だからこそ、没入して集中力を切らすことなく作業を続けられる。文字が見にくくてディスプレイに顔を近づけたりするような姿勢の変化は、その時点ですでに集中力が保てていない可能性が高い。そういったことが防げるのがこの解像度、このサイズのメリットと言える。
165Hzという高いリフレッシュレートについても、マウスカーソルの動きや画面スクロールが圧倒的に滑らかになり、ちらつきを抑えることになるため、疲労の軽減、ひいては集中力の持続につながる。高リフレッシュレート表示はゲーム以外でもある程度恩恵があることは知っておいてほしい部分だ。
正確かつ鮮やかな表示が可能な広色域対応パネルを採用、Adobe RGBは99%のカバー率高い表現力が仕事上のリスクを減らして集中力アップ
色の再現性という面でも、PS321QRはかなり強力なスペックを誇っている。一般的なsRGBのカバー率が99%、より広範な色域を再現するAdobe RGBも99%、iPhoneなどが対応しているDCI-P3についても95%に達している。そしてさらに、きめ細かなコントラストを表現できるHDR(DisplayHDR 600)にも対応する。
この色域の広さ、表現力の高さは、一般的な事務用途だと使い道も、使いこなしようもないのでは、と思うかもしれない。たしかに、ところどころに写真を挿入したプレゼン資料をパワーポイントで作って誰かに見せる、もしくは誰かが作った資料を見る、といったような仕事内容であれば、きっと色域のことを意識するまでもない。
ただ、クリエイターが作成した動画、写真、ウェブ、ゲームなどのコンテンツを見るユーザー側としては、それらがクリエイターの意図通りの見た目で再現できるかどうかは重要だ。1色に塗りつぶされたキツい赤に見えるけれど、制作者側が意図していたのは微妙にグラデーションがかかったオレンジだった、ということになれば、その映像から受ける印象にも食い違いが出てきてしまう。当然、クリエイターの側にとっても、制作中に思った色が出ないとなるとストレスはたまる一方なので、正確かつ広い式域が使えることは重要だ。
同じ映画を見た友人となぜか話がかみ合わないと思ったら、ディスプレイの色域が狭いのが原因だった、なんて事態もありえるかもしれない。あるいは、ゲームで対戦中、暗い森の中に潜んでいる相手に気付かずキルされてしまった、なんてケースがないとも言い切れない。広い色域でHDR対応であれば、友人との話が一段と盛り上がり、ゲームでは暗がりにいるプレーヤーをしっかり見分けて先制攻撃できたかもしれない。PS321QRなら映像本来のクオリティをフルに堪能できるうえ、対戦ゲームでも有利になる可能性があるのだ。
一般ユーザーの場合は、こうした発色の違いが「集中力アップ」に直接関係するわけではないかもしれない。けれど、細かな色の判別ができないことで作業中にストレスを感じたり、本来は柔らかに表現されている色合いが単調で刺激の強い色合いに変わってしまって、目に疲労が蓄積されやすくなる可能性もある。そういう意味では、PS321QRの広い色域性能は仕事上のデメリットになりそうなリスクをわずかでも低減でき、集中力維持をサポートしてくれる可能性が十分にあるのだ。
付属の遮光フードが仕事に抜群の効果!視認性も向上余計なものを視界に入れず集中力アップ
冒頭でも書いたように、在宅勤務では誘惑されそうなものが常に視界に入りやすく、集中が途切れてしまうことがよくある。だったらそもそも視界に入れないようにすればいいのだ! ということで、そんなときはPS321QRに付属している遮光フードを活用しよう。
周囲の照明などの光がディスプレイに反射したり、ディスプレイの色味に影響を与えたりしないようにするのが、遮光フードの基本的な役割だ。PS321QRの画面はノングレア処理が施されているので元々反射は少ないけれど、遮光フードを使えばより確実に、徹底的に、外乱要素みたいなものを排除しやすくなる。
