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ウルトラワイド+高速駆動は圧倒的、全部入りで37.5型の湾曲ゲーミングモニター「MSI Optix MEG381CQR Plus」
3,840×1,600ドット/175Hz/応答速度1ms/G-SYNC/HDRとフル装備 text by 佐藤岳大
2021年12月20日 00:00
MSIからゲーミング性能も高いウルトラワイドモニターのハイエンドモデル「Optix MEG381CQR Plus」が登場した。
実売価格は約225,000円前後と、ゲーミングモニター全体で見ても高価格帯のモデルとなっているが、MSIゲーミングブランド内でハイエンドに位置付けられる「MEG」の名を冠しているだけあり、ゲーミングモニターと聞いて思いつく機能をほぼ網羅した“全部入り”なモデルとなっている。
ウルトラワイドかつゲーミング機能全部入りの本機だが、今回のレビューではどのような性能を秘めているのか紐解いてみよう。
「機能全部入り」で高解像度/ウルトラワイドな湾曲ゲーミングモニター37.5インチ/3,840×1,600ドット/175Hz/GTG 1ms/G-Sync/HDR対応とハイエンド
Optix MEG381CQR Plusは、湾曲率2,300Rの37.5インチ湾曲ウルトラワイド液晶パネルを採用したゲーミングモニターだ。
パネル解像度は3,840×1,600ドットのUWQHD+という高解像度で、27インチ/WQHDに近い110ppi前後の使い勝手の良いピクセル密度となっている。
表示画質とゲーミング性能の両立を目指した設計がなされており、液晶パネルには、従来IPSパネル比で4倍の駆動速度を謳うMSI独自の「RAPID IPS」パネルを採用し、画質と視野角を確保しつつ中間色応答速度1msの応答性を実現。
標準最大リフレッシュレートは144Hzだが、OSDからオーバークロック設定を有効にすることで、DisplayPort接続時には最大175Hzでの駆動に対応する。
3,840×1,600ドット/175Hz表示ではDisplayPort 1.4aの帯域幅を超えているが、オーバークロック有効時にはVESAの「DSC(Display Stream Compression)」を利用して高速転送を実現しているようだ。DSCは視覚的損失なく映像を圧縮する技術で、画質を低下させずより高い機能を利用することができる。
MSIのゲーミングモニターとしては現状唯一の「G-SYNC Ultimate」対応製品となっており、HDR表示時もリフレッシュレート同期が可能で、1~175Hzまでティアリングフリーの表示を実現している点もポイントだ。
コントラスト比は1,000:1で、約10.7億色(8bit+A-FRC)表示をサポート。表示色域はsRGBカバー率99.8%、DCI-P3カバー率96.2%をうたう。HDRにも対応しており、バックライトには分割駆動方式(32エリア)を採用。標準輝度450nit、ピーク輝度600nitでVESA「DisplayHDR 600」認定を取得している。
本体背面と前面下部にRGB LEDを備えており、LEDはSteelSeriesの「GameSense」に対応している。GameSense LEDはSteelSeries GGアプリから発光パターンを制御できるほか、体力ゲージなど対応アプリのステータスを表示するといったことも可能となっている。
搭載インターフェイスは、DisplayPort 1.4a×1、HDMI 2.0b×2、USB 3.2 Gen1 Type-B(アップストリーム)、USB 3.2 Gen1×3(ダウンストリーム)、ヘッドホン/マイク入出力。電源スイッチとOSD操作用のジョイスティックを備えるほか、本体左下に有機ELパネルと「ゲーミングダイヤル」を備えているのも特徴と言える。
有機ELパネルには解像度やリフレッシュレートなどが表示でき、ダイヤル操作と組み合わせれば、OSDを経由せずに入力の切り替えやG-SYNCプロセッサーの設定変更などが行える。
付属アクセサリもユニークで、本体上部にWebカメラなどを固定できるカメラクレードルが付属。コンパクトデジタルカメラを取り付けてみたところ、しっかり固定できたので、高画質な配信環境を構築したい場合にも便利だろう。
本体サイズは896.5×325.8×466.4mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約10.7kg(台座込み)となっている。
ゲームの世界に入ったような視界の広さ、コックピットビューの没入感もたまらない湾曲ウルトラワイドと「Microsoft Flight Simulator」の相性は抜群
今回はゲーミングPCと、ウルトラワイドならではの体験が得られるゲーム2本を用意した。まずは、全世界をフライトすることができる「Microsoft Flight Simulator」での検証だ。
フライトを始めると真っ先に体感できるのが、画面の大きさによる迫力だ。900mm近い横幅は、16:9パネルの場合約40インチに相当する大きさのため、視界の端まで画面が広がっているような感覚だ。単純にそれだけで楽しいという圧倒的なものがある。
IPSパネルの鮮やかな表示も美しく、太陽眩しさから夕焼けのビルの暗がりまで、しっかりと見て取ることができる。HDR有効時も、よりコントラストの効いた画ながら白飛びや黒つぶれはなく、優れた表示となっている。
コックピットビューはウルトラワイドモニターならではの没入感で、画面が大きいこともあり本当に機内から撮影した映像のように錯覚してしまうようなシーンもある。「Microsoft Flight Simulator」を楽しんでいるユーザーには是非体験してもらいたい環境だ。
高速駆動 + ウルトラワイドでガチなプレイも没入感も両立コクピットビューの臨場感に圧倒される「Forza Horizon 5」
2本目の検証タイトルは、メキシコを舞台にしたオープンワールドレースゲーム「Forza Horizon 5」だ。
こちらもHDRに対応しており、チェイス視点で鮮やかな大自然と車の緻密なモデルがIPSパネルで美しく描かれている。最大175Hz駆動に対応しているため、高リフレッシュレートで残像の少ない表示でハイスピードレースが楽しめる。
そしてForza Horizon 5も、Microsoft Flight Simulatorと同様、コックピットビューでの没入感はその他の製品と一味違う。大型のウルトラワイドモニターがより臨場感を高め、このモニターならではの楽しさを感じさせてくれる。
画面サイズが大きいためサイドミラーの表示位置が視界の端に近く、ミラーに後続のライバル車が映り込む様子は、よりレーシングドライバーになった感覚を与えてくれる。レースゲームとしてだけでなく、シミュレーター的な部分がより楽しめるのもウルトラワイドモニターの魅力だ。
ウルトラワイドゲーミングモニターに求められる要素を網羅した「MSI Optix MEG381CQR Plus」
ここまで見てきたように、Optix MEG381CQR Plusはウルトラワイドの湾曲ゲーミングモニターとしてほぼ全ての機能を網羅した製品と言える。
設置場所が限られるため大きさはネックにもなるが、大画面で得られる没入感と迫力はそれを補って余りある価値がある。今回はゲーム用途での検証に絞っているが、高画質と21:9の比率を活かし、NetflixなどでHDR対応映画やシネスコサイズの映画などを視聴するのにも適しているだろう。
大型のウルトラワイドモニターを検討しているなら、Optix MEG381CQR Plusは隙の無い機能と設計でニーズを満たしてくれるはずだ。
[制作協力:MSI]