ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

滑らかな動きに驚いたボーステックの名作アクション『EGGY』

黒地パッケージの中央部分に、目立つように描かれたプレイヤーが操作するEGGYが、敵と戦っている様子が描かれています。裏面には、パッと見がApple ][のゲームを感じさせるような雰囲気の画面写真が掲載されていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、ボーステックが開催したプログラムコンテストに入賞して、その後に同社から発売されたPC-6001用アクションゲームの『EGGY』です。画面が白黒になっていますが、これはPC-6001mkIIからRGB出力したものをキャプチャしたためなので、ご了承ください。

コンテストの開催と、入賞した作品が発表された広告です。当初は最優秀賞の『妖怪探偵ちまちま』が大きく取り上げられていて、それ以外の作品は発売されてから盛り上げられる形でした。

 1980年代前半は、さまざまなソフトハウスが“ソフトウェアコンテスト”を行い、ユーザーからの優れた作品を募集していました。コンテストといえば、エニックスやマイクロキャビン、ポニカ、ストラットフォード・コンピューターセンター(マジカルズゥ)などが有名ですが、今回取り上げたボーステックもコンテストを催したソフトハウスの1つです。1984年春に「あなたはプログラムデザイナー!」とのキャッチコピーの元、賞金総額300万円の「第1回ボーステック プログラムコンテスト」を開催。多彩な作品が集まりますが、最優秀賞を獲得したのがSMC-777用の『妖怪探偵ちまちま』でした。このときの優秀賞となったのが、作者の青木敦さんによって生み出されたPC-6001用『EGGY』です。ゲームの読み込み中にローマ字でストーリーが表示されるという、ロード中に暇にならない仕掛けがなされているのですが、マニュアルには漢字で書かれているのでそちらを紹介しましょう。

ロード中には、マニュアルに書かれているストーリーが1行ずつ表示されていきました。当時は、ロード中といえば何もすることが無く待つだけだったので、文字が表示されるだけでも凄いと思ったものです。

 2039年、地球とガプスとは全面宇宙戦争に突入した。戦況は五分五分であるが、長期戦にもつれ込めば資源の少ない我々連合軍の敗戦は目に見えている。そこで、早期決着のためには、最前線である惑星エギーに前線基地を作り、ガプスに総攻撃をかけるしか方法はない。

 しかし、敵もさるものながら、すでにエギーに前線基地を作り始めていた。ガプスはエギーを支配下に収めるために、その住人達に永遠の命を与えた。つまり、彼らは一度死ぬと不思議な力を得て、強靱なアーマロイドに変身するのだ。

 そこで君の使命は、我々が新たに開発した空を自由に翔ぶ事の出来るボディーアーマーを着用し、パラシュートで落下する物資を受け取り、エギーに前線基地を作り上げ我々を勝利へと導くのだ。健闘を祈る!

プレイヤーは中央に見えるエナを操作して、パラシュートを付けて落ちてくる支援物資の回収に向かいます。現地のミミア人を撃つとゾルムになってしまい、ボーナスポイントが減るので要注意。エネルギーが減ってきたら、ゾルムを撃って点滅状態の時に踏み潰すと50プラスされます。

 プレイヤーは惑星エギーに前線基地を作るために、仲間から送られてくる支援物資を一定数回収するのが目的となります。ボディーアーマーを着込んだ主人公はエナと呼ばれ、地上は左右に、空中では上下左右に自由に移動することが可能です。画面下方にはレーダーが表示されていて、これを見ながら上空から落ちてくるパラシュートを回収しましょう。

 空中にいるときは、カーソルキーの上下左右でそれぞれの方向へやや慣性がかかりながらの移動となりますが、地上に降りてしまうと再び空中へ飛び出すためには一度、↓キーを押してしゃがんでから↑キーを押す必要があります。また、空中ではスペースキーを押すと、エナが向いている方向の下斜め45度に爆弾を射出できました。これをガプスの浮遊戦車ゴーザやガプスのアーマロイド・ゾルムなどに当てて破壊します。

ゴーザは思ったよりもしっかりとエナを狙ってくるので、先手必勝で倒したいところ。ボスカはレーダーを見て早めに飛来を察知しておけば、避けることができるはずです。

 最初エナには100のエネルギーが搭載されていますが、時間経過とともに少しずつ、敵弾や敵に衝突すると大幅に減少して、これが0になるとゲームオーバーとなりました。ただし、ゾルムに爆弾を1発だけ当てると点滅状態になるので、そこを狙って踏み潰すとエネルギーをある程度補充することが可能です。エネルギーに余裕がある場合は、踏み潰さずにもう一発当てて破壊すれば100ポイントがゲット出来ました。

 ステージをクリアするには一定数の支援物資を回収する必要があると説明しましたが、実は“決められたノルマだけ支援物資を落下(出現)させる”がクリア条件となります。つまり、全部回収しなくても各ステージごとに決められた数だけ支援物資が画面に出てくればクリアでした。そのため、ステージをうろうろしているうち突然クリアになることもあるので、まずは被弾しないことをメインに行動するのがコツとなります。また、クリアすると生き残ったエギーに住むミミア人の数だけボーナスポイントもゲット出来ました。なお、支援物資は空中で受け取っても、地上に落ちてから回収しても得点になります。しかし、地上に落ちると数秒後に消えてしまうので、再び空中に飛び出すためのリスクを負ってまで取りに行くかと考えると、悩ましいところでした。

パラシュートが規定数落下すれば、その時点でステージクリアとなります。それまでにキャッチしたパラシュートの数と、生き残ったミミア人がボーナスポイントとして加算されるので、高得点のコツはいかに多数のパラシュートを回収しつつミミア人を生かすか、になります。

 プレイしてみると、自機も敵も弾を斜めに撃つためか、左右に移動しても上手に避けられずに被弾してしまうなど、慣れるまでは少々難しく感じるかもしれません。まずは、エナを手足のように操作出来るようになるのが先決です。

 ステージ2からは、どこからともなく飛んできて空中で分散し地上に降り注ぐ、ボスカというミサイルが強敵に。一度分裂してしまうと逃げるのが難しく、しかもエナの高さに合わせて画面外から現れるため、下へかわそうとすると間違いなく当たってしまいます。これを上手に避けられるようになれば、ある程度先へと進むことができるようになるでしょう。

先のステージに進むと、敵の攻撃がより激しくなっていきます。エネルギーの残量に気をつけながら、果たしてどこまでスコアを伸ばすことが出来るでしょうか?

 全体的に、登場キャラクターが滑らかに動くだけでなく左右のスクロールも非常にスムーズで、初めてプレイしたときは「これがPC-6001で動いているの!?」と驚いたほどでした。1984年のコンテスト作品としてはかなりレベルが高く、もう少しステージごとのバリエーションが増えていれば最優秀賞も取れたのでは?と勝手な想像をしてしまったほどです。後にPC-8801やFM-7、X1、MSXへと移植されたのも、知名度の高さに貢献しているのではないでしょうか。

 ちなみに、本作のマニュアルにはボーステック社内からのユニークなコメントも書かれていました。それによると、社内では3日間もつきっきりで遊んでいた社員の方もいたとのことで、本作がいかに面白いかが分かるというものです。現在では、あまり見かけることのないタイトルかもしれませんが、思わずハマってしまう面白さを持っているので、何かの機会にプレイしてみてください。

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