任天堂が発売を予定している次世代ゲーム機「Wii U」のコントローラに似たデザインのゲーム向けAndroid端末。中国の金星JXDの製品で、液晶両脇には十字パッドなどを搭載。本体カラーはブラックとホワイトの2種類。 このモデルはAndroid 2.2や7インチのタッチパネルディスプレイを搭載したゲーム向け端末。 中央にディスプレイを、左右両側に方向ボタンなどを備えるというレイアウトは、任天堂が2012年発売予定の新型ゲーム機「Wii U」のコントローラを彷彿させる。 しかし、「これを活かすため」として用意されているのは、プリインストールのゲームエミュレータ。方向ボタンなどは基本的にエミュレータ用とされ、さらに加速度センサーによるゲームプレイも可能という。 (ゲームを含まない)エミュレータだけならケースバイケースで合法な場合も考えられるが、この製品で問題なのがエミュレータ用ランチャーソフトがプリインストール、ホーム画面として設定されていること。 ホーム画面の「Game Center」項に移動すると、マリオやボンバーマン、ストリートファイターIIといった、市販ゲームのアイコンがずらりと登場。さらにそのアイコンを押すと、なんと「ゲームファイルをダウンロードしますか?」というダイアログが表示される。実際にダウンロードできるかどうかは確認していないが、表示されているアイコンまで考えると、既に著作権侵害している状態で、非常に問題のある製品と言える。なお、正式な許諾を得ている可能性もゼロではないが、パッケージなどには、そうしたライセンス表記は見当たらない。 これについてショップでは、「見た目に惹かれて仕入れてみたが、このように動作する専用ランチャーがプリインストールされているのは想定外で、困惑している」と説明。ランチャーについては「できれば消したいが、消す方法が分からなかった」として、結局、現状のまま販売することにしたという。もちろんショップでは「この、エミュレータ関連はサポート外」としている。 同店の説明によると、中国ではエミュレータを前提にしたAndroid端末が多数発売されており、気を付けないとこのようなことが起きてしまうという。昨年末に販売された「PSP風ゲーム端末」もエミュレータがプリインストールされた状態で販売されていたが、どうやら、こうした端末は他にも多数存在するようだ。 スペック的には、CPUにARM Cortex-A9を、GPUにARM Mali-400をそれぞれ搭載。メモリ容量は512MB。ディスプレイの解像度は480×800ドットで、ショップによればタッチパネルは静電容量方式という。 主な搭載機能は、無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)、前面30万画素カメラ、背面200万画素カメラ、HDMI出力、USB 2.0。Webブラウザやメーラー、Flash Player 10.3、動画/音楽プレイヤーなどもプリインストールされている。Androidマーケットはインストールされていない。 エミュレータ以外のゲームとしては、Android用ゲーム「Angry Birds」らしき中国語版アプリ(同店によれば本物か偽物か分からないという)もプリインストールされており、このアプリでは方向ボタンは機能せず、タッチパネルのみで操作が可能だった。 このほか、左側の方向ボタンとアナログパッド、右側のSELECTボタンについてはゲーム以外でも動作し、Androidのホーム画面で上下左右の移動や決定といった操作を行なうことができた。 □関連記事 【2011年12月8日】PSPソックリのAndroid端末登場、ゲーム向け http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20111210/etc_yinlips.html 【2011年6月8日】任天堂、新型ゲーム機「Wii U」を2012年発売(GAME Watch) http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110608_451476.html
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