なんとなく映画やドラマを撮影している屋外の現場で使われているイメージがあり、実際にその様子を見たことがある人もいると思う。なので、取り付けるだけで、あっという間にプロっぽさを醸し出すこともできるわけだけれど、遮光フードは光の反射などを防ぐのと同時に、物理的に視界を限定して画面への没入度を高めるのにも活用できる。
余計なものが視界に入りにくくなれば、当然のことながら集中力も増し、生産性を高められる。マグネット式で簡単に脱着できるので、集中モードとそうでないモードとの切り替えにも手間がかからない。散らかった部屋が視界の端に入って思わず片付けたくなったり、積みゲーや積ん読が自分をおいでおいでしているのを目にしたりと、仕事の妨げになりそうな「有害な情報」はいつも画面外に潜んでいる。遮光フードがあれば、それらを効果的に遮断できるのだ。
といっても、実際のところはそこまで広範囲を覆う大きさのフードではないので、画面外の背景が全く目に入らないなんてことはない。ただ、普段から周囲の光の映り込みがほとんどないだろうと思っていても、遮光フードを取り付けてみると意外なほど画面に落ち着きが出る。
ディスプレイにわずかな映り込みがあっても無意識のうちに気にしないようにしているだけであって、遮光フードでそれが一切なくなってしまうと、本当は映り込みがあったのだと改めて気付ける。目や脳の負担が減っているようにも感じ、集中力を長続きさせる効果が高まりそうにも思う。
ちなみに、画面に映ったSNSの飯テロ写真までは遮光フードで防げないことは(当然のことだけれど)頭に入れておきたい。広色域のせいでいつも以上においしそうに見えるかもしれないから、要注意である。
接続端子が豊富だからPCを遠くに離して静かな環境も作れる機能的かつ騒音減で集中力アップ
インターフェースの充実度の高さもPS321QRの特徴だ。映像入力はHDMI 2.0b×2、DisplayPort 1.2a×1、USB Type-C(DisplayPort Alt Mode)の4つあり、複数のPC、ゲーム機などを接続しておいて、ディスプレイ背面のスティック型ボタンで素早く切り替えられる。また、USBドック機能も内蔵しており、USBポート×4(うちアップストリーム×1)、ヘッドフォン出力、マイク入力、ヘッドセット端子に加えて、SDカードリーダーまである。
このUSBドック機能があることで、さらなる「集中力アップ」を図ることが可能だ。というのも、通常、周辺機器はPC本体に接続して使うもので、それらにアクセスしやすいようPCはできるだけ身近に置いているのではないかと思う。ところが、PS321QではUSBドック機能を使うことで周辺機器をある程度ディスプレイ本体側に集約できるため、PCを近くに置いておく必要性は薄くなるのだ。
PCと接続する映像用のケーブルやアップストリームポートへのUSBケーブルをどれだけ長くできるかにもよるけれど、可能な範囲で遠ざけることで、PCのファンノイズなどの騒音は耳に届きにくくなる。ノイズが少なくなれば作業にも集中しやすくなる、というわけだ。
部屋の間取りの関係でPCを遠ざけることができなかったとしても、USBポートやヘッドセット端子、SDカードリーダーなどが使える利点は活きる。オンライン会議が当たり前になり、カメラやヘッドフォン・マイクの重要性が増している昨今、それら周辺機器の接続をディスプレイ本体周りで完結できるのは合理的で無駄がない。
手を伸ばせばすぐ届く側面に搭載されたSDカードリーダーを使えば、デジカメ写真の取り込みも楽々だ。手間を減らせる分、仕事に集中できる時間も長くとれるに違いない。
ユーティリティ「クリエイターズOSD」でディスプレイ設定を自分に最適化使いやすい環境を構築して集中力アップ
PS321QRをはじめとするMSI製ディスプレイのもう1つユニークなポイントとしては、「クリエイターズOSD」という独自のユーティリティが用意されていること。USBのアップストリームポートとPCを接続していれば利用することが可能だ。
