パワレポ連動企画

PCI Expressの世代が古くてもビデオカードのパフォーマンスは出る

【パワレポ連動:チョイ古 自作PC再生計画(11)】

DOS/V POWER REPORT 2016年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年7月号」の第1特集「あなたのPCが生まれ変わる!3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! チョイ古 自作PC再生計画」を掲載する。

 第11回目ではPCI Expressの世代の違いでビデオカードのパフォーマンスに影響が出るかどうかについて検証する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年7月号は全国書店、ネット通販にて5月28日(土)に発売。第2特集はコストパフォーマンスに優れる大容量ディスクを用途別に解説する「容量単価×用途別が正解です 最新HDD購入案内」を掲載。そのほか、あなたのPCのメインメモリ、有効活用しませんか?「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! Windows 10時代のRAMディスク活用術」、持ち運びに便利な大容量で高速なフラッシュメモリ「ベンチで性能が丸分かり! 一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ」、スペースが許せば考えたい「ウルトラワイドもオーバー30型も PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、自作PCの組み立てやメンテナンスに関わる「?」を解決!「39のギモンにベストアンサー! PC自作Q&A事典2016」だ。


-チョイ古 自作PC再生計画-
ビデオカード編 その3 PCI Expressの世代はビデオカードに影響する?


一点豪華主義でも効果は絶大!!
ビデオカード編

 ビデオカードのアップグレードは、とくにゲームにおいて絶大な効果を得られる。

 そして以前に比べるとかなり容易に行なうことができるので、ゲーマーならやらない手はない。

PCI Expressの世代が古くてもパフォーマンスは出る

 ビデオカードはPCI Express x16スロットに装着するが、現行のビデオカードはx16スロットが「PCI Express 3.0」(Gen3)モードで動作しているときに最高のパフォーマンスを発揮する。だが2012年以前(Ivy Bridgeより前)のPCでは帯域が約半分の2.0(Gen2)モードが限界だ。旧世代のPCに最新ビデオカードを装着するのは“もったいない”所業なのだろうか?

 スペック上は大きな開きがあるのだが、Gen3とGen2の差が実際のゲームにおよぼす影響は、一般的にはごくわずかだ。実際にベンチマークテストで比較してみても、その差は極めて小さく、違いを体感することは難しい。

 ただし、ビデオメモリが極端に不足するような重いゲームを動かす場合は、メモリ確保のためにPCI Expressバスが飽和しやすくなり、結果としてGen2モードでは大幅に遅くなることもある。しかしビデオカードが高スペックでビデオメモリが豊富ならGen3とGen2にほとんど違いは出ない。つまり安くてスペックの低いビデオカードほど高負荷環境ではGen2が不利に働く。

 とはいえ、Gen2である悪影響が出るような状況になれば、先にGPUのスペック不足や、そもそものPC全体の力不足を感じるはず。PCI Expressの世代だけに注目して神経質になる必要はない。

3DMark v1.5.915
ライズ・オブ・トゥームレイダー
複数のPCI Express x16形状スロット
マザーボードによっては、複数のPCI Expressx16形状のスロットを搭載するものもあるが、一般的にビデオカードを1枚だけ使用する場合は、CPUに近い側のスロットに挿す
CPU、マザー両方の対応が必要
初代Core iシリーズ登場以降、CPUにPCI Expressインターフェースが内蔵されているので、動作モードの対応はCPUによって決まってくる
UEFIでPCI Expressの世代を強制指定
UEFI上でPCI Express x16スロットの動作モードを落とせる。今回のテストはこの機能を使用して実施した

【最新ゲームプレイ時に感じるPCI Express 2.0世代のPCだと物足りないポイント】

 Gen2モードでもビデオカードの性能発揮には微々たる影響しかないが、そもそも古いCPUやマザーの性能、機能がゲームの快適さを妨げることもある。最近はリアルな映像表現のためにCPUも強烈に使用する傾向にあるし、ストレージが遅ければ読み出し待ち時間も長くなる。

 とくにVR系ではCPUパワーがないと表示の遅延が起こり、VR酔いが発生しやすくなる。万全を期すならプラットフォーム全体のパワーアップを目指したい。

ゲームプレイに効いてくるアップグレードポイント

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
SSD:Micron Crucial MX200 CT1000MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、1TB)
電源:Corsair RM650(650W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit 版
アイドル時:OS起動10分後の値
3DMark v1.5.915のFire Strikeデモ実行中の同一シーンでの最大値
ライズ・オブ・トゥームレイダー:内蔵ベンチマーク機能でフレームレートを計測


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年7月号は5月28日(土)発売】

★第1特集「あなたのPCが生まれ変わる! 3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! 『チョイ古自作PC再生計画』」
★第2特集「容量単価×用途別が正解です 『最新HDD購入案内』」
★特別企画「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! 『Windows 10時代のRAMディスク活用術』」「ベンチで性能が丸分かり! 『一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ』」「ウルトラワイドもオーバー30型も 『PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ』」
★連載「最新自作計画 ~最新ケースで作るパワフル小型マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「39のギモンにベストアンサー! 『PC自作Q&A辞典2016』」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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