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ウルトラワイド+高速駆動は圧倒的、全部入りで37.5型の湾曲ゲーミングモニター「MSI Optix MEG381CQR Plus」

3,840×1,600ドット/175Hz/応答速度1ms/G-SYNC/HDRとフル装備 text by 佐藤岳大

 MSIからゲーミング性能も高いウルトラワイドモニターのハイエンドモデル「Optix MEG381CQR Plus」が登場した。

 実売価格は約225,000円前後と、ゲーミングモニター全体で見ても高価格帯のモデルとなっているが、MSIゲーミングブランド内でハイエンドに位置付けられる「MEG」の名を冠しているだけあり、ゲーミングモニターと聞いて思いつく機能をほぼ網羅した“全部入り”なモデルとなっている。

 ウルトラワイドかつゲーミング機能全部入りの本機だが、今回のレビューではどのような性能を秘めているのか紐解いてみよう。

「機能全部入り」で高解像度/ウルトラワイドな湾曲ゲーミングモニター37.5インチ/3,840×1,600ドット/175Hz/GTG 1ms/G-Sync/HDR対応とハイエンド

 Optix MEG381CQR Plusは、湾曲率2,300Rの37.5インチ湾曲ウルトラワイド液晶パネルを採用したゲーミングモニターだ。

 パネル解像度は3,840×1,600ドットのUWQHD+という高解像度で、27インチ/WQHDに近い110ppi前後の使い勝手の良いピクセル密度となっている。

本体正面、湾曲率は2,300R
本体裏面側、質感の高いデザインになっている

 表示画質とゲーミング性能の両立を目指した設計がなされており、液晶パネルには、従来IPSパネル比で4倍の駆動速度を謳うMSI独自の「RAPID IPS」パネルを採用し、画質と視野角を確保しつつ中間色応答速度1msの応答性を実現。

 標準最大リフレッシュレートは144Hzだが、OSDからオーバークロック設定を有効にすることで、DisplayPort接続時には最大175Hzでの駆動に対応する。

 3,840×1,600ドット/175Hz表示ではDisplayPort 1.4aの帯域幅を超えているが、オーバークロック有効時にはVESAの「DSC(Display Stream Compression)」を利用して高速転送を実現しているようだ。DSCは視覚的損失なく映像を圧縮する技術で、画質を低下させずより高い機能を利用することができる。

GTG 1msと高速駆動がウリのRAPID IPSパネルを採用
NVIDIAコントロールパネルからは3,840×1,600ドット/175Hz/12bpc設定が可能だった

 MSIのゲーミングモニターとしては現状唯一の「G-SYNC Ultimate」対応製品となっており、HDR表示時もリフレッシュレート同期が可能で、1~175Hzまでティアリングフリーの表示を実現している点もポイントだ。

 コントラスト比は1,000:1で、約10.7億色(8bit+A-FRC)表示をサポート。表示色域はsRGBカバー率99.8%、DCI-P3カバー率96.2%をうたう。HDRにも対応しており、バックライトには分割駆動方式(32エリア)を採用。標準輝度450nit、ピーク輝度600nitでVESA「DisplayHDR 600」認定を取得している。

G-SYNC Ultimate対応、1~175Hzまでティアリングフリーの表示を実現
DisplayHDR 600準拠で、対応コンテンツであればより美しい映像を楽しむことができる
バックライトは表示に合わせて動的駆動するかをOSDから設定可能だ

 本体背面と前面下部にRGB LEDを備えており、LEDはSteelSeriesの「GameSense」に対応している。GameSense LEDはSteelSeries GGアプリから発光パターンを制御できるほか、体力ゲージなど対応アプリのステータスを表示するといったことも可能となっている。

背面にはLEDイルミネーションを搭載
ユーティリティのSteelSeries GGから制御可能

 搭載インターフェイスは、DisplayPort 1.4a×1、HDMI 2.0b×2、USB 3.2 Gen1 Type-B(アップストリーム)、USB 3.2 Gen1×3(ダウンストリーム)、ヘッドホン/マイク入出力。電源スイッチとOSD操作用のジョイスティックを備えるほか、本体左下に有機ELパネルと「ゲーミングダイヤル」を備えているのも特徴と言える。

 有機ELパネルには解像度やリフレッシュレートなどが表示でき、ダイヤル操作と組み合わせれば、OSDを経由せずに入力の切り替えやG-SYNCプロセッサーの設定変更などが行える。

入出力インターフェイス
側面のUSBハブとヘッドホン/マイク入出力
OSD操作用のジョイスティック
本体左下にあるゲーミングダイヤル
解像度表示やリフレッシュレートなどのステータス表示が可能

 付属アクセサリもユニークで、本体上部にWebカメラなどを固定できるカメラクレードルが付属。コンパクトデジタルカメラを取り付けてみたところ、しっかり固定できたので、高画質な配信環境を構築したい場合にも便利だろう。

