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PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【2018年版/後編】
Synologyやマウスコンピューター、パソコン工房、ドスパラなど7社
2018年1月1日 00:01
新年明けましておめでとうございます。
新年といえば去年の振り返りと今年の展望。例えばメーカーから見た去年の売れ筋パーツや今年の意気込みはどうなのか?気になる人も多いはず。
そこで今回、PCパーツやBTOメーカー各社に「2017年にヒットした製品」や「2018年の意気込み」をお伺いし、お寄せいただいたコメントをそのまま掲載しました。
掲載メーカーは前編6社、後編7社(本記事)の計13社。各社が力を入れている、そして今後入れていくポイントや今年の意気込みなど、なかなか興味深いコメントもあったりします。掲載順はブランド名50音順ですので、気になるメーカーがある方はそこを、全部読みたい方は頭からどうぞ。
PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」(2018年頭版) |
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【前編】ウエスタンデジタル、ASUS、NVIDIA、MSI、ELSA、GIGABYTE |
【後編】Synology、ZOTAC、ドスパラ、BIOSTAR、パソコン工房、PLEXTOR、マウスコンピューター |
Synology
Synology Inc. セールスマネージャー 田野 久敏氏
●2017年にヒットした製品を教えてください
2017年日本で大ヒットしたのはNASモデルではDS216jです。価格.comやAmazonのカテゴリランキングで不動の1位を獲得し続け、ユーザの支持を得られた、とても人気のあるモデルとなりました。今までNASを使ったことがない方、NASとは何かわからなかった方でも簡単にセットアップでき、導入後もDSMという操作画面から直感的に様々な設定ができるよう工夫をしています。また、少し設定にこだわりたい方は、かゆい所に手が届く設定もでき、パッケージという後付けの機能を増やしていくことにより、ニーズに応じた機能を追加できます。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
NAS以外にも7月からルーター製品のRT2600acを日本国内向けに展開しています。MU-MIMOや最大接続数100台まで耐えうる設計で、SynologyのNASをお使いの方はお分かりかと思いますが、ソフト面でも、ネットワーク設定やペアレンタルコントロールの設定が直感的に、グラフィカルに設定をすることが可能です。また、VPNルーターにするためVPN Plusというパッケージを追加することもできるので、一般のご家庭からSOHOやSMBなどビジネスでも使えるとても魅力的な製品になっています。
●2018年の意気込みを教えて下さい
2018年は日本のユーザー様に対してより積極的にサポートさせて頂きたいと考えています。日本語でのサポート体制を確立し、ユーザーの皆様により親身になれるよう準備中です。また、日本向け機能の第一弾としてDiXiM Media Serverをリリースしました。このパッケージを利用いただくことで、ご家庭のレコーダーで録画したデータをSynolog NASに移動してくることができるようになりました。
●読者に一言どうぞ
まだSynologyの製品をご使用中ではない方はぜひご検討ください。2018年はSynology NASを活用して快適なデジタルライフを!
ZOTAC
APACセールスディレクター James Liu氏
●2017年にヒットした製品を教えてください
昨年に続き、グラフィックスカードから完成品PCまで様々な製品を展開してきた2017年ですが、ヒットした製品としてはGeForce GTX 1080 Tiに代表されるようなハイエンド製品の「Miniシリーズ」と水冷モデルの「ArcticStorm Mini」といえるでしょう。
従来はミドルレンジのみにおいて展開しておりましたが、ハイエンドモデル帯においても小型化サイズ果たし、他社には真似できない弊社の技術力を裏付ける製品であり、数多くのお客様に支持されています。
また、小型化だけではなく弊社オーバークロックシリーズの最上位モデル「AMP Extreme」も継続して注目を集めており、単純な性能だけにとどまらず、冷却性能、静音性ともに高いご評価をいただきました。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
上記のヒットした製品でもあるのですが、ZOTACの完成品PCです。手のひらサイズの超コンパクトPC「PIシリーズ」に始まり、ゲーマーをはじめハイパフォーマンスと小型の両立を果たした「MAGNUS ENシリーズ」、そしてその中間を埋める製品群を展開しております。