PS321QRが元々備えている多彩な設定項目を、Windows上でマウスを使ってより簡単に操作・設定できるようにするのがこのクリエイターズOSDの役割。sRGBやAdobe RGBなどの色域モードの切り替えがマウスクリックでできるうえに、そのモードごとの詳細な画質設定の項目もきめ細かくカスタマイズできる。色温度、輝度、液晶の応答時間、Free Syncのオンオフなど、さまざまな要素を調整して、より集中力が高められる自分好みの画質に近づけたいところ。
また、アプリケーションウィンドウをきれいに整列するWindows 10のスナップ機能を拡張したような、柔軟なウィンドウ配置を可能にする「分割ウィンドウ」機能もある。さらにはディスプレイに接続している2つのデバイスの画面を同時に1画面内に表示する「PBP」(Picture by Picture)と「PIP」(Picture in Picture)にも対応しており、この設定もクリエイターズOSDでわかりやすく設定可能だ。
PBPとPIPは、たとえばメインPCで作業しているときに、サブPCで実行している長時間かかる処理の進捗を常に確認しておきたい、といったようなときに役に立つ。Type-Cポートにスマートフォンを接続して、スマートフォン上の通知などをPC画面で確認できるようにする、という使い方もできるだろう。
もしくはあえて同じPCから2系統入力して、PBPやPIPで仮想的なデュアルディスプレイのような形で活用するのも面白い。使い方の例としては、「ただ小さく表示したい」だけのアプリケーションがあったときだろう。Twitterのタイムラインでもいいし、PCの動作状況をモニタリングするツールでもいい。
こうしたアプリケーションのウィンドウはサイズ変更できなかったり、サイズ変更すると表示が崩れてかえって見にくくなったりすることもある。それをPIPで表示すれば、サブ画面の方ではそのまま縮小されて表示されるため、邪魔にならず、表示崩れも起きないというメリットがあるわけだ。PBPやPIPのオンオフ切り替えもボタンクリック1つで完了する。普段のPC操作のストレスになる部分をこういった機能でサポートすることで、集中力はさらに長続きするはずだ。
仕事を効率良く片付けて自由な時間を増やそう!プライベートでは最新ゲームを最高のクオリティでプレー
とことん集中できれば生産性は高まり、結果として仕事を早く終わらせることができるだろう。そうしたら、プライベートタイムをじっくりまったり満喫できるはずだ。
そのときはぜひとも、PS321QRでゲームをプレーしてみてほしい。大画面かつ165Hzの高リフレッシュレート環境はゲームをより楽しくしてくれるだろう。
ちなみに、このPS321QRはメーカーの動作保証は無いものの、PS5の4K出力をダウンコンバート表示することができた。PS5で120Hz出力をした際はフルHD解像度となるが、4K/60HzまたはフルHD/120HzでPS5のゲームを楽しむことができる。PCと接続して仕事などに使うのはもちろん、ゲーム機用の大きめのディスプレイとしてもPS321QRは活躍してくれる。現時点でほどよいサイズ、解像度で仕事をこなせるうえに、高解像度・高画質なゲーム映像を堪能する選択肢の1つといえるだろう。
クリエイター向けという位置付けの製品ではあるけれど、在宅勤務している多くの人が集中力を維持して生産性高く仕事できるようにする機能・性能をもち、仕事から離れたプライベート用途でも最高レベルのゲーム体験を実現できるという、幅広いユーザーに適したディスプレイというのがPS321QRの本当の姿なのだ。
短期間ではあるが、一通りの機能をテストしてみて、「あまりに集中しすぎて1日中ディスプレイから離れられなくかも」と、心配になるくらい魅力にあふれた1台に出会えた気がする。
[制作協力:MSI]