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【ミニPCファーストインプレッション】超コンパクトな最新ミニPCに注目!その2
DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!
2023年4月11日 08:05
ミニPCファーストインプレッション
ASRock DeskMeet B660/B/BB/BOX/JP 実売価格:34,000円前後
サイズ的には、以前からあるキューブタイプケースのベアボーンPCに近い。CPUもノートPC向けではなく、デスクトップPC向けの第12世代Coreシリーズが利用でき、長さ20cmまでのビデオカードを搭載できる。拡張性や構成の自由度は一般的な自作PCに近く、パーツショップからの期待も大きいようだ。底面のインチネジを1本外すと、一体化している前面や天板、側面カバーがスポッと引き抜ける構造だ。内部を見ると、自作PCユーザーにはおなじみのマザーボードが組み込まれている。Mini-ITXマザーに近いが、メモリスロットは4基と多め。ビデオカード用のPCI Express 4.0 x16スロットや、2基のM.2スロットも装備する。M.2スロットはどちらもPCI Express 4.0対応であり、付近に構造物もないので、ヒートシンク付きの高性能モデルが利用しやすい。
またフレームの背面には、ATX対応電源ユニットだけではなくSFX対応電源ユニットを固定するためのネジ穴がある。SFX対応電源ユニットにするとCPUクーラーの高さ制限が緩和されるため、高性能なCPUを使いたいなら電源ユニットの交換もお勧めだ。内部が狭いため組み込みの難易度は高めではあるが、マニュアルの手順に従えば問題なく作業できるだろう。
サイズ感:C | ミニPCと言うよりは、ビデオカードが利用できる小型ベアボーンPC |
拡張性:A | CPUやメモリ、SSD、ビデオカードまで選べるのはこのモデルのみ |
コスパ:A | 自作PCで考えればPCケース、電源、マザーがこの価格で揃うのは魅力 |
ZOTAC Technology ZBOX Eシリーズ MAGNUS EN173080C 直販価格:322,300円
ZOTACの小型デスクトップPC「ZBOX」シリーズでは、手のひらサイズの小型モデルや超薄型モデルなどを多数ラインナップしている。今回紹介する「ZBOX Eシリーズ MAGNUS EN173080C」は、その中でも性能を重視した1台だ。
CPUは高性能ゲーミングノートPCで採用例が多い「Core i7-11800H」、さらにノートPC向けのNVIDIA製GPU「GeForce RTX 3080 Laptop」を搭載する。本体サイズはミニPCとしては比較的大きめだが、CPU内蔵GPUを利用する他社のミニPCに比べると3D描画性能は圧倒的の一言。いくつかの最新PCゲームをインストールして実際の動作状況をチェックしてみたが、フルHD解像度であればグラフィックス設定を最高にしても問題なく動作した。ミニPCでも最新PCゲームを快適にプレイしたいというニーズにもしっかり応えてくれる。
メッシュ構造の天板から吸気し、ファンを使って側面と背面から排気するエアフローを採用しており、ベンチマークテストやPCゲームのプレイ中は内部からそれなりに熱気が出てくる。周囲にはある程度スペースを確保したほうがよいだろう。負荷が大きいときは動作音も大きめだが、アイドル時や軽作業時は比較的静かに利用できる。
サイズ感:B | 手のひらサイズではないが、それでも薄型で扱いやすい |
拡張性:B | メモリとSSDの交換、増設に対応するミニPCらしい構成だ |
コスパ:B | 性能は圧倒的だが、価格はちょっと高い。そこをどう評価するか |
厳選5モデルのミニPC 性能や温度などを徹底検証!
