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Pentium III 1.0B GHzリテール版の巨大クーラーに要注意
リテールパッケージ品では初めての1GHz台CPUとはいえ、リテールパッケージの外観自体には特に大きな変化はなく、表面のクロック表記が「1GHz/133MHz System Bus」へと変わり、内部動作クロックの単位がMHzからGHzに変更されたというのが唯一の変化。また、CPUも形状やマーキングなどを含め、外から見る限りはこれまでのバルク品と大きな違いは見られない。
一番変わっているのは同梱されているCPUクーラーで、これまでとは構造も大きさも異なる、まったくの別物になっている。従来、リテールパッケージ品についてくる純正CPUクーラーといえば、黒いヒートシンクとCPUファンと固定用部品が一体化された山洋電気のOEM品というのがお決まりのパターンだったが、1.0B GHzではアルミ素材の色が剥き出しの銀色巨大ヒートシンクと、CPUファンと固定用部品が全て別々に単体部品として同梱されている。どこのメーカーのOEM品なのかは今のところ不明。ヒートシンクとファンは驚くほど大きくなっており、見た目ではCPUに対して2周り以上も大きく見える。これほど大きいと、マザーボード上に設置する場合にSocket 370周辺のコンデンサなどと接触する可能性が高く、購入する場合は事前に使用するマザーボードの部品レイアウトと照らし合わせる必要がありそうだ。場合によっては別途、他社製のCPUクーラーを購入する必要が出てくる。
CPUクーラーの固定用部品は鉤爪状の単独部品に改良され、ヒートシンクを横断してSocket 370の両端に爪を引っ掛ける構造になっている。固定用部品が以前のようなヒートシンク一体型の場合、いったん一方の爪を固定するとヒートシンクが斜めに浮き上がってしまい、続いてもう一方の爪を固定しようと無理に力を加えると、局所的に接触しているCPUコアが最悪の場合は欠けてしまうこともあったが、この構造だとそういう事故は起きにくくなる。この新構造の固定用部品は、中央にあるレバーを動かす操作だけで外すのも簡単というメリットがある。
現状のリテールパッケージ品は、紙製の化粧箱で完全密封されているうえ、CPUクーラーの仕様などはどこにも記されていないため、購入して中を開けるまでこうした内容は一切わからない。もし、これからPentium III 1.0B GHzのリテールパッケージ品を購入する予定があるのならば、こうしたヒートシンクの仕様変更について事前に頭に入れ、よく検討するのが得策だ。
なお、現在出回っているリテールパッケージには「Now Dual Processor Capable」との記述がついている。これは、Dual CPU環境での動作保証付きである事を示している。
□Pentium III(インテル)
http://www.intel.co.jp/jp/PentiumIII/
(Intel Pentium III) |
[撮影協力:高速電脳とUSER'S SIDE本店]
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