特集、その他

4K/120HzでPS5も遊べる!32型で機能も全部入りなゲーミングモニター「MSI Optix MPG321UR-QD」

応答速度1msかつ量子ドット採用で鮮やかな大画面モデル text by 浅倉吉行

 MSIから登場した32インチゲーミングモニター「Optix MPG321UR-QD」。大画面かつ高リフレッシュレートでPCゲームを楽しみたいユーザーにも、家庭用ゲーム機で4K/120Hzで遊びたいユーザーにも向いたモデルだ。

 搭載パネルは3,840×2,160ドット/リフレッシュレート144Hz/応答速度1msといったスペックになっており、HDMI 2.1、G-SYNC、HDRといった機能も備えた全部入り的な製品。“せっかく買うなら長く使えるモデルを選びたい”といったニーズにもあっている「Optix MPG321UR-QD」だが、今回は搭載機能とゲームでの使用感を中心に特長を確認してみよう。

32インチ/4Kのゲーミングモニター、HDMI 2.1対応でPS5の4K/120Hz動作もOK

MSI Optix MPG321UR-QDは、32インチ/4K対応のゲーミングモニター。最新の家庭用ゲーム機に接続するのにも適した性能を持っている。

 まずは外観からチェックしていこう。カラーは黒でまとめられており、狭額縁フレームの液晶パネルを採用していることも有りシンプルなデザインといった印象だ。

 パネルは解像度3,840×2,160ドットのIPSパネルで、ノングレア処理が施されており、コントラスト比は1000:1、応答速度は1ms(MPRT)、輝度は通常時400cd/ピーク時600cd、リフレッシュレートは144Hz対応。10bit接続対応で、表示色は約10億7,300万色。

本体正面、ベゼルも細くシンプルな印象。
本体裏面側、左上にMSIのエンブレムがついている。
パネルを一番上に上げた状態。
こちらはパネルを一番下に下げ、手前側に角度をつけた状態。
台座を移動させずに左右の角度を調整する機能も備えている。

 大画面モデルとしては台座の調整範囲は比較的広めで、高さ幅は0~100mm、上下の角度(チルト)は-5~20、左右の角度(スイベル)は-30~30°の範囲で調整できる。

 本体サイズは727.1×251.8×482.2mm、重量は台座込みで10.1kg。電源は本体に内蔵されており、消費電力は使用時42W、待機時0.5W。

HDMI 2.1に量子ドットパネル、G-SYNC、HDR、表示144Hz/応答1msと全部入り

 Optix MPG321UR-QDが備える特徴的な機能もチェックしていこう。

HDMI 2.1対応でPS5などの家庭用ゲーム機で4K/120Hzでのゲームプレイが可能。
入力端子はDisplay Port×1、USB Type-C(DP Altモード)×1、HDMI×2。全てのポートが最高で4K/144Hz対応となっている。

 まずはHDMI 2.1対応で、これによりHDMI接続で4K解像度/144Hzの表示が可能だ。最新の家庭用ゲーム機が4K/120Hz出力をサポートしており、高解像度/高リフレッシュレートでゲームをするため、HDMI 2.1対応モデルの選択肢が増えるのを待っていたユーザーも多いのではないだろうか。

 映像入力端子はDisplay Port×1、USB Type-C(DP Altモード)×1、HDMI×2を備え、いずれも最大3,840×2,160ドット/144Hzの信号に対応している。

量子ドット技術を使ったIPSパネルを採用。
より広い色域の表現が可能になり、色鮮やかな表示が可能だ。

 二つ目は量子ドット技術を使ったパネルを採用している点で、色鮮やかな表現が可能となっている。色域のカバー率はDCI-P3が97%、Adobe RGBが99%とされており、色にこだわるユーザーにもポイントとなるだろう。

G-SYNC compatibleをサポート。
GeForce系のビデオカードと組み合わせて使用すればよりなめらかな表示が可能。

 三つ目はG-SYNC compatibleへの対応。ディスプレイ同期技術は高リフレッシュレートと並んで表示をなめらかにする効果が大きく、利用したいと思うユーザーも多い機能だろう。

 Optix MPG321UR-QDはG-SYNC compatible認証製品なので、GeForce系のビデオカードと組み合わせて使用すればティアリングなどを押さえたなめらかな表示が可能だ。

リフレッシュレートはDisplay PortもHDMIも最大144Hz対応。
HDRはDisplayHDR 600をサポートしている。

 これらのほかにも144Hzの高リフレッシュレートやDisplayHDR 600などもサポートしており、最上級とはいかないもののゲーミングモニターに求められる機能は一通り備える高機能モデルになっている。

