パワレポ連動企画

GeForce GTX 1080の性能を引き出せる最適なCPUを考える

【パワレポ連動:真夏のCPU完全ガイド(10)】

DOS/V POWER REPORT 2016年9月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年9月号」の総力特集「CPU×90! メモリ×50!! CPUクーラー×100!!! マザー×200!!!! 関連パーツもフルコンプでお届け すべて見せます! 真夏のCPU完全ガイド」を掲載する。

 第10回目では、現時点で最高クラスのビデオカード「GeForce GTX 1080」の性能を引き出せる最適なCPUを考えてみる。重量級のゲームや今後登場するVR環境も含めた上で、バランス良い組み合わせについて検証する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年9月号は全国書店、ネット通販にて7月29日(金)に発売。特別企画はフルHDで遊ぶならこのクラス「ミドルレンジ戦線激化!Radeon RX 480&GeForce GTX 1060登場!!」、ただ風を送るだけじゃ無い!ドレスアップパーツとしても使える「サイズも形も色もいろいろ ケースファン・オールスターズ」、手の平におさまるハイレゾプレイヤーを作ろう「1万円チョイでこの高音質!Raspberry Piで作るハイレゾオーディオプレイヤー」を掲載。。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、「ケースに入るCPUクーラーの高さがすぐ分かる組み立て式チェッカー」。電子版の場合はデータをダウンロードしてプリンタで印刷しご利用ください。


-真夏のCPU完全ガイド-
GTX 1080の実力を引き出せるCPUを探せ!


シーン別・最適CPUを探せ!!その1
ゲームに向いたCPUはどれだ!? ハイエンドGPU

 ゲームの快適さはGPUの性能で大部分が決まるが、CPUの重要性も忘れてはならない。

 とくに最近はリアルさを出すためにCPUを酷使するゲームが増えてきた。重いゲームと中程度のゲームに最適なCPUを考えてみることにしよう。

GTX 1080の実力を引き出せるCPUは?

 ゲーミングPCを組む場合はCPUよりもビデオカードへの投資が重要。描画負荷の低いゲームを低解像度&低画質で遊ぶなら内蔵GPUでも十分だが、ここで考えるのは「ディビジョン」や「ライズ・オブ・トゥームレイダー」といった描き込みが緻密で負荷の高いゲームを超高画質で遊ぶためのPC。あるいは重量級のVRゲームを迎え撃つPCだ。

 そこで現在最速のビデオカード、GeForceGTX 1080と組み合わせるCPUを考えてみたい。現在のゲームやマルチスレッド化が進んでいる上に、ゲーム側は物体の挙動や環境の表現(風や雪など)をCPUで処理するものも多い。そこで「超々ハイエンド」、「定番ハイエンド」、「お手頃モデルの高クロックモデル」の代表例として、3種類のCPUをチョイス。CPUの差が最新重量級ゲームではどの程度の違いをもたらすのか検証しよう。

ASUSTeK Computer GTX1080-8G
実売価格:100,000円前後
 Pascalアーキテクチャを採用した現時点でのシングル最速GPUは「GeForce GTX 1080」。4KはもちろんだがフルHDでゲームを超高リフレッシュレートで遊びたい人やVRグラス用の究極ソリューションを探している人には最高の一品
組み合わせるCPU

重量級ゲームを高画質でテストする

ディビジョン
(c) 2016 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Tom Clancy’s, The Division logo, the Soldier Icon, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.

 重量級ゲームにおけるCPUの役割を見るために「ディビジョン」および「ライズ・オブ・トゥームレイダー」のCPU占有率とフレームレートの差異を比較する。

 どちらも今回のテストシーンでは論理コア数が多くなるほどに各コアの占有率が低くなるが、Core i5ではほぼ100%で稼働する。そのため、バックグラウンドタスクの負荷が急激に上がっても、Core i5よりi7のほうがゲームに影響しにくい。フレームレートを比較すると、重量級ゲームではCPUの余力が大事ということがよく分かる。どちらのゲームも平均fpsにはあまり影響しないが、最低fpsは大きく変わる。「ディビジョン」だと、コア数の少ないCore i5は60fpsキープが難しい。「ライズ・オブ・トゥームレイダー」の場合、Core i7-6950X EEだと最低fpsがあまり落ちない。

 なお、今回は誌面の都合で省略したが、どちらのゲームも4K解像度+最高画質設定ではフレームレートの違いがほぼ出ない。描画負荷が高過ぎてGTX 1080をもってしてもGPUがボトルネックになるためだ。

■ディビジョン(ウルトラ画質設定、フルHD)

Core i7-6950X Extreme Edition
Core i7-6700K
Core i5-6600K

■ライズ・オブ・トゥームレイダー( 最高画質設定、DirectX 12、地熱谷、フルHD)

Core i7-6950X Extreme Edition
Core i7-6700K
Core i5-6600K

HTC「Vive」でVRゲームの実力を見る

Project CARS
World Of Mass Development, Slightly Mad Studios, Project CARS, the WMD logo, the SMS logo, and the Project CARS logo are trademarks or registered trademarks of Slightly Mad Studios Limited in the United Kingdom and/or other countries. c 2014 Slightly Mad Studios. The names, designs, and logos of all products are the property of their respective owners and used by permission.

