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Appleの「G4 CUBE」をベースにした改造PCを製作した森田氏、
X68000 PCケースの現状報告も

text by 石井英男

出場者全員の集合写真

 9月26日、東京秋葉原のUDX GALLERY NEXT-3で、改造PCイベント「MOD PC EXPO 2015」が開催された。会場では、一般応募で選ばれた7名とゲスト7名の合計14名が、自分の作品の展示と発表を行なった。

 今回は、ゲストModderである森田健介氏とつくる女の紗緒さんのPCを紹介する(他のModderの作品は別記事1、別記事2(今週公開)を参照のこと)。

 なお、森田氏のセッションでは、現在開発が進められているX68000筐体を模したPCケースの情報も公開された。

「G4 CUBE 改」の紹介やX68000筐体の現状報告を行なった森田氏

森田健介氏は、「G4 CUBE」のケースにPCを詰め込んだ「G4 CUBE 改」を製作
ケースが小さいので、組み立てには苦労したという
今回作成したG4 CUBE 改。元々ついていた取っ手は諦めたとのこと
以前から取り組んでいるX68000筐体の進捗についても報告された
現状では、量産しても販売できるような価格にならず、冷却や拡張性についても問題があるという
今後は、フロント部分と基板のコストダウンを行ない、ODDの取り付けをあきらめ、マザーボードの配置を変更する予定
内部の配置見直しイメージ。ODDを諦めた代わりに、ビデオカードを装着できるようにするとのこと
目標価格は5万円以下、カラーはブラックのみ、数量は500個限定

 各Modderの作品解説も行なっていた森田健介氏は、新作としてAppleの「G4 CUBE」の筐体を採用した「G4 CUBE 改」を紹介。オリジナルのG4 CUBEは、大きな外付けACアダプタから電源が供給されていたのだが、G4 CUBE 改は、電源ユニットまで内蔵させたので、スペースのやり繰りには非常に苦労したという。オリジナルのG4 CUBEには取っ手が付けられていたが、この取っ手を残したまま実用的な性能で使えるPCを詰め込むことはほぼ不可能であり、今回は、なくなく取っ手は諦めたという。

 森田氏は、以前から進めているシャープのX68000筐体を模したPCケース製作プロジェクトの進捗状況も報告した。現状では、フロント部分にコストがかかりすぎており、とても販売できるような価格にはならず、また冷却や拡張性についても問題があるため、フロント部分と基板のコストダウンを行ない、ODDの取り付けをあきらめ、マザーボードの配置を変更する予定だ。マザーボードの配置を左右逆にすることで、ビデオカードを取り付けられるようにし、冷却については側面をメッシュにすることを検討しているとのことだ。目標は価格は5万円以下であり、この価格を実現できなければ、販売は厳しいと考えているようだ。

 展示スペースには、森田氏が以前製作したMOD PC「NISSAN GT-R R35」や新型山手線をイメージしたMOD PCも展示されていた。

森田氏が以前製作したMOD PC「NISSAN GT-R R35」。GT-Rの車体に見事に収まっている
NISSAN GT-R R35の前面
NISSAN GT-R R35の後面
こちらも森田氏が以前製作したMOD PC。新型山手線をイメージしている。左が液晶ディスプレイで、右がPC本体である
電車よろしく側面のドアが電動で開閉することが特徴である。これはドアが閉じた状態
こちらはドアが開いた状態。前面にも「OPEN THE DOOR」と文字が表示されている

つくる女の紗緒さんは「お菓子の家」をイメージしたPC

 つくる女の紗緒さんが作ったPCは、お菓子の家をイメージしたPCだ。紗緒さんは会場には来られず、山下まみさんが代わりに説明したが、PCの周りに貼り付けたマカロンやクッキーなどのパーツは、紙粘土を使って全部自分で作ったとのことだ。数が多いので、かなり大変だったそうだ。

つくる女の紗緒さんが作ったMOD PC。お菓子の家をイメージしており、マカロンやクッキーなどを紙粘土で製作し、ひたすらデコレーションしたという
お菓子の家PCの内部
クッキーなどのパーツを作るのが大変だったという