【 2009年7月11日号 】
インテル天野氏がSSDとLynnfieldを語る、34nm版SSDもまもなく?
 Intelが開催したイベント「Intel in Akiba 2009 Summer」(11日〜12日)では、11日(土)に「神様」こと同社の天野伸彦氏も登壇。

 34nm版の新モデルを含む同社の最新SSDや、今回多数の対応マザーボードが展示されたLynnfield、さらには同社のブランド戦略について説明した。

 イベント全体の模様については別記事を参照のこと。

  
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※(7/12更新)記事を追記
●前回は大目玉?
 でもやっぱり「天野節」健在

 その天野氏、セッションで登壇するなり、「愛七五三」発言が飛び出した4月のイベントの結果、“天野が事件を起こした!”と社内が大騒動になったことを話題に。

 その後いろいろあったものの、結局「お詫び行脚して、やっとまたイベントに出させて頂けるようになった」とか。

 ……ということで、今回のプレゼン素材はすべて同社広報による「事前チェック済み」に。

 もっとも、いつもの天野節はやっぱり健在で、「チェック済み資料」の隙間を縫い(?)、興味深い新情報がいくつも飛び出した。

□関連記事
【2009年4月11日】サーバイベントに神様&改造バカが乱入、Core i5/i3の話題出る
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20090411/etc_intelev0.html


●「後発製品には負けられネェ」SSDをアピール
 34nmフラッシュの新モデルもまもなく?

 まず解説されたのはSSD。

 「リード250MB/s」という高速性で知られる同社のSSDだが、単純なシーケンシャル速度だけでなく、ランダムリード/ライト性能やPCの使い方を考慮したウェアレベリングなど、さまざまな点で他社に対するアドバンテージがあることをアピール。

 OCZの人気製品 Vertex/SummitシリーズとIOPS(単位時間での入出力回数)を比較するグラフや「2009年4月現在でもベストな選択」というレビューを引用するかたちで、「後発製品には負けられネェ」とした。

 また、50nm版NANDフラッシュを採用した現行モデルに加え、34nm版NANDフラッシュを採用した新型SSDも「まもなく量産開始」と言及。このモデルの詳細については明らかにされなかったが、示された表には「form,fit and function compatible with 50nm」とあり、天野氏からは「アルミ風の外見になる」という説明があった。

 ちなみに同氏はSSDとHDDを便利に組み合わせる方法として、「SSDドライブの配下に大容量HDDをマウントし、ユーザープロファイルなどをHDDに置きつつ、OSからはSSDとHDDが1ドライブに見える」という方法を実践しているという。


●Lynnfieldはターボに期待大?
 LGA1366の新CPUも来年に?

 というわけでその後の「山場」(同氏)がLynnfieldの解説。

 Lynnfieldと従来のCore i7(Bloomfield)では、対応ソケット(LGA1366→LGA1156)とメモリチャネル数(3→2)が主に異なるほか、LynnfieldではHyper-Threadingの無いモデルがあることや、キャッシュ容量が異なるモデルがあること、TDPが130W→95Wと下がっていることなどが解説された。

 その後出てきたのが、「Lynnfieldでのインテル・ターボ・ブースト・テクノロジー」の話題。

 「未使用コア分のTDPを使い、特定コアを自動クロックアップする」というターボ・ブースト・テクノロジーそのものはCore i7でも存在するが、同氏は「Lynnfieldでの同技術は期待できる」と予想。Intelの公式資料では、Lynnfieldのターボ・ブースト時、5段のブロックが積み上げられた図が示されていることから、「何かを示唆しているのでは?」との発言があった。

 ちなみにCore i7は最大2段のアップ段数になっている。

 この後、「LGA1156の発売後もLGA1366は併売される」という説明があったが、その直後「2010年にX58マザーボードで使える32nm版CPUが量産される」と取れる図も紹介されている。

□関連記事
【2009年6月19日】Core i5が秒読みに入ったIntel CPUロードマップ
 (PC Watch/後藤弘茂のWeekly海外ニュース)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20090619_294653.html

●「i7」「i5」「i3」はグレード表示
 ソケット名とは連動せず

 また、今後重要な話になると見られるのが、「i7」「i5」「i3」といったファミリ名が対応ソケットを表すものではなく、パフォーマンスグレードを示すものになる、という点。

 例えば将来、「(LGA1156に対応する)LynnfieldコアのCore i7」が発売される、といった可能性があるとのこと。もちろん、そのCPUとX58マザーボードを組み合わせても動作しないという。

 ちなみに天野氏、最後の最後に「Lynnfieldの発表の時、“たぶん”お詫びすることがひとつあります」と謎の予告。「普通に使っている人はほぼ影響がない問題だが、今は詳細を話せない」と語っている。

 (※7/12追記)この件については翌日のセッション内で「どういう内容なんですか?」という質問が来場者からあり、それに答えるかたちで「CPUの問題ではない」と回答している。追って出た「チップセットの問題なんですか?」という質問に対しては「いい質問ですねぇ」と苦笑。

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【2009年7月11日】「Intel in AKIBA 2009」開催、LGA1156マザーが実動デモ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20090711/etc_intelev0.html

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※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。