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20周年を迎えるZOTACに“世界最高峰の小型PC”を作り続ける理由をCOMPUTEXで聞く
(COMPUTEX AKIBA出張所 / ZOTAC編)
- 提供:
- ZOTAC
2026年6月11日 00:00
多彩なGeForce搭載ビデオカードや小型PCの「ZBOX」シリーズなどで知られるZOTACが2026年で20周年を迎える。COMPUTEX TAIPEI 2026の会場では、20周年を記念するモデルが複数展示され、プロダクトマネージャーのJacky Huang氏もブースに来場。デスクトップ版RTX 5080を搭載するMAGNUS ONE ULTRAを中心に高性能な小型PCへのこだわりを聞いた。
ブースではZOTACの歴史で象徴的なモデルと20周年記念モデルがズラリ
インタビューの前にZOTACブースで展示されていたものを紹介しておこう。まず目立ったのは、ズラリと並んだ20年の歴史を象徴するようなモデルの数々だ。2006年のGeForce 7300 GTから2025年のGeForce RTX 5090搭載モデルまで7種類のカードが展示されており、懐かしさから多くの人が足を止めていた。
また、20TH ANNIVERSARY Editionと銘打たれたゴールドカラーのビデオカードやPCケース、水冷対応のプロトタイプビデオカード、ロボットアームのようなコンセプトPCも展示されていた。日本展開はまだ決まっていないそうだが、ビデオカードやPCケースはシックなゴールドなので印象的ながらハデ過ぎず、多くの部屋にマッチするだろう。発売されれば人気が出そうだ。
Jacky Huang氏に聞く「MAGNUS ONE ULTRA」実現への道
ここからは、ブース内でもトップクラスの注目を集めていたZBOX Eシリーズの1つで約10Lクラスのボディにデスクトップ版RTX 5080の搭載を実現した「MAGNUS ONE ULTRA」を中心に、ZOTACの小型PCへのこだわりについて、プロダクトマネージャーのJacky Huang氏に話を聞いた。
――ZBOXシリーズの強みはどこにありますか?
Huang氏: ZOTACは約12年前から、Intel CPUとNVIDIA GPUを組み合わせた小型PCを作ってきました。当時、このような組み合わせを実現していたメーカーはほとんどなく、われわれは唯一に近い存在でした。
同氏によれば、Pascal、Turing、Ampere、Ada、そしてBlackwell世代まで、IntelとNVIDIAの構成で経験を積み重ねてきた。この組み合わせをZOTACの小型PCにおける“成功の方程式”だと表現する。
Huang氏: GeForce RTX 50シリーズ世代では、GeForce RTX 5050からRTX 5080まで、小型PCに組み込むことができます。特にRTX 5080を約11Lクラスの小さな筐体に収められることは、ZOTACの小型PCを差別化する大きなポイントです。
同氏は、こうした小型PCを実現するには冷却ファンだけでなく、筐体内部のパーツ配置、エアフロー、筐体サイズ、ケーブルの取り回しまで含めた設計が必要だとも説明する。約12年にわたって小型PCとGeForce搭載製品を作ってきた経験が、今回のMAGNUS ONE ULTRAにも活きているという。
なお、同氏によるとZBOXシリーズは末尾のアルファベットごとに特徴が分けられているとのこと。
- Eシリーズ
- Enthusiast: 外部GPU搭載モデルが多い高性能系、クリエイター・ゲーマー向け
- Cシリーズ
- Cooling/Fanless: 完全ファンレスの静音特化、オフィスやサイネージ向け
- Mシリーズ
- Mainstream/Multimedia: ノートPC向けCPUを使った小型筐体のバランス型、普段使いとオフィスワーク両対応
- Pシリーズ
- Pico/Pocket: 低消費電力CPUで手のひらサイズ、サイネージやPOS端末、家庭でのメディア再生向け
外部GPUとしてGeForceシリーズを搭載するEシリーズだけではなく、用途や目的に合わせて多彩な小型PCを展開しているのもZOTACの強みと言えるだろう。
――MAGNUS ONE ULTRAでは、モバイル版ではなくデスクトップ版GeForce RTX 5080を搭載しています。なぜデスクトップGPUにこだわるのでしょうか?
Huang氏: モバイルGPUは、もともとノートPC向けに設計されたものです。ノートPCではバッテリー駆動やAC電源とのバランス調整、NVIDIA Optimusのような機能が必要になります。しかし、ミニPCにはバッテリーがありません。ノートPC向けの機能がすべて必要なわけではないのです。そうした機能のために追加コストを払うのであれば、なぜデスクトップGPUを使わないのか、という考え方です。
モバイルGPUは、限られた電力やノートPC特有の動作環境を前提にしている。据え置き型の小型PCであるMAGNUS ONE ULTRAでは、ノートPC向けGPUの制約に合わせるよりも、デスクトップGPUの性能を活かすほうが理にかなっている、という判断だ。
――デスクトップ版GeForce RTX 5080を11.46L筐体に搭載する上で、冷却面の工夫はどこにありますか?
