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キーボードの違いは大きさ?日本語配列か英語配列で選ぶだけ?まだまだある豊富なキーレイアウトたち

これからキーボードを買うなら知っておきたい“今どきのキーボード”の選び方

 皆さんは今、どんなキーボードをお使いですか?

 こだわりの1台を使っているという方もいれば、「とりあえず」で買ったものをそのまま使っている、PCに付属してきたキーボードを使っている、あるいはノートPCの内蔵キーボードを使っているという方も多いかもしれません。

 昨今では大きさや機能、価格も多種多様なキーボードが販売されていますが、“今どき”なキーボードを選ぶ上で役立つポイントを簡単にご紹介します。

コロナ禍から盛り上がった“カスタムキーボード”トレンド

 実はキーボード市場は、PC入力機器市場のみならず、周辺機器市場の括りにおいても、ここ数年間で最も盛り上がっているジャンルの1つ。

 2020年頭からのコロナ禍におけるロックダウンで、世界的にゲームが流行し、マウスやゲームパッドなど、ゲーミングデバイス市場が拡大したことは皆さんご承知の通り。その中で、そのほかの入力機器と異なり、ゲーミング市場に限らずより幅広く老若男女へと拡がったのがキーボード市場でした。

 価格、サイズやデザインはもちろん、キーのレイアウト、打鍵感、レスポンス、これらに影響するスイッチの種類など、PCに触れる機会や時間が増えたこの時期に、キーボードに対して(程度の差はあれ)ある種のこだわりを持つ人は増えたのではないでしょうか。

ラピッドトリガー対応ゲーミングキーボード「Wooting 80HE

 これに加えて、日本国内では、コロナ以前からコアなファンを中心とした“キーボード界隈”で、パーツ段階から組み立てる“自作キーボード”文化がじわじわと話題になってきていましたが、海外発の“カスタムキーボード”文化の強い影響を受け、コロナ禍以降の大幅な市場拡大につながっています。

 自作キーボード文化においては、高い自由度で多種多様なキーボードが生み出されている一方で、はんだ付けなどの電子工作やマイクロコントローラー用ファームウェアの編集・書き込み、あるいは図面から基板やケースを自作するなど、ある程度のスキルが要求されてきました。

 対照的に、カスタムキーボード文化では、既製パーツの組み替えや潤滑剤を塗ってみたり、ケースのみで販売するベアボーンキットの販売など、カスタマイズすることを楽しむ趣味として普及。そんな手軽さがより幅広い層に受け、コアなキーボード市場の拡大に寄与しています。

ベアボーンキーボードキットの「Angry Miao CYBERBOARD R2

 ということで、ここからはカスタムキーボードの観点も含めて、“今どきのキーボード”を選ぶ上でポイントとなる要素についてご紹介しましょう。

キーボード選びのポイント:大きさとキー数

 キーボードのサイズ(キー数)は、人それぞれで好みが分かれるポイントの1つ。

 標準キーボードにおいては、ANSI配列の101/104キー(日本語配列の場合108/109キー)がサイズの基準となっており、「フルサイズ」や「100%レイアウト」などと呼ばれます。

フルサイズキーボードの「REALFORCE R4HA21」。余裕のあるレイアウトでキー数に困ることはありませんが、本体幅が大きく卓上の占有率は高め

 これを基準に、テンキーレスのキーボードを「80%レイアウト」と呼ぶのはお馴染みでしょう。さらに、机の上での設置スペースをより抑えるために小型化した75%や60%、40%など多様なサイズの製品が存在しています。

 また「1800レイアウト」と呼ばれるデザインは、「Cherry G80-1800」シリーズをもとにしたものです。Insert/Delete/Home/End/PgUp/PgDnのナビゲーションキーをテンキー上に移動させ、全体の幅を縮めたレイアウトで、フルサイズの使い勝手をおおよそ維持したまま、サイズを削減したデザインです。

1800レイアウトの元祖「Cherry G80-1800

 96%レイアウトは、1800レイアウトをベースに、さらにスペースを削ったレイアウト。最近では1800レイアウトと96%レイアウトの区別なく、どちらも96%レイアウトとして販売しているメーカーも多いようです。

96%レイアウトの「ASUS ROG Strix Morph 96 Wireless

 80%レイアウトことテンキーレス(TKL)レイアウトは、フルサイズからテンキーを省いたデザイン。

 テンキーを省くことで設置幅を大きく削減。フルサイズの新製品が減少傾向にあるなかで、最もメジャーなレイアウトになっています。

80%(テンキーレス)レイアウトの「SmackApe Impact 80

 75%レイアウトは、テンキーレスから一部キー(PrtSc/Insertキーなど)を省略、Home/EndなどをEnter右側に並べて幅を抑えたデザインが特徴。

 こちらも省スペースながら、Fキー列やよく使われるキーを維持したレイアウトで、ゲーマーからも人気のあるレイアウトの1つ。

75%レイアウトの「WOBKEY Rainy 75 Pro

 65%レイアウトは、75%レイアウトからFキー列を省いたデザインのレイアウト。

 カーソルキーなどは維持され、テンキーレス以上のサイズからの移行でもキーの不足を感じにくい設計ながら、幅と奥行きを抑えられるため、75%同様にゲーミングキーボードでの採用も多いレイアウトです。