 HTC「Vive」に代表されるVRグラスもCPU性能が重要だ。Viveの場合VR用の映像を合成するプロセスが常時CPUを10%程度占有する。ゲームの処理も同時に発生するため、CPUへの負担はさらに増大する。

 そこで今回は非常に重いVR対応ゲームである「Project CARS」を使い、CPUが各フレームを“何ミリ秒”で処理できたかチェックする。Viveで違和感のないVR映像を得るためにはCPUもGPUも1フレームあたり最大11ミリ秒で処理を終える必要がある。

 各CPUの処理時間を比較すると、Core i5は、描画の重い前半では、11ミリ秒以上かかるフレームが大半だ。Core i7-6700KはHyper-Threadingが有効に働かないシーンがあるようで、11ミリ秒以上になるフレームはCore i5より多い。そして最多コア数を誇るCore i7-6950X EEならほぼ10ミリ秒以内で終了。CPUのコア数はVRでも効くのだ。

各フレームの処理時間を可視化したもの。横軸がフレーム数(2,000)、縦軸がそのフレーム処理にかかった時間(ミリ秒)を示す。青~緑の領域が短いほどよいが、CPUのコア数が増えるほど短くなることが分かる。Core i5-6600Kの動作クロックは各コア3.6GHz前後、Core i7-6950X EEは3.5GHz前後なので動作クロックよりもコア数が重要なようだ

【結論:GTX 1080にオススメはコレ!】

GTX 1080のようなハイパワーGPUの性能をすべて出し切るには、Core i5では力不足。マルチスレッド性能もクロックも期待できるLGA1151版のハイエンドモデルが現状最高の選択肢だ

■Intel Core i7-6700K
 PCI Expressレーンが多く、マルチGPU構成でも帯域を確保できるCore i7-6950X EEはまさに最速GPUと組み合わせて使いたいCPUだが、約20万円と高価なのがネック。金に糸目を付けないならCore i7-6950X EEでよいが、現実的な路線としてのオススメはCore i7-6700Kだ。

 前回のコストパフォーマンス評価でも解説したとおり、ゲームを含め何をやらせても安定して速いというのは頼もしい。

【検証環境】

マザーボード:ASUSTeK X99-A II(Intel X99)、GIGA-BYTE GA-Z170X-UD5(rev. 1.0)(Intel Z170)
メモリ:センチュリーマイクロ CK16GX4-D4U2400(PC4-19200 DDR4 SDRAM 16GB×4)
SSD:Intel SSD 730 SSDSC2BP480G4R5(Serial ATA 3.0、MLC、480GB)
電源:Corsair RM550(550W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
ディビジョン:プリセットを“ウルトラ”に設定後、内蔵ベンチマークを起動し、ベンチマークシーケンス全体のフレームレートを「Fraps」で測定
ライズ・オブ・トゥームレイダー:プリセットの“最高”を選択後にアンチエイリアスを“FXAA”に設定し、内蔵ベンチマークモードを使いフレームレートを測定


【問い合わせ先】

ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/http://www.asus.com/jp/
Intel:0120-868686(インテル)/http://www.intel.co.jp/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年9月号は7月29日(金)発売】

★総力特集「CPU×90! メモリ×50!! CPUクーラー×100!!! マザー×200!!!! 関連パーツもフルコンプでお届け すべて見せます! 『真夏のCPU完全ガイド』」
★特別企画「ミドルレンジ戦線激化! 『Radeon RX 480&GeForce GTX 1060登場!!』」「サイズも形も色もいろいろ 『ケースファン・オールスターズ』」「1万円チョイでこの高音質! 『Raspberry Piで作るハイレゾオーディオプレイヤー』」
★連載「最新自作計画 ~最小級ATXケースで作るパワフルゲーミングPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「ケースに入るCPUクーラーの高さがすぐ分かる組み立て式チェッカー」(雑誌のみ別途付録、電子版は印刷用データをホームページでダウンロード可能)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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