COMPUTEX AKIBA出張所

ASRockはAMD「B450」マザーを多数展示、「他社より高速」を目指すVegaも近日登場

「完成品マイニングPC」や HDD 102台で「容量 1PB検証済み」なサーバーマシンも(COMPUTEX AKIBA出張所 / ASRock編)

 PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2018」が、6月5日~6月9日(現地時間)の日程で台湾で開催されている。

 詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 項目ごとに、あなたの「欲しさ加減」や意見を入力できる入力欄を用意したので、好きな項目に入力し、最下段の「送信」のボタンを押して送信してほしい。

 いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

マザーボードやビデオカードの新製品、ラックマウントサーバーなども

 ASRockは、「変態」という言葉に代表されるような、変わったマザーボードで知られるメーカーだが、最近は、マイニング専用マザーボードや組込向け超小型マザーボード、さらにはサーバー向けの製品などでも知られている。直近のニュースとしては、ビデオカード市場にも参入したのも記憶に新しい。

 そんなASRockだが、今回のCOMPUTEXで展示されていたのは、B350の改良版にあたるAMDの新チップセット「B450」を搭載したマザーボードや、マイニング専用の大型マザーボードとそれを採用した完成品PC、Vega搭載ビデオカードなど。このほか、なかなか興味深いラックマウントサーバーやMOD PCなども展示されていた。

 ここでは、その中で特に注目したい展示や製品を紹介する。



B450搭載マザーボードが5製品登場

B450搭載のATXマザーボード「B450 GAMING K4」。ゲーミングPC向け製品であり、Sound Blaster Cinema 5互換サウンド機能を搭載し、Polychrome RGBにも対応
B450 GAMING K4の主な仕様

 まず、B450チップセットを搭載したSocket AM4マザーボードとしては5製品が展示されていた。

 最上位の「B450 GAMING K4」は、ゲーミングPC向けのATXマザーボードで、Sound Blaster Cinema 5互換サウンド機能を搭載するほか、前世代のB350マザーボードではサポートしていなかった(AMDプラットフォームではX470のみだった)フルカラーRGB制御機能「Polychrome RGB」にも対応する。Polychrome RGBは、従来のフルカラーLEDストリップに加えて、より細かな制御ができるADDRESSABLE RGBが利用でき、より美しい表現のイルミネーションが行える。

 このほか、4K60Hz出力に対応したDisplayPort端子も搭載。HDMI、D-SUBと合わせてトリプルディスプレイも可能とされる。

 「B450 PRO4」は、メインストリーム向けATXマザーボードであり、Sound Blaster Cinema 5互換サウンド機能やPolychrome RGBは非対応で、DisplayPort端子も省かれている。

 「B450M PRO4」は、B450 PRO4のmicroATX版ともいえるマザーボードで、PCI Expressスロットの数が少なくなったことを除けば、B450 PRO4とほぼ同じ仕様。「B450M-HDV」は、B450のmicroATXマザーボードのエントリーモデルで、USB 3.1 Gen2をサポートしていないほか、M.2スロットも1基となっている。「B450 GAMING-ITX/AC」は、ゲーミングPC向けのMini-ITXマザーボードで、IEEE 802.11acとBluetooth 4.2に対応するほか、Sound Blaster Cinema 5互換サウンド機能を搭載する。

 これらのB450マザーボードだが、HDDとSSDを組み合わせることでHDDを高速化する“StoreMI”に対応しているのも特徴。日本での発売時期や価格については未定とのことだが、普及価格帯のAMD系マザーボードを検討している向きには気になるところだろう。

AMD系マザーボードの展示
ATXマザーボード「B450 PRO4」。USB 3.1 Gen2を2ポートサポートするが、Polychrome RGBには非対応である
microATXマザーボード「B450M PRO4」。B450 PRO4のmicroATX版であり、M.2スロットを2基搭載している
Polychrome RGBのデモ
microATXマザーボード「B450M-HDV」。USB 3.1 Gen2には非対応であり、M.2スロットも1基となっている
Mini-ITXマザーボード「B450 GAMING-ITX/AC」。IEEE 802.11acとBluetooth 4.2に対応。ゲーミングPC向け製品であり、Sound Blaster Cinema 5互換サウンド機能を搭載

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「独自基板採用」がウリのRX Vega 56搭載ビデオカード「他社より高い性能を目指す」

ASRockが開発中のRX Vega 56搭載ビデオカード「PHANTOM GAMING X RADEON RX VEGA 56 8G」。独自設計の基板とリファレンスクーラーを採用。製品版では通常よりも高いクロックで動作させることを目指している。なお、動作クロックの表示は「検証中のため、標準クロックにしてある」(ASRock)とか
PHANTOM GAMING X RADEON RX VEGA 56 8Gを2枚搭載し、CrossFire X動作のデモをおこなっていた

 ビデオカードの新製品としては、開発中のRX Vega 56搭載ビデオカード「PHANTOM GAMING X RADEON RX VEGA 56 8G」が展示されていた。

 ASRockがビデオカード市場に参入してからまだ間もないが、現行のRX 580ビデオカードとRX 570ビデオカードは、「他社より高くOCできた動作クロックが好評で、市場の反応もいい」(ASRock)という。展示されていたPHANTOM GAMING X RADEON RX 56 8Gは、独自設計の基板とリファレンスクーラーを採用、RX 580/RX 570同様、他社製品よりも高速な動作クロックを目指して検証中という。

 発売予定は7月以降で、価格は未定。なお、7~8月には、現行のRX 570とRX 580搭載モデルの第2世代製品が登場予定。この第2世代製品は、フルカラーLEDと大型ファンを搭載。PolyChrome RGBと同期して発光する、といったことも可能になるという。

