パワレポ連動企画
【ミニPCファーストインプレッション】超コンパクトな最新ミニPCに注目!その1
DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!
2023年4月5日 11:05
ミニPCファーストインプレッション
超コンパクトな最新ミニPCに注目!
ASRock DeskMini B660/B/BB/BOX/JP 実売価格:30,000円前後
後ほど紹介するDeskMeetの小型版。TDP 65Wまでの制限はあるが、デスクトップPC向け第12世代Coreシリーズが利用できる。背面のType-CはUSB PD対応で最大60Wの電源供給に対応し、モバイル液晶ディスプレイの利用やスマホなどの充電が可能。
MINISFORUM EliteMini TH50 直販価格:78,980円
高性能ゲーミングノートPCで採用例が多い第11世代Coreシリーズの「Core i5-11320H」を搭載したミニPC。Thunderbolt 4を含む3系統の映像出力端子や2基の2.5GBASE-Tの有線LAN ポートなど、充実したインターフェース構成も魅力の一つ。
MINISFORUM EliteMini X500 直販価格:108,980円
ミニPCとしては一般的なサイズながら、何とデスクトップPC向けの「Ryzen 7 5700G」を搭載する。メッシュ構造で風通しのよい外装を採用し、大きめのヒートシンクとファンでCPUをしっかりと冷却できる。
ZOTAC Technology ZBOX Mシリーズ edge MI646 直販価格:110,220円
厚さ2.85cmと、ミニP Cの中でもかなり薄型でコンパクトな筐体を採用し、置き場所を選ばないユニークなモデル。薄型でもCPUをしっかり冷却できるように天板や側面にはメッシュ構造を採用。M .2スロットを2基装備し、大容量ストレージを利用しやすい。
ASUSTeK Computer Mini PC PN51-S1 実売価格:50,000円前後
幅と奥行きはどちらも11.5cmで、まさに手のひらに乗るサイズのミニPCだ。天板や前面パネルには、同社のノートPC「Zen」シリーズとよく似た質感の高いパネルを組み合わせており、安っぽさは感じさせない。CPU組み込み済みのベアボーンPCなので、別途メモリやSSDを用意し、Windows 11などもインストールする必要があるが、内部へのアクセスは非常に容易で、メモリやM.2 SSD、2.5インチSSD/HDDの取り付けなどの組み込み作業も簡単だ。またM.2対応SSDの冷却を強化するための放熱用アルミプレートも同梱するなど、ユーザーが小さなPCに対して不安に感じやすいポイントを、ていねいにフォローしている。
搭載する「Ryzen 5 5500U」のCPUコア部分は世代の古い「Zen 2」であり、今回取り上げたモデルの中では性能面で若干劣る場面はある。それでもPCMark 10 Extendedの総合Scoreは4,000を超えており、書類作成や情報収集、動画配信サイトの利用など軽作業中心なら不満を感じる場面はなかった。また利用シーンに応じて動作モードを変更したり、ドライバやUEFIのアップデート、ファイルの完全削除したりできる多機能なユーティリティ「ASUS Business Manager」はなかなか便利だった。
サイズ感:A | まさしくミニPCらしいサイズ感。置き場所を選ばず自由に使える |
拡張性:B | ユーザーが選択できるのはメモリとSSDだが、それでも十分だ |
コスパ:B | 性能と価格のバランスで言えば平均的な位置にある |
Intel NUC 12 Pro キット NUC12WSHi5 実売価格:80,000円前後
IntelのNUC(Next Unit of Computing)はミニPCの先駆けであり、Intel CPUの世代が進むごとに新製品が投入されている。今回紹介する「NUC 12 Proキット NUC12WSHi5」では、性能を重視する薄型ノートPCでの採用例が多い第12世代Coreシリーズの「Core i5-1240P」を搭載する。Pコアを4基、Eコアを8基搭載し、内蔵GPUの性能も高いため、今回行なった検証テストでは好成績を収めた。またM.2スロットがPCI Express 4.0対応なので、高速なM.2対応SSDの性能を100%引き出せるのもうれしい。
そうした高速なSSDをしっかり冷却するため、底面には銅製のヒートシンクや熱伝導シートを備えている。今回の検証でも、熱でSSDの性能が低下することはなかった。底面には2.5インチシャドーベイを装備しており、ベイのSerial ATAコネクタとマザーボードはリボンケーブルで接続されている。内部にアクセスする際、ムリに底面カバーを引っ張り上げるとこのケーブルが断線することもあるので、慎重に作業したい。ノートPC向けのCPUとしては高性能だけに、高負荷時には背面からかなり熱い空気が流れてくる。コンパクトな筐体ではあるが、吸気口となる側面も含め、周囲にはある程度のスペースを確保したい。
サイズ感:A | その性能を考えれば、手のひらに収まる筐体サイズは驚異の一言 |
拡張性:B | メモリとSSD/HDDは自由に交換、増設できる |
コスパ:B | 最新世代のCPUらしい高い性能も合わせて考えれば順当な価格 |
MINISFORUM UM560 直販価格:73,890円
MINISFORUMでは、今回テーマとして取り上げたようなミニPCを多数ラインナップしている。「UM560」は、その中でも比較的サイズが小さく、手のひらサイズのコンパクトボディが魅力だ。USB PDによる給電で動作し、USB PD対応の給電機能をサポートする液晶ディスプレイと組み合わせて利用しやすい。ほかのミニPCと同様、底面カバーを外すだけで簡単に内部にアクセスでき、メモリやSSDを交換できる。今回はCPU、メモリ、SSDが組み込まれたフルセットの評価機を使用したが、直販サイト経由ならセットモデルのほか、自分の好きなSSDやメモリが利用できるベアボーンPCも購入可能だ。
Zen 3世代のCPUコアを内蔵する「Ryzen 5 5625U」を搭載しており、その小さなサイズに見合わない強力なパフォーマンスを引き出せることも魅力の一つだ。今回の検証テストでは、コア数やスレッド数に勝る最新CPUを搭載する「NUC 12 Pro キット NUC12WSHi5」にほぼ匹敵する成績を収めた。また、このように高い性能を発揮しながらも、動作音は非常に静かだ。アイドル時や軽作業時はもちろん、ベンチマーク中もほぼ無音に近い状態で、今回取り上げたミニPCのなかではもっとも静かに利用できた。
サイズ感:A | 手のひらサイズは置き場所に困らず、液晶ディスプレイとの相性も抜群だ |
拡張性:B | メモリとSSDの交換やアップグレードに対応し、必要十分 |
コスパ:A | 直販サイトのキャンペーン価格が安いので、必ずチェックしたい |
[TEXT:竹内亮介]
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