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Arc Gシリーズはハンドヘルドに最適化! Intelの本気度が見えるリップブー・タンCEO基調講演&実機レポート

モバイルゲーミングPCの新たな選択肢、搭載モデルは6月から順次登場 text by 芹澤 正芳

南港第2展示ホールで基調講演するIntel CEOのリップブー・タン氏

 IntelはCOMPUTEX TAIPEI 2026において、CEOのリップブー・タン氏による基調講演を開催した。講演全体では、PC、エッジ、フィジカルAI、データセンター、そして将来の「インテリジェンスセンター」まで、AI時代におけるIntelの役割を広く示す内容となった。

 その中で個人向けとして注目されるのが、ハンドヘルドゲーミングPC向けの新SoC「Intel Arc Gシリーズ」だ。

 タン氏はIntel 18Aプロセスを用いるCore Ultra シリーズ 3は300機種以上が出荷され、4月に投入されたCore シリーズ 3もすでに70機種以上へ広がっているという。そして、このCore Ultra シリーズ 3を応用し、急成長する携帯型ゲーミングPC市場に向けて投入されるのがArc Gシリーズだ。

Core シリーズ 3はすでに70機種以上で採用されていると語るIntelのアレックス・カトージアン氏
Core シリーズ 3(写真左)およびCore Ultra シリーズ 3(同右)

Core Ultra シリーズ 3をハンドヘルドPC向けに発展

 基調講演では、Arc G3について「Core Ultra シリーズ 3から派生し、ハンドヘルドゲーミング向けに特別にチューニングした」と説明。複数のゲームで競合に対して安定した性能を示し、競合比で40%以上高速、同等性能では消費電力を半分にできると主張。さらに、AAAタイトルを1080pで動作させ、その多くで120fps以上を実現するとアピールした。搭載デバイスは今月後半から登場し、年内にさらに多くの製品が発売される見込みだ。

Arc Gシリーズを手に持つアレックス・カトージアン氏

 Arc Gシリーズは、「Intel Arc G3 Extreme」と「Intel Arc G3」で構成される。両者の大きな違いGPUのXeコア数で、Arc G3 Extremeのほうが2コア多い構成となる。一方で、XeSS 3への対応はどちらも共通だ。わずか2コアの差とはいえ、ハンドヘルドPCでは消費電力や冷却能力の制約が大きいため、この差が実ゲーム性能やワットパフォーマンスにどこまで影響するのかは、今後テストする機会を得て確認したいところだ。

Arc G3 ExtremeとArc G3の2モデルで展開

 XeSS 3は、AIベースのアップスケーリングを行うXeSS Super Resolution(XeSS SR)、補間フレームを生成してなめらかさを高めるXeSS Multi Frame Generation(XeSS MFG)、入力遅延を抑えるXe Low Latency(XeLL)の3要素で構成される。

 そのほか、Windows 11 PC向けにコントローラー操作を前提としたフルスクリーン体験を提供するXboxモード、特定タイトル向けにプリコンパイル済みシェーダーをIntelのクラウドから取得してゲーム起動を高速化するIntel Precompiled Shadersも用意される。CPU側は2基のPコア、8基のEコア、4基のLP Eコアを備え、Wi-Fi 7、Bluetooth 6、Thunderbolt 4をサポートする。

Arc Gシリーズの特徴

Arc G3 Extremeの搭載モデルはまもなく登場!!

 Arc G3 Extreme搭載製品としては、MSIの「Claw 8 EX AI+」、ONE-NETBOOK Technologyの「OneXPlayer 3」、Acerの「Predator Atlas 8」などが挙げられている。製品投入は2026年6月から順次始まる予定だ。

MSIの「Claw 8 EX AI+」。8型サイズで1,920×1,200ドット、リフレッシュレートは120Hz
ONE-NETBOOK Technologyの「OneXPlayer 3」。8.8型OLEDでリフレッシュレートは144Hz。コントローラーやキーボードは着脱式
Acerの「Predator Atlas 8」。こちらは8型サイズで1,920×1,200ドット、リフレッシュレートは120Hz
展示会場ではONE-NETBOOK Technologyの「OneXPlayer X2 Mini」というモデルも見かけた。詳細の発表を待ちたい

 現地で確認したMSI Claw 8 EX AI+は、Arc Gシリーズ採用機の代表格と言える存在だ。興味深かったのは、COMPUTEX TAIPEIとは別会場で行われていた比較展示。そこではAMD Ryzen AI Z2 Extremeを採用するASUSの「ROG Xbox Ally X」と、MSI Claw 8 EX AI+を並べ、「ホグワーツ・レガシー」をほぼ同一の画質設定で動作させていた。展示ではROG Xbox Ally Xが75fps前後だったのに対し、Claw 8 EX AI+は103fps前後で動作しており、Intel側の優位性を目に見える形でアピールしていた。

Claw 8 EX AI+は画質のプリセットがMedium、解像度は1,920×1,200ドット、XeSS SRはBalanced、フレーム生成はXeSS FG x2という設定で103fps前後。なお、ROG Xbox Ally Xは画質プリセットMedium、解像度1,920×1,080ドット、FSR SR Balanced+FSR FG Onという設定だった

 ハンドヘルドPCでは、実効フレームレートだけでなく、消費電力、発熱、ファンノイズ、バッテリー駆動時間の総合バランスが重要だ。そのため単一タイトル、単一条件の比較だけで製品全体の優劣を判断することはできないが、この展示と結果はIntelがArc Gシリーズに相当な自信を持っていることを示すものと言えるだろう。

 実機での性能、バッテリー駆動時間、各タイトルでの安定性、ドライバー品質は今後の検証を待つ必要があるが、Intelは携帯型ゲーミングPC市場に本気で踏み込む姿勢を明確にした。AMD Ryzen Zシリーズが先行して存在感を示してきたこの市場に、Intel Arc Gシリーズがどこまで食い込めるのか。最初の搭載機の完成度が、その試金石となりそうだ。

 このほか基調講演では、台湾の半導体産業とIntelの関係に触れ、台湾のPCエコシステムがIntelの成長を支えてきたと強調した。その上で、Intelは「エンジニアリングの会社」であり、実行力を最優先にしていると説明。シリコンからSoC、システム、ソフトウェアまでを一体で展開し、PCやAI、データセンターなど複数の市場に向けた製品を投入していく方針を示した。

タン氏は台湾のIT/半導体関連各社との関係性についても語った