ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

16ビットマシンのパワーを見せつけてくれたシューティング『ギガンテス』

紙パッケージの表面には、自機であるゾークルのイラストが描かれています。対応機種が最上部に書かれていますが、PC-9801/E/F版は5インチ2D、PC-9801M2/3対応版は2HDのディスクで、それぞれ発売されていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、ゲームセンターで大人気を博したナムコ(当時)の作品『ゼビウス』と同じシステムを採用した、1985年にPC-9801シリーズ向けとして発売された縦スクロールシューティングゲーム『ギガンテス』を取り上げます。

タイニー版が掲載された号では“近日発売”となっていましたが、翌月号では無事に発売に変わっていました。コンパックの広告で取り扱っていた本数が多かったからか、『ギガンテス』のスペースはそれほど大きくはありません。

 アーケードゲーム『ゼビウス』がデビューしたとき、数多くのパソコンユーザーが「これが自宅のパソコンで遊べたら、どんなに素晴らしいことだろう……」と考えたことだと思います。その夢は後に実現するわけですが、それと同時に『ゼビウス』のシステムや見た目を取り入れたパソコンゲームも数多く登場しました。中でも有名なのは、1983年にPC-8801シリーズをはじめとした各機種にリリースされたエニックス(当時)の『アルフォス』ではないでしょうか。

 しかし、1985年4月下旬から5月上旬にかけてコンパックブランドから5,800円で発売された『ギガンテス』も、『ゼビウス』ライクなゲームの中ではトップクラスの出来となっています。約120KBにも及ぶプログラムで16ビットマシンパワーを活かした本作は、滑らかなスクロールと特徴ある攻撃方法、明確な意思を持って襲ってくる敵など、非常に高い完成度を誇っていました。

 発売より若干早いタイミングで、タイニー版『ギガンテス』が工学社の月刊誌『I/O』1985年5月号に掲載されていましたが、そちらのプログラムサイズも約50KBほど。各ページにミッチリとマシン語のダンプリストが掲載されていたのを見て、あまりの量に目を回しそうになった人もいたかもしれません。そんな『ギガンテス』には、シューティングゲームではあるもののしっかりとしたストーリーが設定されています。

付属のマニュアルには、登場する敵キャラが載っていました。ただし、隠れキャラやギガンテスは掲載されていなくて、“プレイヤー自身の目で確かめてください”パターンとなっています。

 産業用ロボットとして初めて実用化された人工知能型ロボットは恐るべきスピードで拡がり、登場から8年でヒューマノイド型の誕生に至った。しかし、それらは平和利用だけでなく兵器として再開発されて戦場へも投入されることに。それと並んで自己増殖をテーマにした研究も進められ、南洋のギガント島にLAIA(人工知能兵器研究所)が設立された。

 同時期、先進諸国は人工知能兵器の開発を急ピッチで進行。核兵器を削減し、人工知能兵器同士が戦う戦争を実現させるべく、LAIAはそれら研究開発の中心的存在となった。ところが、突如としてLAIAでのプロジェクト中止が決定し、ギガント島からの撤退と1年間の上陸禁止令が出される。

 そして1年後、LAIA自らを縛っていた禁止令が時効になり、LAIAの幹部チームと連合国の首脳部はギガント島へと向かった……が、帰ってきたものは誰一人いなかった。直後に開かれた緊急会議にて、1台の偵察衛星がはるか上空から撮影した島の写真が公開される。そこには、かつての島では想像もしなかった強力な兵器の姿が。ここへ来て会議に招集されたメンバーは、ギガント島全エリア制圧を目指し新兵器である高機動メカ・ゾークルの投入を決定する。

ゲームスタート時には一人または二人プレイのどちらかをショットで撃つと、そのプレイ人数となります。その後は難易度を3段階から選択しますが、レベルが高いほどダメージの減りが遅いため、結果的に高難易度となります。続いてプレイしたいエリアを選べば、いよいよ戦闘開始に。

