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長く使えるPCを選ぶならサイコムの「プレミアムライン」、外観も美しい「Sycom Premium Line Z890FD-Mini/E2」をチェック

高耐久パーツ採用に無償オーバーホールサービスなど特別なサポートも提供 text by 坂本はじめ

 サイコムより、Intelの最新CPU「Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)」を搭載するBTO PC「Premium Line Z890FD-Mini/E2」が登場した。Mini-ITX規格のコンパクトな筐体を採用しながらも、20コアCPUの「Core Ultra 7 265K」とGeForce RTX 40シリーズを搭載するハイスペックなマシンだ。

 本機は、サイコムが品質を追求して構築した「プレミアムライン」に属する製品であり、2年間の製品保証や無償オーバーホールサービスが標準で提供される。サイコムが技術の粋を集めて構築した最新のプレミアムコンパクトPCがどのような製品に仕上がっているのかチェックしてみよう。

PCを長く使ってもらうための厳選パーツ構成+手厚いサポート2年間の長期保証や無償オーバーホールサービスも標準提供

 サイコムのBTO PCは、ゲーム向けやクリエイター向けなどの用途の合わせたモデルや、静音性重視のモデル、より性能を引き出すための水冷モデルなど、用途や重視するパフォーマンスに合わせた複数のシリーズが用意されている。今回取り上げる「プレミアムライン」は、品質にこだわったシリーズだ。

「プレミアムラインモデル」は長期運用を前提に、サイコムが厳選した高品質なパーツで構築されている

 「動作パフォーマンスや静音性、製品の耐用年数、メンテナンスのしやすさなど、様々な観点において最高クラスのパーツを、信頼性の高いパーツメーカーより厳選」して製作されたPCとされている。使い捨てではなく、優れた製品を長く使ってもらうことがコンセプトにもなっているモデルだ。

 「プレミアムライン」に採用されているPCパーツは、基本的にはメーカーを固定せずに、その時に品質や耐久性などの観点から最適な物が選ばれている。ただし、PCケースのみFractal Design製で固定されており、「プレミアムライン」はサイコムとFractal Designのコラボレーションモデルにもなっている。

 高品質を追求して構築した「プレミアムライン」のモデルには、通常モデルの1年間保証の2倍となる「2年間の製品保証」が標準で提供されている。また、購入時に有償の延長保証を申し込むことで製品保証期間を3年間に延長することも可能。

 往路分の送料負担のみでPCの整備点検が1回分無料になる「無償オーバーホール」や、搭載パーツの交換やアップグレードをサイコムに依頼できる「アップグレードサービス」といった、プレミアムなサービスも用意されている。

2年間の製品保証が標準で提供されるほか、無償オーバーホールやアップグレードサービスも用意されている

 これらはPCを長期間にわたって運用することを前提としたサービスであり、適切な知識と技術が求められるメンテナンスやアップグレードまでサポートする体制が用意されているのは心強い。

シックなデザインのコンパクトモデル、CPU/GPUともに上位構成も選択可能「Sycom Premium Line Z890FD-Mini/E2」

 今回サイコムの「プレミアムライン」の中から取り上げている「Premium Line Z890FD-Mini/E2」は、Mini-ITX規格に対応するFractal DesignのPCケース「Era 2」を採用したBTO PCで、標準構成はIntel Core Ultra 7 265KにGeForce RTX 4060 Tiが搭載されている。

 レビューに使用するのはパーツ構成を一部カスタムしたもので、20コアCPUの「Core Ultra 7 265K」とハイエンドGPUの「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」を搭載し、ケースカラーを落ち着いた青が美しい「Midnight Blue」に変更したものだ。

アルマイト処理されたアルミ製の外装パネルは見る角度によって色味が変化する、採用ケースはFractal Design「 Era 2」
ケースカラーは落ち着きのある青色が美しい「Midnight Blue」
「Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)」に「GeForce RTX 40シリーズ」の組み合わせが標準構成になっている
天板にはウォールナット材を採用、天然木と金属が融合したモダンな佇まいが印象的
本体背面側
本体カラーは3色から選択可能。今回紹介している「Midnight Blue」のほかに、「Charcoal Gray」、「Silver」が用意されている。

