ファンレスのEden規格含むCPUオンボードMini-ITXマザーが登場
ファンレスはESP 5000搭載モデルで、C3 800A MHz搭載モデルはファン付き
【パッケージ】 | 【超小型マザー発売】 |
【ファンレス仕様】 | 【ヒートシンク】 |
【I/Oパネル】 | 【ヒートシンクの高さ】 |
【EPIA-C800】 | 【EPIA-C800】 |
いよいよファンレスPCを実現するための製品がアキバに出回り始めた。先日から一部ショップでサンプル展示が行われていたVIAのEden規格に準拠したMini-ITXマザーボードが発売になったもので、C3をベースにした低消費電力CPUのESP 5000を搭載している。
もちろん、仕様どおりCPUにはヒートシンクがとりつけられているのみで、冷却ファンはついていない。
実売価格はESP 5000搭載のファンレスMini-ITXマザーボード「EPIA-E533」が14,800円~16,280円。このほか、冷却ファン付きのC3 800A MHzを搭載したMini-ITXマザーボード「EPIA-C800」も16,800円~18,580で同時発売になっている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
●低消費電力のESP 5000でファンレス実現
Edenはボード本体の小型さと省電力設計をウリとする組み込み機器向けプラットフォームで、EBGAパッケージのESPシリーズ(ESP 4000/5000/6000)のCPUがボード上にあらかじめ搭載されているのが大きな特徴。Edenプラットフォームは、チップセットにApollo PLE133、CPUにESP 4000をそれぞれ搭載した最下位バージョン「Eden VE1400」から、ProSavage PN133T/ESP 6000をそれぞれ搭載した最上位バージョン「Eden VE2600」まで全6種類が用意されており、今回登場した「EPIA-E533」は、「Eden VE1400」よりひとつ上のグレードに位置する「Eden VE1500」(Apollo PLE133/ESP 5000搭載)プラットフォームを採用したマザーボードだ。
ESPシリーズの動作クロックは明らかにされていないものの、今回登場した製品の名称が「EPIA-E533」となっていることなどから、ESP 5000は533MHz動作であると推測される(過去に単体でサンプル展示されたESP 5000にも533MHzであることが読み取れるマーキングがあった)。そのほかのESPシリーズの仕様は、製造プロセスルールが0.13μm/0.15μm、内蔵キャッシュが192KB(L1/L2合計)などで、CPU拡張命令のMMXと3DNow!をサポートする点も含めてC3シリーズと同様となっており、アーキテクチャ的には別段新しいものというわけではない。
しかし、Edenのホワイトペーパーを見ると「Eden VE1400」(ESP 4000)の動作電圧は1.05V~1.2VとC3(Ezraコア)の1.35Vより引き下げられており、また1.05V時のTDP(Thermal Design Power)が3Wと非常に低く、低消費電力かつ低発熱仕様になっているのが分かる。実際に登場した「EPIA-E533」もCPU上にはヒートシンクを搭載するのみとなっており、前述のことがEdenでファンレスを実現できた最大の要因であることは間違いない。
●低消費電力のESP 5000でファンレス実現
さて、初のEden規格準拠マザーボードとなった「EPIA-E533」を見てみると、まずボードサイズは170mm×170mmと、Shuttle「FV24」などのFlexATX仕様マザーボードとほぼ同様となっている。EdenのフォームファクタはVIA独自のMini-ITXだが、microATXとの互換性があるため、従来のmicroATX対応ミニタワーケースのほか最近単体でも発売されたキューブ系小型PCケースなどでも利用できる可能性がある。ただし「EPIA-E533」はCPU上のヒートシンクの背が高めなので、この点なども考慮しつつ慎重なケース選びが必要になりそうだ。
そのほか、VGA出力機能、TV出力機能、10Base-T/100Base-TX対応LANインターフェイス、サウンド入出力機能、USBインターフェイスなど、小型マザーボードとしては豊富な機能を備えており、実用性は高い。拡張スロットに関しては、SDR SDRAM対応DIMM×2、PCI×1を備えるのみだが、省スペース性を重視したこの製品に豊富な拡張性を求めるのは酷というものだ。なお、電源コネクタは一般的な20ピンATXコネクタを備えているので、電源ユニットに関する心配はないだろう。また、スペック上ユニークな点としてはUSB接続のFDDはもちろん、USB接続のHDDからのブートをサポートしている点、I/OパネルにTV出力用としてS-Videoとコンポジットの2つ搭載し、そのうちコンポジットはSPDIF用に切り替え可能、TV出力のアンダースキャン/オーバースキャンをBIOS画面で設定できるなどの点がある。
ヒートシンクにやや背があるという点には一応の注意が必要だが、小型PCケースでかつ静粛性に優れたマシンを自作したいという場合、現状ではこれ以上の選択肢はないと言っても過言ではないだろう。ケース用ファンや電源用ファンをどうするかといった問題はあるが、工夫を凝らせばこれで完全ファンレスPCをつくることも可能なはずだ。
同時発売となったC3 800A MHz/CPUクーラー搭載モデル「EPIA-C800」は、ボードサイズと機能面は「EPIA-E533」とほぼ同様で、かつパフォーマンス的には高いということもあり、ファンレスとEden規格準拠にこだわらないのであればこちらを選択するのもよいだろう。
□VIA EPIA Mini-ITX Mainboard(VIA Technologies)
http://www.viavpsd.com/products/epia_mini_itx_spec.jsp
□Eden(VIA Technologies)
http://www.via.com.tw/en/Products/eden.jsp
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(VIA EPIA-E533) | |
(VIA EPIA-C800) | |
[撮影協力:高速電脳とT-ZONE. PC DIY SHOPとソフマップ1号店 Chicago パソコン・デジタル館]
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