Linuxを搭載した最新型のザウルスがようやくデビュー、ただし品薄
OSにLinux、CPUにXScale(PXA210、200MHz)をそれぞれ採用し、フロントライト付きの3.5型反射型TFTカラー液晶(240×320ドット、65,536色)を搭載する「SL-A300」は、本体サイズが幅69.4mm×奥行き113mm×厚さ12.5mm、重量が120gと、筐体の徹底的な小型化/軽量化が図られているのも大きな特徴。操作キーは本体下部に方向キーと4つのボタンを備えるのみで、従来のMIシリーズにあったスライド式のキーボードはなくなった。また、本体メモリは64MB(SDRAM)で、メモリカード用にSDカードスロットを1つ備えている。
機能面の主な特徴として挙げられるのは、PCとのデータ連携を強力にサポートする「ザウルスショット」「ザウルスドライブ」を搭載する点。「ザウルスショット」はPCの画面に表示されている画像情報を、アプリケーションを問わず1つのボタン操作だけで取り込めるというもので、地図ソフトや路線情報ソフトなどの検索結果画面を「SL-A300」に素早く取り込んで外出先で参照する、といった活用が可能だ。
もうひとつの「ザウルスドライブ」は、PCから「SL-A300」を外部メモリのように利用できる機能。USB経由でPCと接続すれば、すぐにファイルをドラッグ&ドロップ操作で簡単にやり取りすることができるので、文書ソフトや表計算ソフトなどで作成したデータファイルを持ち出す際などに有効だろう。もちろん転送したデータファイルの「SL-A300」上での閲覧も可能になっている。
さらに、「SL-A300」上でのデータファイルの編集が行なえるのも注目のひとつで、テキストファイルのほか、Microsoft Excel 95/97/2000/2002形式(.xls)、Microsoft Word 97/2000/2002形式(.doc、.rtf)などをサポートしている。Excelのグラフや図形などが表示できないといった若干の制限はあるものの、データ携帯ツールとしてはかなり高度な機能を備えているといっても過言ではないだろう。また、アドレス帳やスケジュールなどのPIMデータはMIシリーズザウルスとの互換性が保たれているとしているので、従来機種のユーザーも安心して「SL-A300」への移行ができそうだ。
そして、OSにLinuxを採用することでオープンなアプリケーション開発環境を提供しているのも大きな特徴。海外では2001年11月から開発者向けにLinux搭載ザウルス「SL-5500D」を発売しており、すでに米国では3月の時点で約330本のアプリケーションが存在しているという。国内でもソフト開発者向けサイト「ザウルス宝箱Pro」で「SL-A300」に関する技術資料などの公開が積極的に行なわれており、今後は国産のアプリケーションも続々と登場してくるはずだ。もちろんプログラミングの腕に自身のある人は、自身でアプリケーションの作成を行なってみるのもよいだろう。
標準機能を使ってPDAとして活用するもよし、自身でアプリケーションを作成してさらなる機能充実をはかるもよし、はたまたユーザーによる既存アプリケーションを利用するもよしと、まさに「SL-A300」の使い方はユーザー次第といえる。
□ザウルス SL-A300(シャープ)
http://sl.ezaurus.com/
□ザウルス宝箱Pro SLシリーズ技術サポートページ
http://more.sbc.co.jp/sl_j/sl_top.asp
□関連記事
【2002年7月19日】発売延期になったLinux搭載Zaurusのデモ機がショップで稼動開始
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020719/etc.html#linuxz
(シャープ SL-A300) |
[撮影協力:ぷらっとホームとツクモDOS/Vパソコン館とソフマップ1号店 Chicago パソコン・デジタル館]
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