取材中に見つけた○○なもの

カノープスの「SPECTRA 5400 PE」がヒット、“GeForce以前”のNVIDIA

~ 1999年のビデオカード事情 ~

人気の高かったカノープスのビデオカード

 1990年代は、今よりも多くのメーカーがビデオコントローラーを開発していました。今回はNVIDIAのビデオカードを紹介します。現在は性能、市場シェアともにトップメーカーといわれる同社ですが、1999年当時は3dfxやMatroxといった競合メーカーと激しいトップ争いを繰り広げていました(社名、製品名、販売店名は取材当時のものです)。

NVIDIA RIVA TNT

Voodoo Bansheeと並び、3Dゲーム向けとして人気のあったRIVA TNT。1999年頃には1万円台にまで値下がりました。

NVIDIA RIVA TNT2

RIVA TNTを強化したTNT2はVoodoo3とハイエンド争いを演じました。エントリー向けの低価格版「Vanta」も登場しています。
TNT2から4週遅れで発売された高クロック版「RIVA TNT2 Ultra」
当時人気だったカノープスのTNT2 Ultra搭載カード「SPECTRA 5400 PE」。基板の一部を交換することでD-sub 15pinをBNCに変更できるオプションが用意されていました。

NVIDIA RIVA TNT2 M64

1999年6月に登場したエントリー向け製品。Vantaの高クロック版のような製品で、次第に切り替わっていきました。ちなみに、TNT2 M64は2002年頃まで店頭に並ぶ息の長いモデルとなります。

1999年後半からビデオカードは新たなトレンドへ

 当時のOSであるWindows 95/98は、3Dゲームについては家庭用ゲーム機に圧倒的な差を付けられていました。それに追いつこうと、PCのゲーム環境が次第に強化されていったのもこの時期です。1999年9月にはDirect 3Dを強化したDirectX 7がリリースされ、ハードウェアT&Lがサポートされました。

 2000年以降、ビデオカードのシェア争いはハードウェアT&Lの実装が大きく影響することになります。

RIVAの後継であるGeForceがNVIDIAから登場。GeForce 256はこれまでCPUが行っていた3D処理をビデオチップが行う「ハードウェアT&L」を搭載しており、“GPU”を名乗った最初の製品となりました。