カノープスから廉価版の独自CPUクーラー「Firebird R5」が発売に
この「Firebird R5」は、言わば「Firebird R7」の廉価モデルという位置付けになる。ヒートシンクは羽のような独特の放熱フィンを持つ「Firebird R7」とは違ってオーソドックスなタイプで(ちなみにカノープスによれば「逆さまにしてみるとFirebirdロゴ形状とそっくり」とのこと)、対応CPUのクロックもAthlonなら1.2GHzまでと、「Firebird R7」の「2GHzまで対応可能」という性能に比べてグレードダウンしたものになっている。
しかし冷却性能的には最上級ではないものの、「Firebird R7」で好評だった搭載ファンの静音性や、CPUクーラー取り付け時の破損事故を低減したり取り付け作業を容易にしたりできるという「Iron Claw」はそのままで、つまるところ「Firebird R5」は、静音性や扱いやすさはそのままに冷却性能のみを下げることでコストダウンを図った製品、と言えるだろう。
さらに「Firebird R7」のような特殊な放熱フィンを採用しない代わりに、ヒートシンク底部の面積はCPUソケットとほぼ同じになっており、CPUソケット周辺のコンデンサなどとの物理的な干渉が起こりにくくなっている。「Firebird R7」はその特殊な形状のために装着できないマザーボードがいくつかあったが、「Firebird R5」ではそうした心配は皆無というわけだ。
また「Firebird R7」には信越化学工業製のグリス「G-765」が付属していたが、このグリスは熱伝導効率が高い半面、均等に塗布するには多少の技術が必要という“敷居の高さ”も持ち合わせていた。それに対して「Firebird R5」に付属する同じく信越化学工業製の「G-747」は、熱伝導効率は「G-765」よりも劣るが、粘度が低く初心者でも塗りやすいという特徴を持っており、この点も「Firebird R5」のメリットと言えるだろう。
「Firebird R5」の固定用クリップは「Firebird R7」と共用で、標準ではSocket A用の「Iron Claw-A」が付属しているが、既に発売されているSocket 370用の「Iron Claw-370」を別途購入することでFC-PGAタイプのPentium IIIやCeleronにも最適な条件で利用できる。しかし「Iron Claw-370」は以前から品薄の状態が続いており、入手が難しい状況にあるのが残念なところだ。さらに、「Iron Claw-370」はFC-PGA2のPentium IIIには対応していないとのことなので要注意。どうしても入手したいという人は、カノープスのダイレクトショップを利用するというのも手だろう。ちなみにSocket 423用の「Iron Claw-423」は「Firebird R7」専用で、「Firebird R5」では利用できない。
冷却性能や付属のグリスのグレードなどからすると、たしかに「究極のCPUクーラー」ではないが、「Firebird R7」の静音性や「Iron Claw」を継承するなど、性能と価格のバランスの取れた、コストパフォーマンスに優れる製品であることは間違いないと言えるだろう。特に「Firebird R7」では形状問題から取り付けのできなかったPCなどに、その代わりとしてつけるにはうってつけだ。
□Firebird R5(カノープス)
http://www.canopus.co.jp/catalog/firebird/firebird-r5_index.htm
【2001/4/7】カノープスが独自構造のCPUクーラー「Firebird R7」を発売
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20010407/firebird.html
(カノープス Firbirdシリーズ) |
[撮影協力:高速電脳とコムサテライト1号店]
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