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「Nintendo Switch 有機ELモデル」にも高速microSDカードが有効!6タイトルでロード時間を検証

ゲームに使うなら高速な「Samsung microSD EVO Plus」 text by 佐藤岳大

 2021年10月、Nintendo Switchシリーズへ新たに「Nintendo Switch 有機ELモデル」が加わった。

 Nintendo Switchでゲームのインストール先としてmicroSDカードを使用する場合、高速なmicroSDカードであれば本体内蔵のeMMCと同等の快適さを得られることを複数回紹介してきたが、新型Switchとなる有機ELモデルでもそうした傾向がみられるのだろうか。内蔵eMMCと高速なmicroSDカードでゲームのロード時間に差が出るのか検証してみよう。

有機ELパネルでより鮮やかに、内蔵eMMCも倍の64GBになった新型Nintendo Switch

Nintendo Switch 有機ELモデル

 検証に入る前に、まず有機ELモデルについて既存モデルとの違いを簡単に紹介したい。

 有機ELモデルは、その名の通り有機ELパネルをディスプレイに採用したモデル。従来モデル搭載のIPS液晶パネルと比べて、より鮮やかでコントラストの高いくっきりとした表示を実現し、サイズも7インチへ大型化することで視認性も高められている。

 また、今回の検証に関わる大きなポイントとしては、内蔵eMMCの容量が従来モデルの32GBから64GBへと倍増している。システム領域などを省いた実空き容量は約53GBとなっていた。

内蔵スタンドの角度が自由に調整可能になった

 従来モデルからの改善点として、内蔵スタンドの角度調整が行えるようになっているのもポイント。ドックモードでTVと繋いで遊ぶ場合は大きな差はないが、“携帯ゲーム機としてのSwitch”にフォーカスしたモデルと言えるだろう。

任天堂の公式販売サイトでも買える「Samsung microSD EVO Plus」256GB・130MB/sの高速microSDXCカードを用意

今回用意したSamsung microSD EVO Plus 256GB。10月下旬から高速化されデザインも変更された新モデルに切り替わっている。

 高速なmicroSDカードの一例として使用するのは「Samsung microSD EVO Plus」だ。

 UHS-I規格に対応した高速microSDXCカードで、128GB以上のモデルはUHS-I Speed Class 3(U3)およびApp Performance Class 2(A2)、Video Speed Class 30(V30)に対応しており、UHS-I DDR200対応カードリーダーとの組み合わせで最大130MB/sの転送をうたっている。

 My Nintendo Storeでも購入でき、同ストアでも「Nintendo Switchをより快適に遊んでいただける、読み込み速度(転送速度)が高速なmicroSDカード」と表記された“任天堂お墨付き”とも言える製品だ。

Samsung microSD EVO Plus 256GB、UHS-I Speed Class 3(UHS-I DDR200)に対応している。
一般的なカードリーダーで使用した際のCrystalDiskMarkの測定結果。

 用意したのは256GBモデルで、CrystalDiskMark 8.0.4を使って速度を測定したところ、UHS-I DDR200対応リーダー環境ではないため公称値には届かないものの、高速な転送速度を確認できた。ランダムリードもQ32で14MB/s、Q1でも12MB/sを超える速度を記録している。

 容量は64GBから用意されているが、Nintendo Switch向けに用意するのであれば、大型タイトルを複数インストールしても余裕があり、速度も高速な256GBまたは512GBのモデルがおすすめだ。256GBの場合、製品保証がある国内正規品であれば、安値店で4,500円前後から購入できる。

Samsung microSD EVO Plus
容量64GB128GB256GB512GB
規格microSDXC
スピードクラスClass10/U1/V10/A1Class10/U3/V30/A2
最大転送速度130MB/s
保証(国内正規品のみ)10年限定保証(ドライブレコーダーや監視カメラでの使用は保証外)

人気の6タイトルでロード時間を比較!有機ELモデルも組み合わせるなら高速microSDカードがベスト

内蔵eMMCとmicroSDカードで比較

 ここからは内蔵eMMCとSamsung microSD EVO Plusを使ってロード時間を比較していく。

 今回テストしたゲームは、『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』、『エーペックスレジェンズ』、『フォートナイト』、『モンスターハンターライズ』、『ディアブロ II リザレクテッド』、『NBA 2K22』の6本だ。

『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』
『エーペックスレジェンズ』
『フォートナイト』
『モンスターハンターライズ』
『ディアブロ II リザレクテッド』
『NBA 2K22』

大型DLCが発売された『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』microSDカードが内蔵eMMCを上回る結果に

 大型DLC『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』が発売されたどうぶつの森では、同DLCを購入した上でタイトル画面からのロード時間を計測した。

『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』
ロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、内蔵eMMCよりもSamsung microSD EVO Plusのほうが高速という結果となった。ロード時間の長いタイトルの1つでもあるため、より快適な島生活のためにも高速なmicroSDを用意したい。

