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静音かつ超高性能パーツ搭載の省スペースPC「CORSAIR ONE i300」、最高峰の完成度

Core i9-12900K + GeForce RTX 3080 Ti搭載の小型ハイエンドモデル text by 坂本はじめ

 12Lサイズの小型筐体を採用する水冷式ゲーミングPC「CORSAIR ONE」の最新モデル、「CORSAIR ONE i300」が編集部にやってきた。

 第12世代Coreの16コア24スレッドCPU「Core i9-12900K」と、NVIDIAのハイエンドGPU「GeForce RTX 3080 Ti」を搭載するという、本体のサイズ感からは想像できないほどハイスペックなゲーミングPCであるCORSAIR ONE i300の実力をチェックしてみよう。

水冷システムでハイエンドパーツを静かに冷やすCORSAIR ONE i30012Lサイズの筐体に最新鋭のハイエンドCPU/GPUを搭載

 CORSAIR ONE i300は、CORSAIRの水冷ゲーミングPC「CORSAIR ONE」の最新作で、第12世代CoreとGeForce RTX 30シリーズを採用している。

 今回テストするのはCORSAIR ONE i300の中で最もスペックの高い「CS-9020032-JP」で、CPUに第12世代Coreの「Core i9-12900K」、GPUには「GeForce RTX 3080 Ti」を搭載している。実売価格は709,800円。

CORSAIR ONE i300の本体前面。底面付近にUSB 3.2 Gen 2(Type-C)などのインターフェイスが配置されている。
背面。2系統のThunderbolt 4をはじめとするマザーボードのインターフェイスや、ビデオカードの映像出力などが利用できる。
左側面。通気口の奥にはCPU用水冷クーラーのラジエーターが配置されている。
右側面。こちらの内部にはGPU用水冷クーラーのラジエーターが配置されている。
天板に配置された大口径ファン。このファンの作り出すエアフローで水冷クーラーのラジエーターを冷却している。

 CORSAIR ONE i300は、200×380×172.5mm(幅×高さ×奥行)という12リットルサイズの省スペース筐体ながら、専用設計の水冷システムを採用することによって、高性能なCPU/GPUを静かに冷やせる冷却能力を備えている。

 本体両側面の通気口付近に水冷クーラーのラジエーターが配置されており、天板に配置されている大口径ファンが作り出すエアフローによってCPUとGPUを冷却する設計となっている。

 実際に使用してみて、思いのほか静音性が高いことに驚かされた。現行のハイエンドパーツ搭載し、省スペースな筐体に収めていることを考えると、高負荷をかけた際の動作音は小さく抑えらえているといった印象で、静音性の面での完成度はかなり高いと言える。

CORSAIR ONE i300の内部構造。CPUとGPUを水冷クーラーで冷却する。

 フロントパネルとサイドパネルのスリットに配置されたLEDはRGB LEDであり、統合ユーティリティの「CORSAIR iCUE」を用いることで、多彩なLEDイルミネーションが楽しめる。

本体正面に配置されたLEDはRGB LEDであり、任意のカラーやパターンで発光させることができる。
統合ユーティリティの「CORSAIR iCUE」。フロントパネルのLED制御のほか、パーツのステータス情報のチェックやファームウェアアップデートなどが行える。

クリエイティブシーンでも高パフォーマンスを発揮CPUレンダリングもGPUレンダリングも高性能

 定番のCPUベンチマークソフトである「CINEBENCH R23」を実行した結果が以下のスクリーンショット。

 全てのCPUコアで3DCGレンダリングを行うMulti Coreのスコアは「24,492」で、1スレッドで同じ処理を行うSingle Coreは「1,988」。PコアとEコアという2種類のコアを搭載する第12世代Core上位CPUらしく、抜群のシングルスレッド性能と、素晴らしいマルチスレッド性能を両立している。

 CORSAIR ONE i300では、Core i9-12900Kの電力リミットがPL1=165W、PL2=175W、Tau=2秒という独自の数値が設定されており、12Lサイズの省スペース筐体でも静粛性を維持しながら高いパフォーマンスを発揮できるように最適化されている。

 次のスクリーンショットは、3DCGソフトBlenderの公式ベンチマーク「Blender Benchmark 3.0.0」をCPUとGPUでそれぞれ実行した結果だ。