カメラクレードル
コンパクトデジタルカメラ程度ならしっかり保持できる
MSI製ゲーミングモニターではお馴染みの着脱式マウスバンジーも付属

 本体サイズは896.5×325.8×466.4mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約10.7kg(台座込み)となっている。

大型モニターでも台座の調整範囲は自由度高め

 付属スタンドは高さや左右のスイベル調整のほか、上下角度を-5~15度で調整できるチルト機能にも対応している。大型ディスプレイではあるが、一般的なゲーミングディスプレイ同様に好みの位置に調整が可能だ。

左右30度のスイベル対応
100mmの高さ調整
-5~15度のチルト調整
VESAマウントにも対応する

 なお、本体背面にはVESA100(100×100mm)規格に準拠したねじ穴が設けられており、付属のスペーサーを使用することで同規格対応のモニターアームを利用することも可能だ。

ゲームの世界に入ったような視界の広さ、コックピットビューの没入感もたまらない湾曲ウルトラワイドと「Microsoft Flight Simulator」の相性は抜群

「Microsoft Flight Simulator」

 今回はゲーミングPCと、ウルトラワイドならではの体験が得られるゲーム2本を用意した。まずは、全世界をフライトすることができる「Microsoft Flight Simulator」での検証だ。

 フライトを始めると真っ先に体感できるのが、画面の大きさによる迫力だ。900mm近い横幅は、16:9パネルの場合約40インチに相当する大きさのため、視界の端まで画面が広がっているような感覚だ。単純にそれだけで楽しいという圧倒的なものがある。

 IPSパネルの鮮やかな表示も美しく、太陽眩しさから夕焼けのビルの暗がりまで、しっかりと見て取ることができる。HDR有効時も、よりコントラストの効いた画ながら白飛びや黒つぶれはなく、優れた表示となっている。

鮮やかな海の碧が美しい、ウルトラワイドならではの広さも心地よい
夕焼けの東京も鮮やかに描画、HDR表示がより美しさを引き立ててくれる
コックピットビューではより高い没入感が得られる、こうしたシーンもウルトラワイドの威力を感じる

 コックピットビューはウルトラワイドモニターならではの没入感で、画面が大きいこともあり本当に機内から撮影した映像のように錯覚してしまうようなシーンもある。「Microsoft Flight Simulator」を楽しんでいるユーザーには是非体験してもらいたい環境だ。

高速駆動 + ウルトラワイドでガチなプレイも没入感も両立コクピットビューの臨場感に圧倒される「Forza Horizon 5」

「Forza Horizon 5」

 2本目の検証タイトルは、メキシコを舞台にしたオープンワールドレースゲーム「Forza Horizon 5」だ。

 こちらもHDRに対応しており、チェイス視点で鮮やかな大自然と車の緻密なモデルがIPSパネルで美しく描かれている。最大175Hz駆動に対応しているため、高リフレッシュレートで残像の少ない表示でハイスピードレースが楽しめる。

鮮やかなメキシコの景観が楽しめる「Forza Horizon 5」は、広がりを感じるウルトラワイドと相性が良い
最高175Hzのリフレッシュレート表示が可能なので、ガッチリレースを楽しむのにも向いている
コクピットビューでの没入感はかなりのもの、ウルトラワイド×湾曲パネルの良さが最も際立つシーンだ

 そしてForza Horizon 5も、Microsoft Flight Simulatorと同様、コックピットビューでの没入感はその他の製品と一味違う。大型のウルトラワイドモニターがより臨場感を高め、このモニターならではの楽しさを感じさせてくれる。

 画面サイズが大きいためサイドミラーの表示位置が視界の端に近く、ミラーに後続のライバル車が映り込む様子は、よりレーシングドライバーになった感覚を与えてくれる。レースゲームとしてだけでなく、シミュレーター的な部分がより楽しめるのもウルトラワイドモニターの魅力だ。

ウルトラワイドゲーミングモニターに求められる要素を網羅した「MSI Optix MEG381CQR Plus」

 ここまで見てきたように、Optix MEG381CQR Plusはウルトラワイドの湾曲ゲーミングモニターとしてほぼ全ての機能を網羅した製品と言える。

 設置場所が限られるため大きさはネックにもなるが、大画面で得られる没入感と迫力はそれを補って余りある価値がある。今回はゲーム用途での検証に絞っているが、高画質と21:9の比率を活かし、NetflixなどでHDR対応映画やシネスコサイズの映画などを視聴するのにも適しているだろう。

 大型のウルトラワイドモニターを検討しているなら、Optix MEG381CQR Plusは隙の無い機能と設計でニーズを満たしてくれるはずだ。

[制作協力:MSI]