『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』ロード時間比較

新シーズンの始まったバトルロイヤル『エーペックスレジェンズ』で検証ロード時間は互角

 シーズン11で新マップが追加されたエーペックスレジェンズでは、回線速度の影響をなるべく省くため、カジュアルマッチでマッチング完了-他プレイヤー待機画面になるまでのロード時間を計測した。

『エーペックスレジェンズ』
マッチング完了から他プレイヤーの待機画面までのロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、内蔵eMMCとSamsung microSD EVO Plusの差はほぼ無いと言って良い結果だ。シーズンごとにアップデートされる容量が大きいタイトルで内蔵eMMCを圧迫するので、この程度の速度差であれば大容量の高速microSDにイントールすることを推奨したい。

『エーペックスレジェンズ』ロード時間比較

根強い人気のバトルロイヤルゲーム『フォートナイト』で検証Samsung microSD EVO Plusが内蔵eMMCよりもわずかに早い結果

 同じく基本無料の人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』でも検証してみよう。こちらはマッチに参加して、ロード画面に移ってから待機島に移動するまでの時間を計測した。

『フォートナイト』
待機島に移動するまでのロード時間を計測した。

 結果は下図の通りで、エーペックスレジェンズと同様にほとんど違いはないが、わずかにSamsung microSD EVO Plusが内蔵eMMCよりも短い時間でロードを完了するという結果となった。

 こちらも内蔵eMMCと高速microSDカードによるロード時間の差は小さく、エーペックスレジェンズと同様にシーズンごとにアップデートされる容量も大きいため、高速/大容量のmicroSDにイントールしておきたい。

『フォートナイト』ロード時間比較

狩猟アクション『モンスターハンターライズ』で計測従来モデルと同様の傾向に

 狩猟アクションゲーム『モンスターハンターライズ』では、クエストを受注して出発してから、フィールドに到着するまでのロード時間を計測した。

『モンスターハンターライズ』
クエストのロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、転送速度に応じた順に高速という結果だ。内蔵eMMCと高速microSDカードを比べた際に3秒弱の差がつくのも従来のSwitchと同様の傾向で、有機ELモデルも挙動としては同じようだ。モンスターハンターライズはストレージの速度が素直に出るタイプのゲームなので、なるべく高速なmicroSDカードを用意しておきたい。

『モンスターハンターライズ』クエストロード時間比較

ハック&スラッシュの名作リメイク『ディアブロ II リザレクテッド』で検証転送速度に応じた結果

 ハック&スラッシュの名作リメイク『ディアブロ II リザレクテッド』でも検証を実施した。こちらはオフラインで作成したキャラクターで、タイトル画面からのロード時間を計測した。

『ディアブロ II リザレクテッド』
ロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、転送速度に応じた順に高速という結果となった。モンスターハンターライズほどの時間差はないが、転送速度の差が現れた結果と言えるだろう。

『ディアブロ II リザレクテッド』ロード比較

46GBとSwitch最大級の大容量タイトル『NBA 2K22』で検証転送速度に応じた結果に

 プロリーグ公認のバスケットボールゲーム『NBA 2K22』。同タイトルは容量が46.1GBと非常に大きく、従来モデルでは内蔵eMMCにインストールができないタイトルの1つだ。こちらではクイックマッチのロード時間を計測した。

『NBA 2K22』
クイックマッチのロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、ロード時間の差はほぼ無かった。有機ELモデルでは内蔵eMMCにインストールが可能になったとはいえ、実際にインストールすると容量がこれ1本でほぼ埋まってしまうため、実用性を考えると、大容量micorSDカードへインストールするのが良いだろう。

『NBA 2K22』クイックマッチロード時間比較

有機ELモデルでもやはり大容量/高速なmicroSDカードとの組み合わせがベストSamsung microSD EVO Plusで内蔵eMMCと遜色ないプレイが可能

 今回テストした「Nintendo Switch 有機ELモデル」での検証結果を見る限り、高速なmicroSDカードを使用すれば本体内蔵のeMMCと同等の快適さを得られる点は、従来のNintendo Switchと変わりないようだ。

 ゲームタイトルによっては高速なmicroSDカードが勝る場合もあるが、内蔵eMMCとmicroSDカードは同等あるいはeMMCが高速という速度的な関係性も従来のNintendo Switchと同じといえるだろう。

 また、有機ELモデルはeMMCの容量が従来モデルから倍になったとはいえ、NBA 2K22のような大容量タイトルが登場していることを考えると、64GB程度では心もとないのが実情。高速なmicroSDカードの必要性がより高まっているといえるかもしれない。

 今回使用しているSamsung microSD EVO Plusは、性能はもちろん、任天堂の公式ストアでも扱われているので動作や保証の面でも安心して選べる製品の1つだ。快適にゲームが遊べるmicroSDカードを探しているのであれば、是非今回の結果を参考にしてもらいたい。

[制作協力:Samsung]