プロダクトレビュー・ショーケース
Forza Horizon 6をIntel Arc B580/A770/A750でテスト、思いのほか大きな性能差が!
話題のオープンワールドレースゲームはIntel製GPUでも快適? text by 瀬文茶
2026年7月1日 10:00
5月19日に発売された「Forza Horizon 6」は、美しいグラフィックで描かれる日本が舞台のオープンワールド・レースゲーム。Forza Horizon シリーズ伝統の自由なドライブ体験をよく作り込まれた日本マップで楽しめる本作は、国内外を問わず多くのゲーマーから好評を博しています。
盛り上がっているForza Horizon 6を見ていると、ふとIntel製GPUでどのくらい快適にプレイできるのか気になってしまったので、手持ちのIntel Arc搭載ビデオカード3製品でテストしてみることにしました。
Forza Horizon 6はIntel Arcに正式対応ただしフレーム生成対応は今後に期待?
前提として、Forza Horizon 6はIntel製GPUをサポートしており、Steam版のシステム要件における最低がIntel Arc A380、推奨はIntel Arc A580とされています。
また、Intelの超解像技術である「XeSS Super Resolution(XeSS-SR)」にも対応しており、XeSSの技術に基づく超解像やアンチエイリアシングが適用可能です。ただし、今回テストしたゲームバージョンである364.933の時点では、XeSSのフレーム生成機能(XeSS-FG)には非対応でした。

今回、Forza Horizon 6でテストするIntel Arc搭載ビデオカードは筆者手持ちの3製品。
Arc B580と12GBのVRAMを搭載するSPARKLEの「Intel Arc B580 TITAN OC」、16GB版Arc A770のIntel純正カード「Arc A770 Limited Edition」、そしてArc A750と8GBのVRAMを搭載する玄人志向の「AR-A750D6-E8GB/DF」です。
各ビデオカードを搭載するベース機材には、Intel史上最速のゲーミング性能を備えるとされるCore Ultra 7 270K Plusを搭載したIntel Z890環境を用意。各GPUのドライバはIntel Arc Graphics向けの「32.0.101.8826」で統一しました。
その他の機材や動作設定については以下の表のとおりです。


レイトレーシング「無効」でのパフォーマンスを計測B580はかなり快適な性能
まずは、レイトレーシングが無効なグラフィックプリセットの中から高画質寄りの3種類(高、ウルトラ、エクストリーム)でゲーム内ベンチマークモードを実行し、平均フレームレートを計測してみました。
なお、画面解像度についてはフルHD解像度とWQHD解像度の2種類で、超解像についてはXeSS-SRのクオリティプリセットで有効化しています。

各GPUが記録した平均フレームレートを並べてみると、唯一の第2世代dGPUであるArc B580が頭一つ抜け出しており、すべての画面解像度とグラフィックプリセットで60fpsを大きく上回る平均フレームレートを記録しています。
第1世代dGPUのArc A770とArc A750は、グラフィックプリセット「高」では比較的近いパフォーマンスとなっているものの、高画質設定になるほど平均フレームレートの差は拡大しており、グラフィックプリセット「エクストリーム」では3割近い差がついています。
Arc B580の強さはアーキテクチャの進化によるものですが、高画質設定時におけるArc A770とArc A750の大きな差は、Arc A750のVRAM容量不足によって生じたものです。


Arc A750のVRAM容量は8GBですが、Forza Horizon 6が認識しているゲームで利用可能なVRAM容量は7GB弱であり、これに対してゲームが使用するVRAM容量はグラフィックプリセット「高」で約4.8GB、「ウルトラ」で7.5GB、
「エクストリーム」では9GB弱となっており、ウルトラ以上の設定ではVRAM容量不足が生じていることが確認できます。
第1世代のIntel Arc AシリーズでもForza Horizon 6を動かせるだけのGPU性能を備えていますが、高画質設定になるとVRAM使用量がかなり大きくなるため、16GBのVRAMを備えるArc A770以外ではGPU性能より先にVRAM容量がネックになりそうです。
レイトレーシング「有効」でのパフォーマンスを計測高画質を狙うならVRAM容量に注意
続いて、レイトレーシングが有効な高画質プリセット3種類(High+RT、Ultra+RT、Extreme+RT)でゲーム内ベンチマークテストを実行した結果を比較します。画面解像度はフルHDとWQHDの2種類で、超解像はXeSS-SRのクオリティプリセットに設定しています。

