ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
懐かしの通信機器「パナソニック コミュニケーションモデム FS-CM1」
2023年5月8日 11:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は少し趣向を変え、当時の周辺機器を取り上げる番外編として、この連載記事を読んでいる人なら一度はお世話になったことがあると思われる通信機器を取り上げていきます(計4回)。
パナソニック コミュニケーションモデム FS-CM1
1986年から開始された、MSXパソコン専用のビジュアル通信ネットワーク「THE LINKS(リンクス)」へ接続するためには、1200bpsで半二重にしなければなりませんでした。それに対応した通信モデムカートリッジとして先にFS-CM820が登場していましたが、リンクス側のモデムが全二重の1200bpsも使用できるようになったことで、それに合わせてニューモデルとしてリリースされたのが、このFS-CM1です。
モデム機能としては、全二重300/1200bpsでの通信ができるほか、12×12ドットの専用JIS第1水準漢字ROMを搭載していました。MSX JEにも対応していて、SHIFT+SELECTキーで日本語フロントプロセッサが起動するようになっています。
内蔵された通信ソフトには、一般BBSへアクセスするモードのほかにリンクスへアクセスするモード、さらにはワープロで作成した文書からLFコードを削除して通信用文書へ変換したり、その逆を行う文書変換モードも備えていました。もちろん、BASICモードも用意されています。BASICに入ってから「CALL TELCOM(または_TELCOM)」と入力すれば、モデムの設定を行うことも可能でした。
これだけの充実した機能を備えた本機は、1988年2月1日に価格32,800円で発売されています。現在でもそれなりの数を見ますので、当時は思った以上に出荷されたようです。