PCMark 10や3DMarkはGPU内蔵モデルが強い
今回の検証にあたってベアボーンタイプには、同じSSDとPC4-25600規格のメモリを組み込んでいる。しかしPCタイプはメーカーの標準構成をそのまま使っているため、各パーツの条件を揃えた比較ではない。また今回検証したモデルのうち、「DeskMeet B660/B/BB/BOX/JP」(以降DeskMeet B660)の構成は、自作PCで言えば低価格ゲームPCに近い。一般的な自作PCと比較する場合の基準と考えると分かりやすい。
よく利用されるアプリの使用感を数値化して比較できるPCMark 10の結果を見ると、DeskMeet B660と、ZOTAC の「ZBOX Eシリーズ MAGNUS EN173080C」(以降EN173080C)が強い。どちらもビデオカードや外部GPUを搭載した構成であり、これらの効果が強く出るDigital Contents CreationやGamingのScoreは、ほかの3モデルを突き放した。ただしCPU内蔵GPUを利用する3モデルも総合S c o r eは4,000を超えているほか、Windowsの操作感を反映しやすいEssentialsは、5モデルともにさほど大きな差は付かなかった。
3DMarkでも、強力なGPUを搭載する2モデルの強さが光る。この分野は、今回紹介した製品のCPU内蔵GPUではまったく対応できない部分なので、PCゲームをプレイしたいユーザーはDeskMeet B660かEN173080Cを選ぶべきだろう。
動画のエンコードテストは、CPU性能を見るためCPUによるエンコード時間で比較した。この条件で好成績を収めたのはデスクトップPC向けのCore i5-12600を搭載するDeskMeet B660。EN173080Cと、「NUC 12Pro キット NUC12WSHi5」がそれに続く。この2モデルが搭載するノートPC向けCPUの性能の高さが光る結果となった。
小型モデルでもしっかり冷却、軽作業時の消費電力が低い
温度や消費電力を計測する場合、筆者は普段負荷テストを簡単に実行できる「OCCT」を利用することが多い。ただ今回は、おそらくACアダプタの仕様の関係でOCCTを実行できないモデルがいくつかあった。そのため3DMarkのStressTest中の温度変化と消費電力の様子をチェックしてみた。
まずはCPU温度だが、もっとも低かったのがNUC12WSHi5とUM560。この2モデルは動作音もかなり小さめであり(とくにUM560はほぼ無音に近い)、ミニPCのような小さな筐体サイズでもしっかり冷却できていることが分かる。これ以外の3モデルも、とくに問題があるような温度ではないのだが、テスト中の動作音は大きめで、ファンの回転数は高くなった。単体のGPU温度は、GeForce RTX 3050搭載のビデオカードを組み合わせたDeskMeet B660のほうが低かったが、搭載しているGPUのグレードが全然違うので、当然と言えば当然だ。
消費電力は、CPU内蔵GPUを使用する3モデルが40 ~ 45W前後と低い。またアイドル時の消費電力が軒並み10Wを切っており、軽作業時でも11 ~ 15Wという状況だった。ノートPC向けCPUを搭載するミニPCの面目躍如といったところだろう。
性能とバランスで考える、オススメミニPC2モデルはこれだ!
MINISFORUM UM560
CPU | Core i5-12600(6コア12スレッド) |
メモリ | Micron Technology Crucial CT2K8G4DFRA32A(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2) |
ビデオカード | ASUSTeK Dual GeForce RTX 3050 OC Edition 8GB(NVIDIA GeForce RTX 3050) |
SSD | Micron Technology P5 Plus CT1000P5PSSD8JP[M.2(PCI Express 4.0 x4)、1TB] |
メモリ | G.Skill F4-3200C18D-16GRS(PC4-25600 DDR4 SO-DIMM 8GB×2) |
SSD | DeskMeet B660/B/BB/BOX/JPと同じ |
スペック | 各レビューページと同じ |
室温 | 26.7℃ |
アイドル時 | OS起動10分後の値 |
3DMark時 | 3DMarkのStressTest(Time Spy)を実行したときの最大値 |
温度 | 使用したソフトはHWMonitor 1.46で、CPU はTemperaturesのPackage、GPUはTemperaturesのGPUの値 |
[TEXT:竹内亮介]
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