レイトレーシング無効時と同じくArc B580が頭一つ抜けたパフォーマンスを発揮しており、平均53fpsを記録したWQHD/Extreme+RT設定以外では60fpsを超える平均フレームレートを記録しています。
Arc A770とArc A750もHigh+RT設定であればフルHDとWQHDの両方でプレイ可能なレベルの平均フレームレートを記録していますが、Arc A750に関してはUltra+RT以上の設定では平均フレームレートが大きく低下している様子が見て取れます。


レイトレーシングが有効なグラフィックプリセットでは、VRAM使用量がレイトレーシング無効時より大幅に増加しており、Ultra+RT以上のプリセットでは使用量自体が8GBを超えています。
結果として、VRAM容量が8GBのArc A750はUltra+RT以上で大きく平均フレームレートを落としているわけですが、逆に12GBのVRAMを備えるArc B580はVRAM容量不足を起こすことなく良好なパフォーマンスを発揮しています。
ベンチマークモード実行中のモニタリングデータB580が消費電力面でも優秀
参考までに、グラフィックプリセットを「High+RT」、超解像をXeSS-SR(クオリティ)に設定し、WQHD解像度でベンチマークモードを実行した際のモニタリングデータを紹介します。
計測に用いたアプリケーションはHWiNFO64 Pro v8.48で、システム消費電力についてはRATOC SystemsのRS-BTWATTCH2で計測しました。
各GPU搭載時のシステム消費電力に注目してみると、Arc A770とArc A750が平均300Wを超えているのに対し、最高のパフォーマンスを発揮していたArc B580の消費電力は平均275.1Wと最も低い数値となっています。こうしてみると、IntelのdGPUが第1世代のAlchemistから第2世代のBattlemageで大きく進化したことを再確認できます。
ちなみに、このモニタリングデータにおけるGPU消費電力は「Total GPU Power」(TGP)を参照しているのですが、これにはビデオカード上の電源回路(VRM)で生じる変換ロスや冷却ファンの消費電力が含まれていないため、GPU消費電力が平均151.2WのArc A770より、平均138.4WのArc A750の方が高いシステム消費電力(307.6W vs 318.4W)を記録しています。目くじらを立てるほどの差ではありませんが、高性能なコンポーネントで構築されたカードと、コスパ重視で構築されたカードの間には、このような差が生じることもあるというのは面白いところです。
5万円以下でも買えるIntel Arc BシリーズはForza Horizon 6に好適かも?コスパ優先ユーザーは検討の価値あり
IntelのdGPUを搭載したビデオカードでもForza Horizon 6を遊ぶこと自体に問題はなく、第2世代dGPUであるArc B580であればかなりの高画質設定でも快適にプレイできます。第1世代のArc Aシリーズでもそれなりの画質設定でプレイは可能ですが、Arc B580との性能差はかなり大きなものでした。
現状、フレーム生成が利用できないのは残念なところですが、高画質設定やレイトレーシングに多くのVRAMを必要とするForza Horizon 6をプレイすることだけを目的とするのであれば、10GB以上のVRAMを備えるArc Bシリーズは、5万円以下でも買えるビデオカードの中では理想的な選択肢であるとさえ言えます。
ひとつのゲームにおけるパフォーマンスだけでビデオカードを選ぶのはあまり合理的ではないかもしれませんが、定番の組み合わせでは面白みを感じられなくなってしまったなら、Forza Horizon 6のためにArc B シリーズを導入してみるのも面白いかもしれません。