65%レイアウトの「WOBKEY Zen 65

 60%レイアウトは、テンキーレスからFキーやカーソルなどナビゲーションキーを省いたレイアウト。

 カーソルキーも省略されていることが多く、65%よりもさらに幅を取らない省スペースさがポイント。こちらもゲーミングキーボードを中心に多く見られるようになりました。

60%レイアウトの「Keychron Q4 Pro」

 HHKBレイアウトは、PFUの「HHKB」シリーズでお馴染みのコンパクトなレイアウト。プログラマーなど根強いファンが多いレイアウトの1つです。

 40%レイアウトは数字列まで省略された超コンパクトなレイアウト。

 省スペースを突き詰めるならこれ、というレイアウトですが、大きさだけでなく、大きく指を動かさずに届くキーに限定することで疲れないという愛用者もいるそう。

40%レイアウトの「KBDfans Agar Mini」

キーボード選びのポイント: キーレイアウト

 文字を入力するという根本的なキーボードとしての機能に最も大きく影響するのがキーレイアウトであり、一番重要なポイントです。

 「キーレイアウト」と言われると、日本語配列か英語配列かという2択を思い浮かべる方も多いでしょう。今のキーボード市場では、そのほかにも通常は中々見かけない変則的なレイアウトが数多く存在します。

日本語配列?それとも英語配列?

 前述のように、標準的なキーボードにおける、もっとも基本的なキーレイアウトの違いといえば「日本語配列(JIS配列)」と「英語配列(ANSI配列)」があります。

アーキサイトによる日本語配列(JIS配列)と英語配列(ANSI配列)のレイアウト比較図。欧州などではJIS配列に近いISO配列もメジャーですが、ここでは割愛。

 簡単に言えば、日本で独自に策定された日本語入力向け配列か、米国策定の英語入力向け配列という違いですが、キーの割り当て文字が異なるという論理的な違いだけでなく、日本語配列にしかない変換/無変換/かな等のキー、Enter/Backspace/右Shiftといったキーの形状が異なるなど、物理的にも一部異なります。

 カスタムキーボード文化はグローバルに広まったため、当初は英語配列の製品がほとんどでしたが、昨今では日本語配列の製品も増えつつあります。とはいえ、単体販売されているキーキャップセットでは日本語配列に対応しているものが少ないなど、製品の選択肢の広さについては英語配列に一日の長があります。

様々な物理キーレイアウト

 一般的な日本語/英語キーボードを含め、標準的なキーボードレイアウトはキーボードコミュニティにおいて「Row-staggered(ロウスタッガード)」と呼ばれています。

標準的なRow-staggeredフルサイズ日本語配列キーボードのアーキサイト「ProgresTouch RETRO」

 具体的には、上下のキーが左右方向にズレてジグザグに配置されているものを指し、世のほとんどのキーボードはRow-staggeredレイアウトとなっています。

 そんなRow-staggeredと対照的な存在といえるのが、左右のキーが上下方向にズレている「Column-staggered(カラムスタッガード)」と呼ばれる配列。

 手指の長さに合わせ上下のキー位置が異なることから、標準的なレイアウトのキーボードよりも人間工学に基づいた配置になっており、「エルゴノミクスキーボード」として扱われています。1筐体にキーがレイアウトされている一般的なスタイルの製品のほか、左右分離型キーボードでの採用も多いレイアウトです。

Column-staggeredレイアウトの「JezailFunder Cornix LP」
広いパームレストとお椀型の立体的なキー配置が特徴的な「Kinesis Advantage360」

 そのほか、行列ともに揃えた碁盤の目のような配置の「Ortholinear(格子配列/直交配列)」などもあります。

Ortholinearレイアウトの「Keychron Q15 Max」

 一般的なRow-staggeredキーボードから、Column-staggered/Ortholinearなどに移行する場合、キー配置が大きく異なるため、配置に慣れるまで少なからず時間を要します。

変わった例としてはRow-staggeredを元に途中から角度をつけた「Aliceレイアウト」などの派生系も。写真は「Keychron Q10 Max
エルゴノミクスキーボードの「Logicool Wave Keys」も、全体の形状こそカーブしているもののRow-staggeredに倣ったキー配置

レイアウトは使いやすさや手に馴染むかどうかのはじめの一歩実際に触れないと中々分からない重要なポイント

 ということで、最近のキーボード市場における代表的なレイアウトを紹介しました。

 使いやすいキー数・レイアウトは人それぞれですが、今までに使ったことのないサイズを選ぶ場合、とくにキー数の少ないレイアウトへ移行する際には、今使っているキーボードで自分がよく押しているキーが揃ったレイアウトを選ぶことをオススメします。

 次回以降は、ケース素材やキースイッチ、キーキャップなどについても順次紹介予定。キーボード選びの一助となれば幸いです。