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144Hz/フルHD/IPSで初ゲーミングモニターにもピッタリな「MSI Optix G272」

27インチのスタンダードモデル、Adaptive-Syncもサポート text by 佐藤岳大

 MSIのゲーミングモニター「Optix G272」は、フルHD(1,920×1,080ドット)で144Hz駆動の高速IPSパネルを備えた27インチの液晶ディスプレイ。同社のラインナップではスタンダードモデルとなる「Gシリーズ」の製品で、ゲーム向けの性能や機能はおさえつつ、初めてのゲーミングモニターとしても導入しやすい価格帯で販売されている。

 今回は、ゲーミングPCと家庭用ゲーム機の「Nintendo Switch」と組み合わせ、環境を選ばず使用できるのか、本製品の魅力を確かめてみた。

144Hz駆動/フルHD/応答速度1msのイマドキ仕様な27型IPSゲーミングモニターAdaptive-Syncにも対応

 MSI Optix G272は、最大144Hz駆動に対応した27型パネル採用のゲーミングモニターだ。画面解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)で、応答速度は1ms(MPRT)、IPS方式の液晶パネルを採用している。

 本体サイズは612.5×228.2×444.3mm(幅×奥行×高さ)で、実売価格は3万円前後。

27型ゲーミングモニター「MSI Optix G272」。
本体背面。

 視野角と発色に優れたIPSパネルを採用することで、sRGBカバー率99.4%、DCI-P3カバー率92.4%の広色域で鮮やかな表示を実現している点もポイントだ。

画面解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)で、最大144Hzのリフレッシュレートに対応している。
IPS液晶パネルを採用し、色再現性と視野角の広さに優れる。
DisplayPort/HDMI接続時ともに、リフレッシュレートは60/85/100/120/144Hzから選択できる。

 搭載しているインターフェイスは、DisplayPort 1.2a、HDMI 1.4×2、ヘッドホン出力、電源入力(DC IN)で、これらは本体背面下部に集約されている。そのほか、電源スイッチを本体右下、OSD操作用のコントローラを本体背面の右下に備える。

 MSI Optix G272の最大リフレッシュレートは、DisplayPortおよびHDMIともに最大144Hzに対応する。

 動的ディスプレイ同期を可能にする「Adaptive-Sync」に対応しているため、対応GPUと組み合わせることでリフレッシュレートをフレームレートと同期させ、ティアリングの無いスムーズな映像表示が可能となっている。

本体背面下部のインターフェイス。DisplayPort 1.2a、HDMI 1.4×2、ヘッドホン出力、電源入力(DC IN)。
本体背面に配置されているOSD操作用コントローラ(Navi Key)。

 MSI Optix G272のディスプレイスタンドは、上下角度を-5~20度に調整できるチルト機能に対応している。本体背面にはVESA100(100×100mm)規格に準拠したねじ穴が設けられており、付属のスペーサーを使用することで同規格対応のモニターアームを利用することもできる。

MSI Optix G272のディスプレイスタンド。本体には付属のねじで固定する。
VESA100対応のねじ穴も配置されており、付属のスペーサーを使用することでアームの取り付けなどにも対応する。
上下角度をもっとも下向き(-5度)にした状態。
上下角度をもっとも上向き(+20度)にした状態。

PCと接続すれば「高速駆動」と「鮮やかさ」を両立FPSやバトロワでもがっちり使えるMSI Optix G272

「Apex Legends」

 まずはフル機能を利用できるPCに接続した際の使用感を見て行こう。ゲーミングPCなどを所有しているユーザーであれば、MSI Optix G272の最大144Hz動作を活かした高速表示が可能となる。

 144fpsでゲームを動かすためにはPC側にも相応の性能が必要となるが、高速表示が求められるFPSやバトルロイヤルゲームから、IPSパネルによる鮮やかな描画でAAA級オープンワールドのようなグラフィック重視のタイトルまで対応できるMSI Optix G272は、汎用性の高いゲーミングモニターと言えるだろう。

 今回はミドルクラスのゲーミングPCを使用し、120~180fps程度フレームレートが出る環境で「Apex Legends」をプレイしてみたが、144Hz対応液晶らしい快適さを感じられた。

144Hz/IPSパネル採用で高画質かつ高フレームレートの環境でゲームを楽しめる。
60Hz対応の事務機用のディスプレイなどと比べると、描画の滑らかさや残像感の無さ、視認性の高さなどが感じられる。
高リフレッシュレートでグラップリングフック移動中も敵を見逃さずに目で追える。
近距離の銃撃戦でも敵をしっかり視認できるので、ディスプレイ側の残像感のせいでわけがわからず負けるといったことが避けられる。