 Fractal Design「Era 2」を採用したことで、筐体サイズは165×314×366mm(幅×高さ×奥行)に抑えられている。また、天然木と金属の組み合わせた佇まいが印象的なビジュアルは、ラグジュアリーモダンなインテリアにも良く馴染む。

 当然、ビジュアルだけでなく機能も充実しており、本体前面には使い勝手の良いUSB 3.2 Gen 2x2(Type-C)とUSB 3.0(Type-A×2基)を搭載。本体背面にはマザーボードのASRock「Z890I Nova WiFi」により、2基のThunderbolt 4ポートや5Gbps LAN(5GbE)、Wi-Fi 7といった先進的なインターフェイスが用意されている。なお、OSはWi-Fi 7等最新ハードウェアが利用可能なWindows 11 Home(24H2)が採用されている。

本体前面のインターフェイス。USB 3.2 Gen 2x2(Type-C)、USB 3.0(Type-A×2基)のほか、電源スイッチとオーディオジャックが配置されている
本体背面のインターフェイスはThunderbolt 4(2基)、5GbE、Wi-Fi 7など。マザーボードのASRock Z890I Nova WiFiにより提供されている機能だ。
搭載OSはWindows 11 Home(24H2)。Wi-Fi 7を日本で利用するには24H2以降のバージョンが必要になる。
Windows 10のサポート終了は2025年10月14日。旧環境のPCを使用しているユーザーはそろそろ買い替えを検討するタイミングではないだろうか。

難易度の高いコンパクトPCも見事に組み上げるサイコム

 ここからは、ケースの外装を取り外して内装を確認してみよう。

 外装を取り払ってまず気が付くのは、パーツや配線の密度の高さだ。PCケースが小さくなればなるほどパーツ同士の干渉や冷却面での問題が起きやすくなるため組み立ての難易度は高くなるものだが、これだけ密度が高いにも関わらず整然と組み上げているのは流石である。

内部はパーツや配線が高密度に組み込まれているが、必要に応じてケーブルを固定することで整然とした内装に仕上がっている

 「Premium Line Z890FD-Mini/E2」では、CPUクーラーにNoctuaファンを搭載したオリジナルの240mmオールインワン水冷クーラーを採用しており、そのラジエーターを天板側に排気方向で配置している。底面には2基の120mmファンが吸気方向で取り付けられているので、底面から天板へと抜ける効率的なエアフローが構築されていた。

 「Core Ultra 7 265K」と「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」はそれなりに発熱も大きいパーツだが、底面から天板へ抜けるスムーズなエアフローによってケース内を効率的に換気することで、十分な冷却性を確保するという冷却システムのようだ。

CPUにはサイコムのオリジナルの240mmオールインワン水冷クーラーを搭載
天板に設置されたラジエーターにはNoctua製の冷却ファンを搭載している
底面には外気を取り込むための120mmファンを2基搭載している
底面から天板に抜けるエアフローにより、内蔵パーツを冷却しつつケース内を換気する

用途を問わず使える高性能な「Premium Line Z890FD-Mini/E2」クリエイター系ベンチマークとゲームで性能をチェック

 それでは、「Core Ultra 7 265K」と「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」を搭載した「Premium Line Z890FD-Mini/E2」の性能をベンチマークテストで確かめてみよう。

 テスト条件は以下の通りで、サイコムはCPUの「Core Ultra 7 265K」に「PL1=159W、PL2=250W、Tau=56秒」という独自の電力リミット設定を適用している。これは、56秒間は250Wの電力消費を許容し、時間経過後は159Wに制限するという設定で、これがCPU性能にどの程度影響するのかにも注目だ。

