プロダクトレビュー・ショーケース

コスト重視“Non-K”モデルのベストパートナーも!?Intel B860/H810マザーボードカタログ

物価高の今だから気になるミドル~エントリーモデル text by 石川 ひさよし

3サイズのホワイトモデルに豊富なハイコスパ製品もGIGABYTE

 GIGABYTEのIntel B860マザーボードは11モデル展開。なかでもAORUSは4モデルあり、うち3モデルがホワイトのICEでATX、microATX、Mini-ITXと力が入っている。ほか一部専売モデルもあるがGAMING X、EAGLEではATXとmicroATXを、Dシリーズはニーズにあわせて3モデルと豊富な選択肢を用意。

 特徴的なところでは映像出力のDisplay Portバージョンが2.1、ATX/microATXのAORUSでは内部接続用に第3映像出力HDMI 1.4も備えている。HDMI+2系統Display Portを持つB860M DS3Hのように、映像出力に強いのがGIGABYTEだ。

B860 AORUS ELITE WIFI7 ICE
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×2、SATA 3.0×4、USB 40Gbps×1、USB 10Gbps×3、USB 5Gbps×6、USB 2.0×8、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1、HDMI 1.4×1●LAN:2.5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4

 AORUS ELITEらしいデザインでホワイトのICEモデル。上位チップセットモデルと比べヒートシンク面積が縮小された分、黒いチップの露出は目立つが、ホワイト面積の広さでは他社ホワイトマザーをまだまだリードしている。拡張スロットは3本で、M.2スロットは3基。AORUSのATX/microATXモデルにはEZデバッグ・ゾーンとして3連ボタン、デバッグLED、ATXモデルにはPOSTコード表示パネルも装備される。

B860M AORUS PRO WIFI7
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×2、SATA 3.0×4、USB 40Gbps×1、USB 10Gbps×3、USB 5Gbps×6、USB 2.0×8、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1、HDMI 1.4×1●LAN:2.5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4

 Intel B860のAORUSとしては唯一のブラックモデル。それがmicroATXというのもホワイト・マザーボード人気の現れだろうか。CPU電源端子はもちろん8ピン×2で、VRMは12+1+2フェーズ。これに大型VRMヒートシンクが搭載される。拡張スロットは2本で、その間には大面積のM.2ヒートシンクを搭載。x16スロットのリリース機構PCIe EZ-Latch Plusをはじめとする簡単DIY機能も豊富。Thunderbolt 4は非搭載だがUSB4に対応している。

B860M AORUS ELITE WIFI6E ICE
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×2、SATA 3.0×4、USB 40Gbps×1、USB 10Gbps×3、USB 5Gbps×6、USB 2.0×8、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1、HDMI 1.4×1●LAN:2.5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3

 B860M AORUS PRO WIFI7のホワイト版とも言えるmicroATXのICEモデル。製品名のとおり、こちらは無線機能をWi-Fi 6E/Bluetooth 5.3としてコストダウンを図っている。

B860I AORUS PRO ICE
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、SATA 3.0×2、USB 40Gbps×1、USB 10Gbps×4、USB 5Gbps×4、USB 2.0×2、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1●LAN:2.5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4

 各種スロットや電源端子、ピンヘッダーまでホワイトのMini-ITXゲーミングマザーボード。AMD X870には同じようにMini-ITXのICEモデルがあったが、LGA1851のマザーボードでは本製品が唯一。価格的にも上位のAORUSシリーズではあるが、Intel Z890ではなくB860を採用したことで価格を抑えている。ホワイトな小型ゲーミングPCを組みたい方は注目だ。小型でもX870I AORUS PRO ICE同様にx16スロットのリリース機構、PCIe EZ-Latch Plusのホワイト版を搭載している。

B860 GAMING X WIFI6E
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×2、SATA 3.0×4、USB 40Gbps×1、USB 10Gbps×2、USB 5Gbps×4、USB 2.0×9、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1●LAN:2.5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3