台座にはケーブルガイドも搭載、マウスバンジーは背面イルミネーションも

 本体の台座部分にはケーブルガイドの穴が用意されており、邪魔にならないようまとめておくことができる。マウスバンジーも付属しており、本体下部の左右好きな方に取り付けて使用することが可能だ。また、USBハブ機能も備えており、USB 2.0までの速度になるが6ポート用意されている。

本体上部、大型パネルだが専有面積はそこまで大きくはない。
台座部分にはケーブルをまとめられるケーブルガイドが備えられている。
USBハブ機能を備えており、側面にUSB 2.0×2ポート、背面にUSB 2.0×4ポートを備える。
マウスバンジー用のオプションが付属しており、左右(下部)好きな方に取り付けられる。

 表示の設定変更はPC側からユーティリティを介しても可能で、もちろん本体背面のコントローラを操作して直接設定を変更することも可能。背面側のイルミネーションはユーティリティソフトの「MSI MYSTIC LIGHT」を介して好みの色や発光パターンに変更できる。

 またVESA100にも対応しており、付属のネジを使用することで壁掛けやアームに固定して使用することができる。

本体背面側のOSD操作用コントローラ。
メニューを呼び出して直接設定を変更可能。
パネル背面側にLEDイルミネーションを搭載。
ユーティリティの「MSI MYSTIC LIGHT」から色や発光パターンの変更が行える。
アームや壁掛けで使用するためのスペーサーネジが付属している。
100m×100mmのVESA100対応で、台座を固定する部分にVESA用の穴が用意されている。

PS5で4K/120Hz接続、ゲームが対応していれば絶対使いたい“高解像度/高リフレッシュレート”

PS5と4K/120Hz接続を行いゲームをプレイ。

 ここからは実際にゲームで使用したときの様子をお届けしよう。

 PS5は全てのゲームが4K/120Hz表示に対応しているわけではなく、ゲームによっては4K/60Hzまでの対応だったり、フルHD/120Hz表示までだったりする。PS5本体は4K/120Hz表示サポートだが、全てのゲームで利用できる訳ではないので、遊びたいゲームが対応しているかは調べておこう。

 4K/120Hz表示対応ゲームの一例として「フォートナイト」で試してみたが、120fpsモードに設定して高リフレッシュレート環境で遊ぶのはやはり快適だ。また、大画面/高解像度で細かい部分なども見やすく、AIMが合わせやすいと感じる場面もあった。

 競技性のあるゲームはフレームレートが高い方がゲームも遊びやすく勝率にも関わってくるので、一度高リフレッシュレート環境を味わってしまうと戻りたくない感じるはずだ。

4K/120Hz対応のPS5版「フォートナイト」。
ゲーム内の設定から120FPSモードを選ぶことで高リフレッシュレートで遊べる。
ゲーム自体が色鮮やかなこともあり、量子ドット技術のパネルと組み合わさるとより鮮やかさが増す印象だ。
画面が大きいことでより細かい部分まで見えるので、AIMが合わせやすい面も。

 アクションゲームも大画面で遊ぶとより楽しいものとなる。こちらは4K/60Hzまでの対応となるが、「ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット」などは、アクション時の重さや爽快感などが視覚的に増すので、大画面との相性も良い。

 イベントシーンのようなドラマ部分も、大画面の方が映画を見ているような気分になれるので、物語を楽しむゲームはこういった4K大画面のゲーミングモニターで堪能したいところだ。

 なお、PC向けのゲーミングディスプレイはスピーカーを搭載している製品がかなり少なく、本機もオーディオ機能に関しては別途ヘッドセットやスピーカーを用意する必要がある。家庭用ゲーム機とゲーミングモニターを組み合わせて使用する場合、音声に関してはテレビのようにお手軽とは行かないケースが多いことは覚えておこう。

4K/60Hz対応のPS5版「ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット」。
アクションゲームはやはり大画面、迫力ある戦闘が楽しめる。
イベントシーンなどドラマ部分を楽しむのにも高解像度/大画面なゲーミングモニターは相性が良い
「ゴースト・オブ・ツシマ」は景観が美しいゲームなので、大画面の恩恵を感じやすいゲームだ、

4K/144Hzの性能を引き出しきれるPC環境、迫力重視のユーザーには特におすすめ

GeForce RTX 3090搭載PCを用意し、性能を引き出してみた。

 PCに接続した際だが、パネルの最大性能となる4K/144Hzまできっちり性能を使うことができる。

 もちろん高解像度で高フレームレートを実現するにはPCにかなりの性能が要求されるが、今回はGeForce RTX 3090搭載のハイエンドPCを使い、なるべくPC側が制約になることがないようゲームをテストしてみた。

