ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
懐かしの通信機器「アイワ インテリジェントモデム PV-A1200」
2023年5月9日 09:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は少し趣向を変え、当時の周辺機器を取り上げる番外編として、この連載記事を読んでいる人なら一度はお世話になったことがあると思われる通信機器を取り上げていきます(計4回)。
アイワ インテリジェントモデム PV-A1200
パソコン通信時代がやってくると、「モデムと言えば××だよね」というメーカーが誕生します。個人的にはAIWAやomron、SUNTACなどが該当するのですが、そのうちの1社であるAIWA(アイワ)から1986年11月に登場したのが、PV-A1200です。ちなみに、今のアイワは小文字の英語「aiwa」ですが、この時期のアイワは大文字「AIWA」でした。
通信速度は300/1200bpsの全二重発着信型に、そして通信方式はCCITT(V.21、V.22)とBELL(103、212A)の両形式に対応しています。またパソコンで通信を行うには、相手のホスト局へ電話をかけるのであれば「ATDT 03XXXXXXXX」という感じで、いわゆるATコマンドというものを使用するのですが、PV-A1200はこの当時に標準と言われた米ヘイズ社のATコマンドを搭載していました。
自動発着信型のNCUを内蔵していたのも便利な部分で、ソフト側から命令すれば自動的にホスト局へ電話をかけてくれます。もちろん、かかってきた電話を自動で受け取る機能ももっていましたので、ホスト局での使用も可能でした。
それまでのモデムはACアダプタを使っていたものも多かったのですが、PV-A1200は電源を内蔵したことですっきりしています。
正面には、電源ランプのほか各種状態を表す9つのLEDが装備されていて、通信に伴い点滅する様が中二心をくすぐったものです(笑)。機能的には、ビジー音やリンクバック音、ダイヤルトーンなどを検出してディスプレイに表示する、コールプログレストーン検出機能と呼ばれていました。またモニタスピーカも内蔵していたので、データ音を常に確認することができました。
この時期はまだモデムの速度も1200bps程度でしたが、以後2400bpsにアップするだけでなく、エラー検出・訂正・データ圧縮用プロトコルであるMNP規格も取り入れられていき、同社だけでなくその他メーカーのモデムと共に速度競争への道を進んでいくことになります。