 ハデさを抑えシックなのがGAMING Xのデザイン。とくに下部中央M.2ヒートシンクはフラットかつ大型で、パターンはともかく形状はシンプル。シルバーカラーと相まって、ホワイト系かつ少しゲーミングらしいデザインを求める方によいだろう。拡張スロットは3本、M.2スロットも3本で、ほどよい拡張性と言えるだろう。

B860M GAMING X WIFI6E(Amazon専売モデル)
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、SATA 3.0×4、USB 40Gbps×1、USB 10Gbps×1、USB 5Gbps×5、USB 2.0×9、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1●LAN:2.5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3

 Amazon専売となるがGAMING XのmicroATX版。CPU電源端子は8ピン1基だが8+1+2フェーズのVRM回路に大型ヒートシンクの組み合わせはエントリークラスのゲーミングPCには十分なスペック。Thunderbolt 4は非搭載だが、同等速度のUSB4を利用できる。x16スロットにはリリース機構のPCIe EZ-Latch Plusも搭載。

B860 EAGLE WIFI6E
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×2、SATA 3.0×4、USB 20Gbps×1、USB 10Gbps×1、USB 5Gbps×3、USB 2.0×8、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1●LAN:2.5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3

 エントリーゲーマー向けのEAGLEシリーズ。ヒートシンクはVRM、チップセットとM.2×1本分のみで、最速のUSBが20Gbpsとインターフェースも抑え気味。しかしCPU電源回路は12+1+2フェーズと比較的リッチな仕様で、PCIe EZ-Latch PlusやM.2 EZ-Latch Plus/Clickなど簡単DIY機能は充実、ゲーミングPCで人気のLEDも搭載している。

B860M EAGLE WIFI6 V2(パソコン工房専売モデル)
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、SATA 3.0×4、USB 5Gbps×6、USB 2.0×7、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1●LAN:2.5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3

 EAGLEシリーズはブラック/ダークグレーのイメージだが本製品はブラック/シルバー。microATXフォームファクタで拡張スロットは2本、メモリスロットも2本、M.2スロットも2本という仕様。とはいえx16スロットはGen5、M.2スロットもCPU直結のものはGen5 x4をサポート。なお、USBが最速のもので5Gbps、無線LANはWi-Fi 6になる。

B860 DS3H
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×4●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、SATA 3.0×4、USB 20Gbps×1、USB 10Gbps×1、USB 5Gbps×3、USB 2.0×8、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1●LAN:2.5GBASE-T×1

 一体型ではないバックプレートにシンプルなヒートシンク、CPU電源端子は8ピン1基。豪華な装備を削ぎ落としているように見えるがもちろんCore Ultra 9 285Kもサポートしている。拡張スロットも5本と多く、x16スロットはGen5、M.2スロットもCPU直結のものはGen5 x4と、この世代の最新規格をサポート。ヒートシンクが小型な分、冷却を少し強化して運用するのがよさそうだ。モノトーンの独特な基板パターンもややゲーミングを彷彿させ、自分色に染められるマザーボードと言えるだろう。

B860M DS3H
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、SATA 3.0×4、USB 10Gbps×1、USB 5Gbps×5、USB 2.0×7、Display Port 2.1×2、HDMI 2.1×1●LAN:2.5GBASE-T×1

 B860 DS3HのmicroATX版という位置付け。microATXでも拡張スロットは3本、メモリスロットも4本と拡張性は高い。なお、Display Portが2系統、HDMIが1基あり、USB Type-Cではない通常の映像出力端子で3画面出力できる。ビジネスにおけるマルチモニタ需要に応えるマザーボードだ。

B860M D2H
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1●主なインターフェース:M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×2、SATA 3.0×4、USB 5Gbps×5、USB 2.0×7、Display Port 2.1×1、HDMI 2.1×1●LAN:2.5GBASE-T×1

 とことんコストを抑えたい方に最適なのが本製品。拡張スロットが2本、メモリスロットも2本、M.2スロットは2本あるがヒートシンクレスな上にどちらもGen4 x4とかなりコスト抑制される印象。とはいえスタンダード用途やミニマムなゲーミング用途には不足ない。

