パワレポ連動企画

PCパーツ系2媒体が選ぶ“本当にいい物”はこれだ!【第5回:2023 Summer】AKIBA PC Hotline!&DOS/V POWER REPORT PC PARTS AWARD

PCパーツの聖地アキバの声、目利きレビュアーの徹底調査で今期のマストアイテムを選り抜き!

 2022年6月よりスタートした「DOS/V POWER REPORT」および「AKIBA PC Hotline!」2媒体共同のアワード・プログラム「AKIBA PC Hotline!&DOS/V POWER REPORT PC PARTS AWARD」。今回はその第5回の結果を発表します。

 今回の選考期間は2023年3~5月期。円安傾向が重くのしかかるPCパーツ市場。期待の製品は続くものの、もっと売れるかと思われた製品のスタートダッシュがうまくいかない状況も見られました。厳しめの情勢が続くが、今後の動きにも注目したい3製品を選出しています。

【授賞製品の選定基準】

・おおむね3〜5月の期間中に店頭に並んだもの、実際に発売され話題になったもの、弊社メディアでレビュー/テストしたものを授賞候補とする
・AKIBA PC Hotline!編集部の取材活動で得た情報、PV動向から店頭や市場で注目を集めており、かつ高く評価されているもの
・DOS/V POWER REPORTおよびAKIBA PC Hotline!の誌上/サイト上の各種レビュー記事において、使用結果やテストを通じて執筆・制作を担当した著者やスタッフから高く評価されたもの

「AKIBA PC Hotline!&DOS/V POWER REPORT PC PARTS AWARD 2023 Summer」発表!

【2023 Summer Season Best】該当なし:今後に期待は持てるが現時点ではヒットには至らず

 AMDから追撃の一手、GeForceのアッパーミドル~ミドルレンジの拡充、と期待感のあった四半期ではあったが、直接製品に起因したわけではないトラブルや、世界情勢などにも引っ張られた感のある高値スタートなども影響し、「モノは悪くないのに出足が今一つ」となっていたことを考慮し、残念ながら今期はSeason Bestについては「該当なし」とした。

 しかし、Editors' Choiceに選んだ製品については、クオリティとしてはハイレベル。それだけに、タイミングや状況などが悔やまれる。今夏以降の動きに期待したい。

【2023 Summer Editors' Choice】AMD / Ryzen 7 7800X3D

Advanced Micro Devices / Ryzen 7 7800X3D
実売価格:68,000円前後前後
【両編集部の授賞ポイント】

・一芸に秀でた“ゲーム特化型”アッパーミドルCPU。上位勢よりぐっと手を出しやすい
・発売直後のトラブルは解消。そもそもCPU自体が問題ではない

 3D V-Cacheの効果で高いゲーミング性能を発揮してくれるRyzen 7000X3Dシリーズ。前回はRyzen 9 7950X3DをSeason Bestに選出、アッパーミドルの本機もこれに続くか……と見ていたが、発売直後にメモリのオーバークロック設定を原因とした一部マザーボードでの破損問題で失速。CPUそのものが悪いわけではないだけに残念としか言いようがない。製品としては、“ゲーム特化”という味付けが絶妙で、その分ハイエンドクラスに比べれば手を出しやすい価格。ゲーミングPCのCPU選びにおける有力候補と言ってよいだろう。

・DOS/V POWER REPORT 2023年夏号 p.80に詳細ベンチマークを掲載

【2023 Summer Editors' Choice】Micron Technology / Crucial T700 PCIe Gen5 SSD

Micron / Crucial T700 PCIe Gen5 SSD
実売価格:53,000円前後(2TB/ヒートシンク非搭載モデル)
【両編集部の授賞ポイント】

・Gen 4 SSDを置いてけぼりにするばかりか先行するGen 5 SSDも追い抜く性能
・超高性能SSDは冷却が必須であることを再認識。ヒートシンク、十分なエアフローの確保を!

 登場が予告されつつもなかなか発売されなかったPCI Express 5.0(Gen 5)SSD。2023年に入ってようやく実際の製品が発売され始めてきたが、先行する製品たちをピーク性能で20%以上上回る、シーケンシャルリード12,400MB/sに達する製品がMicronから早速登場した。

 性能の高さは文句なしなのだが、価格の高さ、そしてGen 4世代よりも高性能ゆえの高い発熱を考えると、Season Bestとしてあまねく自作PCファンにオススメとまでは言いにくい。Gen 5対応デバイスは今のところSSDだけ。新時代はまだ始まったばかりだ。

・DOS/V POWER REPORT 2023年夏号 p.72にレビューを掲載

【2023 Summer Editors' Choice】NVIDIA / GeForce RTX 4070

NVIDIA / GeForce RTX 4070
搭載製品の実売価格:88,000円前後~
【両編集部の授賞ポイント】

・発売直後に比べじりじりと実売価格は低下、“買って損なし”ゾーンに入りつつある
・RTX 40世代は巨大カードが多かったが扱いやすいサイズの普及モデルも増加

 歴代のGeForceは、普通のPCゲームファンを中心にもっとも売れる60番台、ちょっとがんばったゲーマーが買う70番台、という構図が長く続いているので、Ada Lovelace世代においても当然RTX 4070に対する期待感は高い。だが、いざ発売されてみたら期待よりも高い価格にちょっとへこんだ、という人も少なくないだろう。

 ただ、発売から2か月ほど経過すると、実売価格は1万円以上下がってきた。まだまだ「安い!」とまでは言えないが、この傾向が続けばいよいよだろう。DLSS 3対応タイトルも徐々にではあるが増加中。将来性は高い。

・DOS/V POWER REPORT 2023年夏号 p.6に詳細解説を掲載

アキバ店頭を賑わせた定番&注目アイテム

 バリバリの新製品はもちろん気になるのだが、最近のアキバのショップ界隈では「1世代以上前のもともと評判がよい製品」や「便利な工夫が施された製品」がヒット、あるいはヒットしそうな状態になってきていたとのこと。授賞選定とまではいかなかったものの、店頭の動きとして目立ったものを簡単に紹介する。

着々と実売価格が下がってきたRyzen 5000シリーズの上位モデル。選定会議では5月末時点の価格が話題になっていたので、最新情報を改めてチェックしてみてほしい

 まずはCPU。Ryzen 5000シリーズの上位モデルは7000シリーズの登場により、値下がり傾向が強く、最近も引き続き人気。代替わりしたとはいえ上位モデルはまだまだ強力なので、それも納得だ。

SamsungのSSD 980 PROは驚異の価格に。並の安SSDとはポテンシャルが違う!?
ケーブルなしで“合体”できるLian Liのケースファン。組みやすさは桁違い

 同様に、Gen 4 SSDの中でも人気・実力ともに知られるSamsungのSSD 980 PROも、このところ大きく値を下げて大人気だ。便利アイテムの中で注目は、ケーブルレスで連結できるケースファン。Lian Li「UNI FAN」シリーズが代表格だ。COMPUTEXでも同様にケーブルレス/デイジーチェーン対応の製品が発表されており、組みやすくきれいに仕上がるので、使い勝手は良好。ジャンルとしては少々地味だが、ユーザーが増えそうな予感。