Huang氏: 小型PCでは、CPU、GPU、メモリ、SSDなどを限られたスペースの中で効率よく冷やす必要があります。個別に冷却機構を増やすだけでは、筐体が大きくなってしまいます。
MAGNUS ONE ULTRAで興味深いのは冷却機構だ。ブースでは、CPUだけでなく、DRAMやSSDなどもまとめて冷やす「総合クーラー」に近い構造が説明された。内部には独自設計のマザーボードやライザー、フロントI/Oへ向かう配線などもあり、限られた空間を使い切るための設計が随所に盛り込まれている。
また、搭載されるRTX 5080は同社がカード単体で発売されているものとまったく同一とのこと。小型筐体に入れるため、特別なカスタマイズが行われているわけではなく、デスクトップ版RTX 5080のフルパワーを完全に活かせる環境が整っている点も見逃せない。
――NVIDIAにはSFF規格(スモールフォームファクター)もあります。この規格を使うことは考えなかったのでしょうか?
Huang氏: 想定する“小ささ”のスケールがわれわれとは異なります。NVIDIAが言うSFFは、一般的なタワーPCに組み込むカードとしては小型だが、ZOTACが作る10L級の小型PCの基準では、十分に小さいとは言えません。ZOTACはそれより小さい筐体にデスクトップGPUを収める設計をしているため、(NVIDIAの)SFF規格を使う必然性は薄いと考えています。
実際にゲーミング向けの「SFF-Ready」におけるカードサイズは最大幅151mm×長さ304mm以内、厚み2.5スロット以下と数字だけ見ても、驚くほど小さいというものではない。規格化することで、microATXケースなど小さめのPCケースにも組み込みやすくできるのが最大の目的だろう。そもそもハイエンドGPU搭載でも小型サイズを実現してきたZOTACにとっては必要性が薄いと考えるのは必然かもしれない。
――ユーザーがGPUを交換することは想定されていますか?
Huang氏: 交換は保証されません。GeForce RTX 5080といっても、カードごとにサイズは異なります。2.5スロットのカードもあれば、より大きなカードもあります。大きなカードをそのまま入れられるわけではありません。ユーザーが変更できる可能性はありますが、推奨はしていません。
小型筐体ではカードのサイズだけでなく、発熱、ファン制御、性能維持、内部レイアウトまで含めた最適化が必要になるためだ。物理的に交換できる可能性と、保証・サポートの対象として扱えるかは別問題、というわけだ。
――AI需要の高まりをどう見ていますか?
Huang氏: ローカルLLMやローカルAIシステムを動かす用途は、今後さらに重要になると考えています。また、AI需要によってメモリやSSDの供給不足が心配されていますが、ZOTACは幅広い調達ルートを持っており、問題はありません。
COMPUTEXのZOTACブースでは、ローカルLLMアシスタントや画像認識、GPUサーバー、組み込み向け製品も展示。ZOTACはゲーミングだけでなく、AI、産業、エンタープライズ領域まで視野を広げている。
――多くのメーカーがミニPCを展開しています。ZOTACはどこで差別化しているのでしょうか?
Huang氏: ZOTACには、非常に小さなモデルからファンレスモデル、GeForce搭載モデル、Embedded GPUを使うモデルまで、幅広いミニPCがあります。なかでもIntel CPUとNVIDIA GPUの組み合わせは、ZOTACの特徴です。
一般的なミニPCメーカーではGeForce搭載モデルが少なく、一方でビデオカードメーカーがミニPCを深く手掛けている例も多くない。ZOTACはその双方のノウハウを併せ持つため、これらを組み合わせた製品を作れるとのこと。
また、社内に開発チームを持ち、サーマルデザインや世代移行に合わせた内部設計を継続して最適化できることも強みという。MAGNUS ONE ULTRAは、こうしたZOTACの立ち位置を象徴する製品と言えるだろう。
――読者へのメッセージと、今後のEシリーズの展望を教えてください。
Huang氏: 高性能GPUを搭載した小型PCを、ゲーミングだけでなく、ローカルAI用途に使うことへの期待があります。クラウドではなく手元の1台でLLMやAIシステムを動かせば、デジタルヒューマンのような用途や、人事、管理、カスタマーサービス部門を支援・代替するような使い方が考えられる。特に日本では、こうしたAI利用が大きなビジネスになると見ています。今後の展開に期待してください。