Cinebench 2024

 Cinebench 2024において、「Premium Line Z890FD-Mini/E2」はCPU (Multi Core)テストで「1,893pts」、シングルコア性能を計測するCPU (Single Core)テストで「140pts」、GPUテストでは「22,926pts」を記録した。

 140ptsに達したCPU (Single Core)のスコアは特に素晴らしいものだが、ここで注目したいのはサイコム独自の電力リミット設定が影響しているCPU (Multi Core)の結果だ。電力リミットが「PL1=PL2=250W」に設定されているCore Ultra 7 265Kはおおむね2,000pts前後のスコアとなるので、PL1を159Wに設定した状態でも95%程度の性能を発揮できているようだ。

Cinebench 2024 CPU (Multi Core)
Cinebench 2024 CPU (Single Core)
Cinebench 2024 GPU

UL Procyon Photo Editing Benchmark

 実際のアプリケーションを使用してPCの性能を計測できるベンチマークテストUL Procyonで、AdobeのPhotoshopとLightroom Classicを使用するPhoto Editing Benchmarkを実行した結果が以下のグラフ。

 総合スコアで「9,319」を記録。レタッチ処理で「9,480」、バッチ処理では「9,161」を記録しており、いずれもかなり優秀なスコアだ。写真や画像編集といったクリエイティブシーンでも高いパフォーマンスが得られるだろう。

UL Procyon Photo Editing Benchmark

UL Procyon Office Productivity Benchmark

 UL ProcyonのOffice Productivity Benchmarkは、オフィスソフトのMicrosoft Officeでのパフォーマンスを計測するベンチマークテスト。

 総合スコアは「8,446」で、これは現在のCPUでは最高クラスのスコアだ。アプリ毎のスコアはいずれも優秀なものであり、オフィスソフトのような日常的に使用するアプリケーションでも高いパフォーマンスを得ることができる。

UL Procyon Office Productivity Benchmark

フォートナイト

 フォートナイトでは、グラフィックプリセット「最高」をベースにNaniteを「オフ」、アンチエイリアスを「TAA」(3D解像度=100%)に設定し、フルHD/1080pと4K/2160pで平均フレームレートを計測した。テスト時のグラフィックスAPIは「DirectX 12」。

 記録したフレームレートは、フルHD/1080pで「231.5fps」、4K/2160pで「87.2fps」を記録。これらのフレームレートは、GPUであるGeForce RTX 4070 Ti SUPERの性能を十分に引き出せていると言えるものだ。

フォートナイト

性能と静音性のバランスがとられたセッティングコンパクトサイズでもしっかり冷える

 「Premium Line Z890FD-Mini/E2」の冷却システムが、CPUとGPUを十分に冷却できているのかを確かめるべく、Cinebench 2024 CPU (Multi Core)とフォートナイト(4K/2160p)でCPUとGPUの動作温度を計測してみた。

 室温は約25℃の環境下にて、Cinebench 2024を「最低実行時間10分」、フォートナイトは「約15分間連続」でそれぞれ実行した結果が以下のグラフ。

 Cinebench 2024でのCPU温度は平均79.1℃(最大92℃)、フォートナイト実行中はCPUが平均67.5℃(最大77℃)、GPUは平均72.1℃(最大74.0℃)を記録。温度リミットはCPUが105℃、GPUは84℃だが、計測された温度はいずれもリミット値を下回るものであり、「Premium Line Z890FD-Mini/E2」の冷却システムはCPUとGPUを十分に冷却できていることが確認できた。

CPU/GPU温度

 Cinebench 2024実行中のモニタリングデータに注目してみると、テスト開始後しばらくはPL2=250W設定によって最大226.3Wの電力を消費しながら動作しているが、いったんPL1=159Wの制限が発動すると以降は電力リミットスロットリングが発動し続けている様子が確認できる。

 電力リミットの制限でCPUクロックのほか、CPU温度や消費電力も低下している様子がみてとれるが、実際のベンチマークスコアは「PL1=PL2=250W」比で95%前後であったことを考えると、性能の低下以上に温度や消費電力低下のメリットが大きく感じられる。