「PHANTOM GAMING X RADEON RX VEGA 56 8G」は、出力端子としてHDMIとDisplayPort×3を搭載する
こちらはすでに販売されている「PHANTOM GAMING X RADEON RX580 8G OC」(上)と「PHANTOM GAMING X RADEON RX570 8G OC」(下)。どちらも標準仕様より高いクロックで動作する
ビデオカード展示の様子

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マイニング専用マザーボードやマイニング専用システムの展示も

新製品のマイニング専用マザーボード「X370 PRO BTC+」。ライザーカードを使わず、直接スロットにビデオカードを差し込める
こちらもマイニング専用マザーボード「J3455 PRO BTC+」。CPUとしてJ3455を搭載し、ライザーカードを使わずに直接ビデオカードを差し込める

 ASRockは、マイニング専用マザーボードをいち早く投入したことでも有名だが、今回のブースでもマイニング専用マザーボード2製品とマイニング用システムが展示されていた。

 X370 PRO BTC+は、Socket AM4対応のマイニング専用マザーボードで、ライザーカードを使わずに直接ビデオカードをマザーボードに装着できることが利点。従来のマイニング専用マザーボードはライザーカードを使う製品が多かったが、ライザーカードを使うと信頼性が低下するため、ライザーカードを使わないで済むように設計したという。その代わり、マザーボードのサイズが大きくなってしまっており、一般的なPCケースには入らない。X370 PRO BTC+は、最大8枚のビデオカードを装着可能である。J3455 PRO BTC+も、X370 PRO BTC+と同様にライザーカードを使わずに、最大8枚のビデオカードを装着可能である。こちらは、CPUとしてクアッドコアのCeleron J3455が搭載されている。CPUがローエンドなのは「コスト効率からこのクラスのニーズがある」(ASRock)のだという。

 さらに今回は、マザーボードだけにとどまらず、同社のマイニング専用マザーボードとマイニング専用ビデオカードなどを専用設計のケースに組み込んだ、完成品マイニングシステム「ASRock SUPERB MINIG」も展示されていた。これは、「マザーボード購入者が自分でマイニング専用システムを構築するのは手間なうえ、検証の手間もかかってしまうため、“買ってすぐにマイニングができるシステムが欲しい”というニーズが強くなってきた」(ASRock)に応えたものだという。なお、ハードウェアにASRock SUPERB MINIGは、OSがプリインストールされていない状態で出荷されるため、ユーザーは自分でethOSなどのOSを導入する必要がある。

 これらの製品は、7~8月にかけてワールドワイドで出荷開始予定で、日本での発売については未定とのこと。

こちらは、マイニング用システム「ASRock SUPERB MINING」。クアッドコアのCeleron J3455を搭載し、Radeon RX 580搭載ビデオカードを8枚搭載する
ASRock SUPERB MININGは、2つの電源ユニットが搭載されており、1つがマザーボードに電源を供給し、もう1つがビデオカードに電源を供給する
OSはプリインストールされていない状態で出荷されるが、会場ではethOSを利用してマイニングを行っていた。ハッシュレートは写真の通り。GPU温度も最大67℃程度で安定している
ASRock SUPERB MININGの裏面
背面から吸気し、前面に吐き出すエアフローになっている
スペック

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「HDD 100台対応」で容量1PB(ペタバイト)対応のストレージサーバやTESLA V100を8基搭載したGPGPUサーバーも……

3.5インチHDDを100台搭載できるストレージサーバー「4U100-C612」。実際に100台のHDDを搭載していた
TESLA V100を8基搭載したGPGPUサーバー「3U8G+/C621」。ディープラーニングの学習を高速に行うことができる

 ASRockは、エンタープライズ向けのラックマウントサーバーも発売しているが、3.5インチHDDを100台搭載でき、10TB ×100台=1PB(ペタバイト)の検証も済んでいるというストレージサーバー「4U100-C612」や、NVIDIAのAI向けビデオカード「TESLA V100」を8基搭載したGPGPUサーバー「3U8G+/C621」も展示していた。

 4U100-C612は、SATAまたはSASのHDDに対応しており、10TB×100台と8TB×100台は検証済み。このほかにOS用の2.5インチベイも2台備える。OSとしてはLinuxやWindows Serverが前提だ。

 3U8G+/C621は、TESLA V100を8基搭載し、非常に高い演算性能を実現。ディープラーニングの学習に最適という。

4U100-C612のHDDはこのようにホットプラグ&アンプラグに対応している
搭載されているHDDの動作状況の確認画面
3U8G+/C621に搭載されているNVIDIA TESLA V100

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有名MODDERの手によるMOD PCや小型PCの展示も

上記を含め、製品の解説はおなじみChris Lee氏にしていただいた

 そのほか、門馬ファビオ氏を初めとする有名MODDERの手によるMOD PCやGeForce GTX 1080を搭載した小型PCなども展示されていた。

門馬ファビオ氏によるMOD PC。同社のX399 TAICHIとPHANTOM GAMING X RADEON RX580 8G OCが使われている
Mike Wang氏によるMOD PC。同社のX470 TAICHI ULTIMATEが使われている
Stuart Tonks氏によるMOD PC。同社のX399M TAICHIが使われている
Stuart Tonks氏によるMOD PC。同社のFATAL1TY X470 GAMING-ITX/ACとPHANTOM GAMING X RADEON RX580 8G OCが使われている
3人のMODDERが協力して作り上げたMOD PC。同社のFATAL1TY Z370 GAMING-ITX/ACが使われている
Core i7-8700とGeForce GTX 1080を搭載した「DESKMINI GTX1080」。コンパクトだが高性能なゲーミングPCだ

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[制作協力:ASRock]