充実したインターフェース装備も魅力の厳選ラインナップMSI

 MSIのIntel B860マザーボードラインナップは5モデルと少数精鋭。MAGグレードはTOMAHAWKのみで、GAMING PLUSとPROはそれぞれATX/microATXの2モデルずつ、という展開だ。

 野心的なのが最新インターフェース。上から下まで全モデルでThunderbolt 4、5GbE&Wi-Fi 7を装備している。

MAG B860 TOMAHAWK WIFI
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 4.0 x1×1●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×2、SATA 3.0×4、Thunderbolt 4×1、USB 10Gbps×6、USB 5Gbps×2、USB 2.0×8、Display Port 1.4×1、HDMI 2.1×1●LAN:5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4

 2025年2月初旬時点で唯一のMAGグレードモデルのB860製品。引き締まったつや消しブラックにライムイエローのアクセントというカラーリングが硬派なゲーマーの心を掴みそうだ。60A SPSを用いた12+1+1+1フェーズ電源回路や大型VRMヒートシンクなどゲーミング仕様をはじめ、EZ PCIe ReleaseやEZ M.2 Frozr IIといったEZ DIY機能も備えている。

B860 GAMING PLUS WIFI
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x2接続)×1、SATA 3.0×4、Thunderbolt 4×1、USB 10Gbps×3、USB 5Gbps×6、USB 2.0×8、Display Port 1.4×1、HDMI 2.1×1●LAN:5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4

 エントリーゲーマー向けのGAMING PLUSシリーズのATXモデル。GAMING PLUSシリーズ以下はCPU電源端子が8+4ピンになるが、もちろんCore Ultra 9 285Kもサポートしている。CPU電源回路はグレード相応にはなるが数的には12+1+1+1フェーズと十分。等間隔に並ぶ使い勝手のよさそうな4本の拡張スロットに、3基のM,2、高速インターフェースも充実している。

B860M GAMING PLUS WIFI
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x2接続)×1、SATA 3.0×4、Thunderbolt 4×1、USB 10Gbps×2、USB 5Gbps×7、USB 2.0×6、Display Port 1.4×1、HDMI 2.1×1●LAN:5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4

 microATXモデルだが、拡張スロットとM.2スロットの数は「B860 GAMING PLUS WIFI」と同じ。ビデオカードを搭載する前提のゲーミングPCで4本の拡張スロットを使うシチュエーションは少ないと思われるが、本製品は高速インターフェースも充実しており、メインPCとは違う用途のサブ機を仕立てたいときなどにも重宝しそう。

PRO B860-P WIFI
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x2接続)×1、SATA 3.0×4、Thunderbolt 4×1、USB 10Gbps×3、USB 5Gbps×6、USB 2.0×8、Display Port 1.4×1、HDMI 2.1×1●LAN:5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4

 コスト重視のPROシリーズの製品で、マザーボード上のチップなどが異なるものの、ゲーミングモデルのB860 GAMING PLUS WIFIとスロット類の位置や数が共通している。実売価格も近く、ゲーマー向けデザインのGAMING PLUSに対して、こちらはシックに振ったデザインのバリエーションと言ってよいだろう。豊富な拡張スロットで業務や趣味に必要なさまざまな拡張カードを追加できる。

PRO B860M-A WIFI
拡張スロット:PCI-E 5.0 x16×1、PCI-E 4.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 4.0 x1(x16形状)×2●主なインターフェース:M.2(PCI-E 5.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x4接続)×1、M.2(PCI-E 4.0 x2接続)×1、SATA 3.0×4、Thunderbolt 4×1、USB 10Gbps×2、USB 5Gbps×7、USB 2.0×6、Display Port 1.4×1、HDMI 2.1×1●LAN:5GBASE-T×1●無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4

 スペックは「B860M GAMING PLUS WIFI」に近く、microATXながら拡張スロット4本、M.2も3スロット備えている。microATXの小型さを活かしながら、拡張カードを挿したい、ストレージをたくさん積みたい人のニーズに応える製品だ。