【 2000年11月18日号 】

世界最長?99分の記録が可能なCD-Rメディアが登場

99分CD-Rメディア99分CD-Rメディア
99分CD-Rメディア99分CD-Rメディア
90分CD-Rメディア90分CD-Rメディア

 ある程度棲み分けがハッキリして価格競争が一段落したCD-Rメディアは、このところ別のところで熾烈な競争が展開中。一時は名刺サイズや8cmサイズといった形状や、記録面に対するオリジナルカラーでユニークさを誇る流れもあったが、今ではこれも常識化して目新しさはなく、新たに大容量化の競争が目立ち始めている。

 現在流通している国内大手メーカーの製品では、基本的に音声フォーマットでは80分というのが最大だが、最近は台湾メーカーからこれを超える製品が幾つか出始めている。少し前から出回っているのが90分メディアで、当初はバルク品の状態でのみ販売されいたが、今では「90分間記録可能」と明記されたリテールパッケージ品も一部で販売されている。そして、今週はさらに99分というメディアも現れている。

 あきばんぐが販売を始めた99分CD-Rメディアは、台湾製という以外はメーカー名も製品名も不明の謎の製品で、価格は1,480円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。リテールパッケージではなく、汎用のビニール袋に10枚重ねて入っている簡易パッケージ品で、事実上のバルク品と言える。メディアの表面には特にメーカー名や製品名は入っていないが、「80++」という意味深な記号が見える。一部の90分CD-Rメディアに「80+」という文字があることを考えると、現在規格で制定されている上限の80分を「タイプ80」と呼ぶのを基準に、90分を「80+」、99分を「80++」と暫定的に呼んでいるらしい。なお、データフォーマットで記録した場合の容量は、論理的には90分で約870MB程度が記録できる計算になる。

 ただし、前述の通り、公式に規格で決まっているのは80分までのため、これを拡張したCD-Rメディアは、ドライブや書き込みソフト側で認識できない可能性が高く、例えうまく書き込めたとしても、今度はCD-ROMドライブで読めないという可能性も出てくる。販売中の99分メディアにも、対応表を記した簡単な紙が入っており、これによると「Overburn」という74分以上の記録をサポートした書き込みソフトを使うことを前提に、音声フォーマットで99分を記録するにはTEAC CD-R55SとMitsumi CR408のドライブのみが対応し、このほか92分の場合やデータフォーマットでの書き込みの場合など条件によって対応ドライブが変わってくるという。おそらくトラックピッチを限界近くまで詰めたメディアのため、ドライブ側にもかなりシビアな性能と品質が要求されるのに違いない。

 対応条件が厳しいことを考えると、とても一般向けではなく、ショップ側も「まずは玄人のあなたへ」と注釈付きで販売している製品だが、とにかくバックアップなどでCD-Rメディアを最大限有効活用したいという人にはチェックしておきたいCD-Rメディアではある。CD-Rのエキスパートを自認する人ならば、技術的興味でまずは試したいところだ。

 今は誰にでも使えるものではないが、80分CD-Rメディアがそうであったように、製品が先行した後、やがて99分が正式規格になる日も、もしかしたらやってくるのかも知れない。

 (メディア)



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