 PL1を159Wに制限するというサイコム独自のチューニングは、「Core Ultra 7 265K」をかなり効率的に運用できる設定であると言えるだろう。

Cinebench 2024実行中のモニタリングデータ
フォートナイト実行中のモニタリングデータ

 CPU/GPU温度を含むモニタリングデータの計測中、ケース本体から約40cm離れた位置に設置した騒音計で計測した騒音値が以下のグラフ。

 アイドル時の「32.7dBA」はかなり静かと言えるのだが、Cinebench 2024実行中の「39.3dBA」や、フォートナイト実行中の「44.6dBA」はそれなりにファンの動作音が発生している。

 とはいえ、ファンを高速で動作させることで無理やり冷やしているというほどの騒音でもなく、「Premium Line Z890FD-Mini/E2」のコンパクトな筐体に高性能なCPUとGPUを搭載していることを考慮すれば、動作音はかなり抑えられていると評価できる。

騒音値

サイコムのBTO PCはカスタマイズ設定をURL保存可能SNSやメールでのシェアにも対応

 「プレミアムライン」のモデルである「Premium Line Z890FD-Mini/E2」も、他のサイコム製BTO PCと同じくパーツ構成のカスタマイズに対応しており、CPUについてはIntelのCore Ultra プロセッサー(シリーズ2)最上位の「Core Ultra 9 285K」を選択することもできる。

パーツ構成のカスタマイズに対応しており、最上位CPUの「Core Ultra 9 285K」も選択可能

 「Premium Line Z890FD-Mini/E2」のカスタマイズページ最下部には、他のBTO PCと同じくカスタマイズ状況をURLで保存機能が用意されており、クリップボードにコピーしたり、XやメールアドレスにURLを送信したりすることができる。

 「プレミアムライン」には有償のアップグレードサービスも提供されているが、購入時点で満足できる構成を選択しておきたいところ。カスタマイズ状況の保存機能を活用して、納得がいくまでパーツ構成を吟味すると良いだろう。

ページ最下部にカスタマイズ状況をURLで保存する機能が用意されている
Xでカスタマイズ設定URLをシェアできる
任意のメールアドレスにURLを送信できる

 また、サイコムでは2025年1月20日(月)まで「サイコム 冬の特大キャンペーン2024」を開催中。搭載SSDのCrucial T500(Gen4) SSD 1TB/2TB/4TBまたはCrucial T700 (Gen5) SSD 1TB/2TB/4TBが一律7千円引き、PC(モニター含む)の配送料が無料、ショッピングローン最大36回分割払いまでの金利が無料、不要になったPCを一律1,000円で下取りなど、割引や特別なサービスを実施。

 このほかシリーズ別に特別な割引きが設定されており、G-Masterシリーズは全モデル10,000円引き、G-Master Hydroシリーズは全モデル20,000円引き、Silent Masterシリーズは全モデル10,000円引きとなっている。今回紹介しているPremiumLineシリーズは、割引きはないものの、キャンペーン期間中に購入することで全モデル保証期間が3年へ延長される。PCの購入を検討しているユーザーは是非活用してもらいたい。

高い性能と先進的な機能を備えるプレミアムコンパクトPC長く使えるPCを探しているユーザーに選んでもらいたい特別な1台

 「Premium Line Z890FD-Mini/E2」は、小型の筐体を採用しながらも強力なCPUとGPUを搭載可能なBTO PCだ。今回テストしたCore Ultra 7 265KとGeForce RTX 4070 Ti SUPERの組み合わせは、オフィスソフトからクリエイティブまでこなせるPCとして完成していた。

 優れたパフォーマンスに、Thunderbolt 4や5GbE、Wi-Fi 7といった先進的なインターフェイス、そして標準で2年間の製品保証を備える「Premium Line Z890FD-Mini/E2」は、サイコムが掲げる「プレミアムライン」のコンセプトを体現するモデルであり、長く使える1台を求めるユーザーに好適な1台だ。