 Apex Legendsのようなタイトルでは、フレームレートやリフレッシュレートが重要視されるが、動きの速いシーンでも視認性は高く、スタンダードモデルとして十分な性能をもったゲーミングモニターといった印象だ。

 ティアリングなどを抑えたい場合は、Adaptive-Syncを有効にすることでより快適な環境でゲームを遊ぶことができるので、対応するGPUを搭載したPCを所持しているのであれば是非活用して欲しい。

戦闘中はじっくり見ている暇はないが、遠景なども表示される場面ではグラフィックの美しさも楽しめる。
Apex Legendsも鮮やかなグラフィックのゲームなので十分恩恵があるが、RPGなど世界観を楽しむゲームであればより鮮やかさがメリットとして活きてくるはずだ。

 また、グラフィック重視のゲームでもIPSパネルによる美しい表示が可能で、27インチというサイズ感もあり、事務作業向けの廉価ディスプレイとは異なるゲーミングモデルらしい没入感を得られる。

 MSI Optix G272はリフレッシュレートと画質のバランスが取られたゲーミングモニターなので、ジャンルを問わず使える汎用性が高いモデルと言えるだろう。

家庭用ゲーム機にも“ちょうど良い”MSI Optix G272IPSで鮮やかなゲーム体験

「モンスターハンターライズ」

 家庭用ゲーム機での使用例として、Nintendo Switchを接続して「モンスターハンターライズ」をプレイしてみたが、IPSパネルの鮮やかな発色でゲームとの相性も良く、存分に狩猟生活を楽しめるだろう。

 モンスターハンターライズの場合、ゲーム機本体の液晶画面が6.2インチということもあり、ゲーミングモニターに接続して遊ぶと一気に視認性が上がり、プレイもしやすくなる。

集会場は桜や明かりの色合いが鮮やかな場所だが、MSI Optix G272の発色の良さがよく分かる。
空や緑といった景色の描画も美しく楽しめる。

 PCゲームでも同じだが、画面が見やすくなるということはそれだけ操作がしやすくなることでもあり、その分ゲームがある程度うまくなったのと同じ効果を発揮する。モンスターハンターライズはアクションゲームなので、特にこの恩恵が大きく、大型の液晶ディスプレイを導入するだけでもプレイをかなり快適にしてくれるはずだ。

 家庭用ゲーム機をPC向けのゲーミングモニターに接続した際は、音をどう出すかが問題になるケースが多い。ゲーミングディスプレイはスピーカーを搭載していないモデルも多く、無線のヘッドセットなどが使えない場合はひと手間かかることもある。

 MSI Optix G272はスピーカー非搭載だが、HDMI端子から入力された音声データをヘッドホン端子から出力できる。Nintendo Switchなどを利用する際は、この端子にスピーカーなどを接続して遊ぶと良いだろう。

Nintendo Switchは、HDMIで接続する際はスピーカーのついたテレビと接続する前提となっているため、ゲーミングモニターと接続する際は別途スピーカーなどを用意しよう。
MSI Optix G272は背面にヘッドフォン接続向けのミニジャック端子を備えており、ここにスピーカーを繋いで音を出すことができる。

 見やすさの点では、サイズや鮮やかさなどに加え、画面が全体的に暗い夜のでシーンでも視認性が高く、情報を把握しやすく遊びやすい印象だ。黒が潰れてしまうことはなく、しっかりと視認性を確保できるのはポイントだ。

夜のフィールドでも暗部までしっかり見える。
画面全体が暗く、敵が素早く動き回るシーンでも見やすく遊びやすい。

 今回の検証では試していないものの、最新の家庭用ゲーム機であるPlayStation 5やXbox Series Xでは、対応ゲームであれば120fpsでのプレイが可能だ。MSIではOptix G272も家庭用ゲーム機での120Hz対応品リストにこれらのゲーム機が記載されているので、フルHD/120Hz用の家庭用ゲーム機向けゲーミングモニターとしても活用できる。

 144HzでIPSパネル、27インチで見やすく応答速度も速いといったそういった本機の特長は、性能バランスの面でみても最新家庭用ゲーム機向けに過不足の無い、“ちょうど良い性能”のゲーミングモニターと言えるだろう。

高速表示と美しい描画を楽しめるバランスの取れたゲーミングモニター

 MSI Optix G272は、家庭用ゲーム機にも適した鮮やかな表示と、ゲーミングPCで真価を発揮する高リフレッシュレートを両立したゲーミングモニターだ。価格も約3万円と性能を考えれば割安で、高速性と表示品質に重きをおくゲーマーにとってはコストパフォーマンスに優れた選択肢の1つだろう。

 家庭用ゲーム機やゲーミングPC用のディスプレイを探していたり、とくに初めてゲーミングモニターを導入するといったユーザーには、候補として検討する価値があるはずだ。

[制作協力:MSI]