ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

ラップトップの中堅クラスとして登場したNEC「PC-9801LX2」

外見は、PC-9801LS2やPC-9801LV22といった機種とあまりかわりません。手前にある2つのスライドスイッチを左右にすぼめると爪が外れてモニタがガバリと奥に開き、写真の状態になります。持ち運ぶときのキャリングハンドルは、パームレストとしても機能しました。

 想い出に残る懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は、1989年5月に発売されたNECの中堅どころラップトップパソコンとなる、PC-9801LX2を取り上げます。

本体部分を真上から撮影しました。右上に、増設用のメモリスロットがあるのがわかります。キャリングハンドルは、写真のように引き出しておくとパームレストの代わりとなりました。

 PC-9801シリーズのバリエーションは多々ありますが、メインだったデスクトップ型は机上スペースを取るということもあってか、1980年代後半には性能がデスクトップとあまり変わらず省スペースとなるラップトップ型への需要が出てきます。モノクロ8階調が表示可能なモニタを搭載した本体と一体型のラップトップ型は、作業終了時にフタを閉じて電源コードを抜けばチョットしたスキマにも収めることが出来るため、使わないときには机のスペースを広く確保できるというメリットもありました。

 そんなラップトップシリーズとして1988年に誕生したPC-9801LV21は、同じ年にPC-9801LS2、翌年にはPC-9801LV22とラインアップを重ねていきます。そして1989年5月に登場したのが、今回紹介するPC-9801LX2/LX4/LX5でした。ここで取り上げたのは、最もベーシックなモデルのPC-9801LX2となります。

 PC-9801LXシリーズはPC-9801LVシリーズの上位機種にあたり、種類としてはフロッピードライブ2基内蔵のPC-9801LX2、それに加えて20MBのHDDを内蔵したPC-9801LX4、そして最上位機種の40MB HDDを内蔵したPC-9801LX5という3機種が用意されました。価格は、PC-9801LX2が448,000円、LX4が588,000円、LX5は638,000円となっています。

本体背面は左側からプリンタポート、RS-232Cコネクタ、アナログRGB端子、拡張バスコネクタとなっています。

 この時期は、型番に4が付くと20MB、5では40MBのハードディスクがそれぞれ内蔵されるという命名規則でした。PC-9801LXシリーズと同タイミングでリリースされたPC-9801EXシリーズはEX2とEX4、PC-9801ESシリーズはES2とES5というラインアップで、この時点では型番に4と5の付くシリーズが同時に用意されたのは、PC-9801LXシリーズのみでした。

 本体サイズですが、PC-9801LSシリーズと同一筐体を使用しているため幅339mm×奥行き380mm×高さ103mmとなっています。PC-9801LV22と比べると、奥行きで65mm、高さでは5mmほど大きくなりました。重量は、HDDを内蔵していないLX2で7.6kg、HDDを内蔵したLX4とLX5では8.3kgと、LV22より約1kgから2kg弱ほど重くなりました。8kgというのはなかなかヘビー級の重さで、読者の方々への分かりやすい説明としては初代X68000とほぼ同じ、またはFM-7を2台抱えると約9kgで、それより約1kg軽いだけとなります。

本体右側面は左からリセットボタン、別売テンキー接続コネクタ、クロック切換スイッチ、FDD2基、マウスコネクタとなり、左側面にはDC電源コネクタ、アース、電源スイッチ、AC電源、内蔵HDD用ディップスイッチ(LX2は何もなし)、ボリュームつまみ、明るさ調整つまみ、コントラスト調整つまみ、3連ディップスイッチ、ロータリースイッチと並んでいます。

 CPUスペックとしては、メモリアクセスが0ウェイトとなる80286(クロック周波数12/10MHz)とV30(8MHz)を搭載して、ディップスイッチでCPUを切り換えて使用できました。オプションで、数値演算コプロセッサの80287を載せることも可能です。

 ディスプレイには、640×400ドットのバックライト付き白黒液晶を採用。カラー対応アプリケーションソフトが利用できるのはもちろん、背面のアナログRGB接続端子にカラーディスプレイを接続すれば、通常のデスクトップマシンと同じように4096色中16色の表示も行えました。

使われていた広告は、同時に発表されたPC-9801EXシリーズ、PC-9801ESシリーズと共通のバージョンです。単独での広告は制作されていなかった模様でした。

 搭載しているメインメモリは標準で640KBですが、キーボードの右上部にある専用メモリスロットに増設メモリを挿し込むことで最大3.6MBまで拡張することができます。メモリはEMSに対応しているので、MS-DOSのVer3.3以上またはこの時期に登場していた日本語MS-Windows Ver2.1では、640KBを超えるメモリの取り扱いが可能でした。

 別売りではありましたが、本体背面にオプションのI/O拡張ユニットPC-9801LV-08を接続すると、PC-9801シリーズ用の拡張ボードを3枚まで挿すことができます。これを使えば大幅に機能を拡張することができるだけでなく、本体と一体になる専用拡張アダプタPC-9801LS-07を用いることで、ラップトップ機専用ボードを使用することもできました。PC-9801LV-08は価格9万8,000円ということで、個人がポンと出すには少々厳しい価格でしたが、購入の大部分を占めたのは法人だと思われるので、このお値段でも問題無かったのかもしれません。

1989年5月時点でのショップ広告ですが、かなり大幅に値引きされているのがわかります。ショップによって値引率が違うので、実際に注文するときは一番安いところを必死になって探した、という経験を持っている人も多いはず。

 この時期のPC-9801市場ですが、当時の雑誌広告を見る限りでは大幅な値引きで売られていたようです。参考にしたショップでは、40MBのHDDを搭載したPC-9801RA5(PC-9801LX2の10ヶ月前に発売)が、定価736,000円のところを548,000円と約20万円、同じラップトップで5ヶ月前に登場したPC-9801LS2でも定価628,000円のところを458,000円と約17万円、それぞれ安く販売されていました。実際、この時期にPC-98シリーズを購入したという人は、定価よりかなり安く買ったという経験を持っている方々が多いかもしれません。かくいう筆者も、この後にリリースされるPC-9801RA21を約35万円で新品通販購入した記憶があります。それでも、今のPCから比べると高すぎるという思いは残りますが(笑)。

 この後、ラップトップ機はカラー化への道を歩むことになりますが、それらの機種はまた次の機会に紹介したいと思います。