 プレイヤーは自機であるゾークルをテンキーの2、4、6、8で操作し、全30エリア制圧のため突き進んでいきます。ゾークルにはEキーで前方に3連射できる対空機銃(対空ミサイル)と、Wキーで発射できる対地・対要塞爆撃砲(対地ミサイル)が搭載。更に、スペースキーでいわゆるボムに当たる衝撃波魚雷(一部敵には無効)、Qキーを押している間は瞬時にして高次空間に移動して標準空間の敵を回避できる高次空間航行装置も装備していました。

 自機ゾークルは、被弾したり敵と衝突しても即ミスにはならずダメージが蓄積されていくのですが、時間経過と共に自己修復機能によって少しずつ減少していきます。しかし、連続被弾などでダメージがMAXを超えてしまうと、自己崩壊を起こしてミスに。衝撃波魚雷と高次空間航行も、使用するごとに自機へダメージを与えるため、計画的な使い方が求められました。

地上物や空中の敵共に、それほど多くの弾を撃ってくるわけではありません。しかし、一発一発が正確に自機を狙ってくるため、常に動き回っていないとあっという間にダメージが蓄積して自機崩壊の憂き目に。

 プレイ開始時には難易度を“FOR BEGINNERS”のレベル1、“NORMAL MODE”のレベル2、そして“FOR EXPERTS”のレベル3の3つから選べるほか、一人プレイまたは二人での交互プレイを選択できます。難易度はレベルが低いほどダメージの自己修復スピードが速く、レベルが高くなるほど遅くなるので、腕前に合わせてチョイスしましょう。また、一度制圧したエリアは自動的にフロッピーディスクに記録されて、次回以降のプレイでは踏破した好きなエリアからのプレイが可能となりました。

地上の何も無い部分で、照準計が反応することがあります。そこへ対地ミサイルを撃ち込むと、謎の建造物が地面から出現! いわゆる『ゼビウス』のソルのように、何も無いように見えてレーダーが反応する場所があるので、そこを攻撃すると現れます。出現後、更に対地ミサイルを撃つと……!?

 プレイを進めていくと、マニュアルにも書かれている自機の数倍はあろうかと思われる大型空中戦闘マシンなども登場します。それらを破壊した先に現れるのは、超ド級戦闘マシン・ギガンテス。激戦の末に勝利を収められるのか、それとも辛酸をなめるのか……。

 発売時期と当時のPC-98シリーズを考えると、BGMが無いのが惜しまれます。しかし、スムーズなスクロールやまったくちらつかない敵、ランダムではなく正確に自機を狙ってくる敵弾などが非常に良く出来ていて、この時期の縦スクロールシューティングゲームとしては申し分の無い完成度となっていました。

各エリアには、さまざまな敵が出現します。中でも、大型空中戦闘マシンのヘルバとゾアは、対地ミサイルで破壊できるアルゴスとミサイル・サイトを破壊しない限り攻撃を止めないため、かなり危険です。

 製品版の数としてはあまり出回っていないようで、現在見かけることはほとんどありません。プレイするだけならば当該の『I/O』誌を入手してダンプリストを入力すればOKですが、肝心のギガンテスが登場しないなど仕様の違いもありますので、ぜひ製品版で遊んでほしいところです。

 なお、本作のターゲットはPC-9801の8086やV30の5/8MHz搭載機種ですが、筆者が試したところPC-9801RA21でもディップスイッチ3-8をオフにしてV30を使用することで、問題無く遊ぶことが出来ました。一部で書かれている“画面にゴミが表示される”といったこともなかったので、今から『ギガンテス』をプレイするならばPC-9801VMやVXでも問題なさそうです。

本作のタイトルにもなっている敵ギガンテスは、ミサイルを発射するアルゴス2基に加えて5基のミサイル・サイトを装備しています。敵弾が飛び交う猛攻の中、アルゴスを対地ミサイルで破壊することができればギガンテスは機能停止に。

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