 Core i9-12900Kの結果は、monster=167.9spm、junkshop=96.0spm、classroom=78.0spmで、CINEBENCH R23同様CPUとしては相当に優秀なレンダリング速度を記録している。

 一方、GPUのGeForce RTX 3080 Tiは、monster=2,808.2spm、junkshop=1,596.7spm、classroom=1,385.0spmという、CPUとは桁違いのレンダリング速度を発揮している。BlenderのようにGPUを活用できるクリエイティブアプリでは、GeForce RTX 3080 Tiの優れたパフォーマンスを利用することが可能だ。

Core i9-12900Kで実行したBlender Benchmarkの結果。
GeForce RTX 3080 Tiで実行したBlender Benchmarkの結果。

「VALORANT」を超ハイフレームレートでプレイ可能最速級ゲーミングモニターと組み合わせたくなる高速描画

VALORANT

 ライアットゲームズのVALORANTは、ローエンドGPUから遊べるタクティカルFPSとして知られているタイトルだが、本気で勝利を目指すためにハイフレームレートを目指そうとすると、意外にCPUとGPUの能力が問われるタイトルでもある。

 今回は、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)でグラフィック設定を可能な限り高く設定し、ゲーム画面をNVIDIAの「ShadowPlay」で録画しながら「デスマッチ」をプレイしてみた。

 録画映像を確認してみたところ、ほとんどのシーンで400fpsを上回るフレームレートで動作しており、メニューの展開や敵の撃破直後などフレームレートが低下しがちなシーンでも300fps以上を安定して維持していた。最速級のゲーミングモニターと組み合わせて使いたくなる素晴らしいパフォーマンスだ。

ほとんどのシーンで400fpsを超えるフレームレートで動作しており、安定して300fps以上を維持していた。

重量級ゲームの「サイバーパンク2077」も快適動作リアルタイムレイトレーシングを用いた美しいグラフィックでプレイ可能

サイバーパンク2077

 大型アップデートの配信で最注目を集めた「サイバーパンク2077」は、リアルタイムレイトレーシングをはじめとする先進的なグラフィック技術を取り入れたオープンワールドゲームであり、そのグラフィックを堪能するためには、PCに優れたゲーミング性能が求められる。

 今回はアップデートで追加されたベンチマークモードを使って、もっとも高品質なグラフィックプリセット「レイトレーシング:ウルトラ」で、フルHDと4K(3,840×2,160ドット)解像度をテストしてみた。

 ベンチマークモードで計測された平均フレームレートは、フルHDが97.55fps、4K解像度は55.98fpsだった。30fps以上でプレイ可能とされるサイバーパンク2077において、これらのフレームレートはいずれも快適にプレイできるレベルにあると言える数値だ。CPUとGPUの両方に高負荷がかかる重量級のオープンワールドゲームでも、CORSAIR ONE i300は素晴らしいパフォーマンスを発揮できる。

フルHD解像度のゲーム画面。比較的重たいシーンだがフレームレートは89fpsに達している。
フルHD解像度のベンチマーク結果。平均フレームレートは97.55fps。
4K解像度のゲーム画面。フレームレートは50fpsを超えており十分快適にプレイできる。
4K解像度のベンチマーク結果。平均フレームレートは55.98fps。

12L筐体に驚異的なゲーミング性能を秘めたCORSAIR ONE i300静音設計でデザインも性能も洗練された小型ハイエンドPC

 CORSAIR ONE i300の小さな筐体には、超ハイフレームレートやAAA級ゲームの高負荷にも対応できる驚異的なゲーミング性能が宿っており、その処理能力はBlenderのようなクリエイティブアプリでも高いパフォーマンスを発揮できる。

 そのうえ、水冷クーラーの採用により静粛性も確保されているので、机上に設置して使用する省スペースPCとしての完成度は抜群だ。小型ハイエンドは動作音が煩くなりがちといった印象を大きく変えてくれる1台に仕上がっている。

 今回テストしたCS-9020032-JPの実売価格は709,800円で、メモリ容量を32GBに減らした下位モデルのCS-9020033-JPでも678,200円と、相当にプレミアムな価格が設定されているが、最高の省スペースPCのひとつであるCORSAIR ONE i300には価格相応の魅力がある。

 小さくてもパワフルかつ最上級なPCを求めるなら、ぜひともチェックすべき一台だ。

[制作協力:CORSAIR]