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オススメクーラーはこれだ!Alder Lake時代の空冷クーラー選び ~ 14製品一挙紹介 ~【4/4】
DOS/V POWER REPORT 2022年春号の記事を丸ごと掲載!
2022年8月2日 08:05
総評
今回テストした製品から、冷却性能、静音性、実売価格、そして実際の使用感をもとにレコメンドを選出した。
ゴールドは過去の本誌特集でも高評価を得ていたDeepCoolのGamer Storm AS500が受賞。14cm径ファンを搭載し、静音性と冷却力のバランスがよく、価格もこなれていることから大人気の製品だ。
シルバーは14cm径ファンを2基搭載して空冷最強との呼び声も高いDeepCoolのGamer Storm ASSASSIN Ⅲと、相変わらずコスパが良好なサイズ KOTETSU MarkⅡ Rev.Bの受賞となった。
各製品それぞれ秀でている部分は違うが、どれも高い次元でバランスの取れた製品だ。以降の製品解説では各製品の冷却性能・静音性・取り付けやすさを5段階で評価しているのでそちらも参考にしてほしい。取り付けやすさに関しては、サイズやNoctua、DeepCoolがツールフリーで着脱が可能で初心者にオススメだ。
なお、LGA1700の対応状況については大半の製品が標準対応となっているが、今回受賞した製品含めDeepCool製品は現状対応リテンションが無償配布による対応(同梱版は近日発売予定)なので注意が必要だ。
DeepCool Industries Gamer Storm AS500実売価格:6,000円前後 冷える・静か・高コスパ 魅力満載の人気製品
48mm厚の薄型ヒートシンクに14cm径ファンを搭載するDeepCoolの人気モデル。
ヒートパイプの本数は5本。付属ファンは回転域が500~1,200rpmで、最大風量は70.81cfmという仕様。回転数を低く抑えながらも高い風量を実現。奥行きはファン込みで98mmとスリムで、メモリスロットと干渉しないのも人気の秘密。
トップカバーにはアドレサブルRGB LEDを搭載。高さが164mmと高いため、ケースのサイドパネルとの干渉にのみ注意。前号のPCパーツ100選に続いての受賞で、現状空冷CPUクーラーの決定版と呼んでも差し支えない製品だ。
DeepCool Industries Gamer Storm ASSASSIN Ⅲ実売価格:9,500円前後 空冷モデル最高峰の圧倒的冷却力
空冷最高峰の冷却性能から人気のツインタワー型サイドフロクーラー。
7本のヒートパイプを搭載する大型ヒートシンクに最大風量90.37cfmの14cm径ファンを2基組み合わせることで、最大でTDP 280Wをサポート。ファンが最大1,400rpm動作ということもあり静音性も高い。
LGA1700対応リテンションではウイークポイントだった樹脂製のバックプレートが金属製に変更となり、CPUとの密着度がより強くなった。マザーボードも反りにくくなっている。
サイズ KOTETSU MarkⅡRev.B実売価格:4,500円前後 LGA1700対応でファンがパワーアップ
サイズのロングセラー空冷クーラーの最新バージョン。ヒートシンクは旧モデルと同じものだが、ファンが強化されてリテンションキットがLGA1700対応となった。
付属ファンの「KAZE FLEX Ⅱ 120」は最大が1,200rpmから1,500rpmとなり、最大風量が51.17cfmから67.62cfmに向上。ケースやマザーボードとの干渉のしにくさも人気の秘密。
発売時の価格は5,000円超えで、旧モデルと比べ少々お高めだったが、現在は下がってきておりお値頃感が出てきた。
ID-COOLING SE-224-XTA実売価格:3,500円前後 虎徹 MarkⅡも真っ青の低価格モデル
虎徹MarkⅡ(旧版)に迫る冷却性能で3,000円台という安さのエントリーモデル。
虎徹 MarkⅡが新リビジョンで値上がりした分こちらの人気が上がっている。12cm角ファンを1基搭載するオーソドックスなサイドフロー型で、ヒートパイプの本数は4本。
高さも154mmと虎徹 MarkⅡを意識した作りを感じる。
Noctua NH-U12S redux実売価格:6,500円前後 手を出しやすい価格のNoctua入門クラス
12cm角ファンを1基搭載するNoctuaの廉価モデル。
ヒートパイプの本数は上位のNH-U12Sよりも1本少ない4本で、フィンとヒートパイプの接合にハンダが使用されていない。
他社のエントリークラスの製品と同等の性能しかないので、価格を考えると立ち位置が微妙な製品だ。
Thermaltake Technology TOUGHAIR 310実売価格:5,000円前後 高静圧ファンを搭載したサイドフロー型