 「エーペックスレジェンズ」でテストしてみた限りでは、ゲーミングディスプレイらしい表示のなめらかさが得られ、画面が大きいだけではなく、しっかりと勝ち負けにもこだわって使える性能はあると感じられた。大画面になった分画面中心付近のAIMなどは合わせやすいと感じる場面もあり、使用感はなかなか好印象だった。

 ただし、競技向けのFPSでは若干トレードオフな面も有り、自分と画面の距離が近ければAIMなどの際に視認しやすく操作の面で有利な部分はあるものの、画面と自分が近い故の画面全体の把握がしにくくなる。画面から離れて使用すればデメリットはなくなるが、大画面の迫力や視認性に優れる部分の恩恵は受けにくくなる。人によって合う合わないが出てくる部分なので、購入前にデモ機などで確認してもらいたい部分だ。

4K環境でPC版「エーペックスレジェンズ」をテスト。
画面との距離にもよるが、細かいところまで見える分AIMが合わせやすいところもあった。
競技性の高いFPSゲームなどはやはり高リフレッシュレート環境が有利。
144Hzが上限にはなるが、100fpsを超えている環境であれば近距離での撃ち合いでも画面は見やすい。

 アクションゲームでの例として、PC向けに配信されている体験版の「モンスターハンターライズ DEMO」もテストしてみたが、こちらは特に気になるデメリットもなく、大画面高解像度かつ高リフレッシュレートのメリットを大きく享受できた。

 高リフレッシュレートで応答速度も1msと速いので動き回っても視認性が高く、大画面なので見やすい。高解像度であれば遠景の描画はもちろん、モンスターの細かいところもしっかり見ることができる。アクションゲームに関しては是非このゲーミングモニターで遊びたいといった印象だ。

体験版として公開されているPC版の「モンスターハンターライズ DEMO」。
戦闘時の視認性の高さ、迫力ともに満足。
イベントシーンなどを見るのは大画面の方がゆったりとみられて良い。
小さい画面では見えにくい遠景も大画面であれば見やすい。

実は写真が好きな人にもおすすめ?発色の良さと大画面は鑑賞用にバッチリ

写真撮影が好きな人にも実はおすすめ

 ゲーミングモニターなのでゲームでの性能が最重要視されるが、Optix MPG321UR-QDは大画面かつ高解像度で、量子ドット技術による発色の良さもあり、写真を鑑賞しても楽しい。

 景色など細かい部分まで見えた方が楽しいジャンルでは大画面/高解像度の恩恵は大きく、普段小さい画面では気づかないような部分も見えたりと楽しい。量子ドット技術採用の鮮やかさは、料理や花などの表示の際に特に威力を発揮してくれる。

 写真にもよるが、猫や小型動物などは実物大くらいに表示することも可能で、ペットの写真が好きな人にも嬉しい1台になるだろう。

写真は普段スマホの画面で見るとこが多いと思うが、大画面で見るとまた違った楽しさがある。
Optix MPG321UR-QDは発色が鮮やかなので花の写真などを見るのも楽しい。
大画面/高解像度は風景写真と相性が良い。
ペットの写真が好きな人にも大画面はお薦めしたい。ほぼ1:1のサイズ感で表示すると存在感がある。
小さい画面だとわかりにくいが、大画面/高解像度ならマグロの肌の質感も見やすい。
Optix MPG321UR-QDは赤がしっかりと出てくれる印象。
星など精細感が楽しさに繋がる写真も高解像度と相性が良い。
夜景も発色の良いパネルだとより楽しい物となる。

ゲーミング機能全部入りの32インチモニターせっかく買うなら良い物をというユーザーにおすすめ

 Optix MPG321UR-QDはゲーミングに関しては今求められる機能を一通り揃えたモデルと言える。

 4K解像度に144Hz表示、G-SYNCにHDR、応答速度は1msと全分野最高性能とはいかないものの、高機能だ。また、発色の良い量子ドット技術を採用し、HDMI 2.1対応で家庭用ゲーム機との相性も良いと、“せっかく買うなら全部入りの良いモデル”といったユーザーには特におすすめできる。

 FPSなど一部のゲームは相性などを考慮する必要があるが、基本的には多くのゲームと相性が良く、特にアクションゲームやRPGのようなストーリーを楽しむゲームであれば、よりゲーム体験を良いものにしてくれるだろう。

 実売価格は16万円と高性能機らしい価格ではあるが、大型のゲーミングモニターの購入を検討しているユーザーには是非購入候補として考えてみてもらいたいモデルだ。

[制作協力:MSI]