Thermaltake自慢の高静圧ファン「TOUGHFAN 12」を備えるサイドフローモデル。
最大回転数は2,000rpmで風量は58.35cfmと普通だが、静圧は2.41mmH2Oと高い。
その半面、ダイレクトタッチ式のヒートシンクの性能が悪く冷却力はイマイチ。部品が組み込みにくく、取り付けにも少々難があった。
サイズ BIG SHURIKEN3 Rev.B実売価格:6,000円前後 小型PCに適した薄型トップフローモデル
サイズの小型トップフロークーラー。
全高67mmとコンパクトで薄型ケースへの組み込みに最適なサイズ感。このサイズながらヒートパイプが5本搭載されている。
付属ファンは薄型タイプだが新設計の「KAZE FLEX Ⅱ 120 SLIM」へとアップデートされている。
サイズ MUGEN5 Rev.C実売価格:7,500円前後 ミドルレンジの定番モデルもリニューアル
LGA1700に対応した新型リテンションが同梱された、定番大型クーラーの改良モデル。
KOTESTUと同じくヒートシンクは前モデルと共通で、ファンが最新の高回転モデル「KAZE FLEX Ⅱ」へとアップデートされた。
ヒートパイプはKOTESTUよりも2本多い6本となっている。
ZALMAN Tech CNPS10X PERFORMA BLACK実売価格:4,500円前後 漆黒の高風量モデル
漆黒の外観が印象的なZALMANの空冷CPUクーラー。
ファンサイズが13.5cmと特徴的で、風量が75.16cfmと高い。ベース部分はダイレクトタッチ式を採用。
リテンションはテンションがかかりにくい設計で密着度はイマイチ。組み立ても少しクセがある。
Thermalright Macho MAXX実売価格:10,000円前後 大型ヒートシンク搭載のロングセラーモデル
老舗空冷メーカーのロングセラークーラー「Macho」の最新モデル。
干渉を抑えた14cm径のラウンドファン「TL-D14」を1基搭載し、6本のヒートパイプを備える。
固定時に圧力が偏りやすいので、ドライバーを2本同時に使って取り付けたほうがクーラーとCPUの密着度がより高くなり、熱伝導がよくなる。
ARCTIC Freezer 34 eSports DUO実売価格:6,000円前後 12cm角ファンをヒートシンクの両側に搭載
2基の12cm角ファンを搭載するサイドフロー型CPUクーラー。
TDP 210W対応とされているが、バッファプレートを持たない、ダイレクトタッチ式のヒートパイプがCPUに触れる設計となっている。
そのため接地面積が不足しているのか高発熱なCPUを冷やし切れていない印象だ。取り付けも行ないにくい。
DeepCool Industries Gamer Storm AK620実売価格:7,000円前後 12cm角ファンをヒートシンクの両側に搭載
静音性に優れた12cm角ファン「FT120」を2基搭載。最大風量も68.99cfmと静音性重視のわりに高い。
ヒートパイプの本数は6本。ヒートシンクはフィンを高密度で配置しTDP 260Wをサポートする。
そこそこ大きめのツインタワー型だが、メモリとのスペースは43mm確保されている。
Noctua NH-U12A実売価格:13,000円前後 14cm級の性能を誇る12cmモデル
12cm角ファン搭載モデルながら14cm径クラスに肉薄する高性能が自慢のハイエンドモデル。
その秘密はベース部分とファンの性能。ヒートパイプの本数が7本と多く、ベースプレートの面積も大きい。
また付属ファンの「NF-A12x25 PWM」は最大回転数が2,000rpmで風量が大きい。
Noctua NH-D15実売価格:12,000円前後 Noctuaらしい美しい仕上げと高い冷却力が魅力
2014年の発売時から空冷最高峰の一角として君臨し続けるNoctuaの最上位モデル。6本のヒートパイプを備える高品質なツインタワー型ヒートシンクは仕上げが美しい。
付属ファンの「NF-A15 PWM」は風量と静音性に優れ、フレームの上下が短く干渉を抑える設計だ。
取り付けにくさと価格がネック。
鉄板CPUクーラー虎徹 MarkⅡは新リビジョンでどれくらい変わった?
2017年に発売され、そのコストパフォーマンスから長い間定番モデルとなっている「サイズ 虎徹 MarkⅡ」。
改良版のRev.Bと旧モデルとの違いを調べてみたところ、CPU温度は4℃低下しており、確実に冷却が強化されていることが分かった(テストの都合上、上記比較のベンチとCPUが異なる点に注意)。
ヒートシンクの基本設計のよさが感じられる。半面、動作音は44.7dBから51.8dBへとかなり上がっている。発熱の大きくないミドルレンジ以下のCPUを使うのであれば、静音性に優れた旧版もありか。
【TEXT: 清水貴裕、多賀ひろし】
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