特に「MAGNUS ENシリーズ」は第7世代プロセッサCore i7 7700KとGeForce GTX 1080の双方を搭載する製品として注目を集め、その性能と静音性、動作安定性など、大きな驚きをもって注目を集めました。
また、ZOTACゲーミングPCの新しいシリーズの「MEK1」もリリースいたしました。これからも市場のニーズにお応えできるパフォーマンスの高い製品を提供していきたいと思っております。
●2018年の意気込みを教えて下さい
2018年も継続してゲーマーの皆様をはじめとし、様々なプロフェッショナルな製品を世に送り出していく予定です。こんな製品があったらというのを実現できるよう様々な製品やイベント展開を行ない、ZOTACらしさをより皆様にお伝えしていきたいと考えております。
●読者に一言どうぞ
2017年はたくさんの皆様に支えられた年となりました。
また多くのZOTACファンの皆様からもイベントなどを通してお言葉をいただいております。この2018年もファンの方をはじめ、より多くのZOTACファンになっていただけるよう、邁進してまいりますのでこれからのZOTACもよろしくお願い申し上げます。
株式会社ドスパラ
株式会社ドスパラ 広報部 勝亦健太氏
●2017年にヒットした製品を教えてください
4月に発売した筆圧感知ペン付きのおえかきタブレット『raytrektab DG-D08IWP』が大ヒットしました。
これまでにない“手軽に持ち歩ける液晶タブ”として、発売直後から爆発的な人気を博し、当初は入荷後即完売という状況が続いていました。店頭で実際に試していただけるように展示していたのですが、4,096階調の筆圧ペンによる書き心地がすばらしく、衝動買いされる方が多くいらっしゃいました。
発売から半年以上経ちますが、まだまだ問い合わせが多く、最近は年末年始のお休みで絵を描きたいという方がご購入されています。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
先日発売した小型ゲーミングパソコン『GALLERIA Mini』に注目していただきたいです。
500mlペットボトル2本ほどの大きさで、デスクトップ版のCPU『Core i7-7700』と『GeForce GTX1060 6GB』を搭載しています。
このスペックならフルHDの3Dゲームでも快適に楽しめます。コンパクトで置き場所にも困らないので「大きいパソコンだと家族に文句を言われる(><)」という方におすすめです
。
現在全国のドスパラ店舗で実機を展示しているので、ぜひ店頭でサイズ感を見ていただければと思います。
●2018年の意気込みを教えて下さい
2017年はeスポーツ大会『GALLERIA GAMEMASTER CUP』や、ユーザー向けイベント『GALLERIA GAMEMASTER ファンフェスティバル』といった、参加型イベントを多数行ってまいりました。また、ドスパラ秋葉原店舗も大きくリニューアルし、“来るだけで楽しめる体感型のお店”にグレードアップしています。
2018年もドスパラは、全力で、楽しい、来る価値のあるお店を目指して邁進していきます。今後ともよろしくお願いいたします!
●読者に一言どうぞ
実はドスパラにはテーマソングがあります。その名も『ドスパラのテーマ』!
一度来店したら絶対に頭に残ると噂のこのテーマソングですが、なんとジョイサウンドさんのカラオケで配信されています。機会がありましたらぜひ歌ってみてください。
BIOSTAR
BIOSTAR Microtech International Corp , Senior Sales Manager , Jesse Chen 氏
●2017年にヒットした製品を教えてください
2017年、BIOSTARはRyzen系マザーを日本市場に展開しました。
特に人気の商品はRyzen初のMini-ITXマザーボード、X370GTNとB350GTNの2モデルです。市場でも注目され、機能が豊富かつリーズナブルな価格が受け入れられ、日本でもかなりの数を出荷しました。BIOSTARも代理店アユートと連携し、日本リーテル市場に再認知されました。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
今年は仮想通貨、マイニングが盛り上がりました。BIOSTARはマイニング用マザーボード世界No.1 のシェアを持ち、日本市場にも全シーリズのマザーを出荷しています。12GPUs 、 8 GPUsマイニング対応できる専用マザーと 世界唯一のAM4マニングマザーも出荷いたしました。日本のユーザー様にも大変ご評価頂いた製品となりました。まだ、自社ブランドマイニングリグ製品もに2018年頭に市場に投入して行きます。
●2018年の意気込みを教えて下さい
2018年は更なるマイニングに向けた新製品とAMD Ryzen2 製品を日本市場に導入する予定です。2018年はマザーボードだけでなく、他の自社ブランド製品を、魅力的でより幅広いユーザーに支持される全般製品展開を図っていきます。2018年もBIOSTARブランドを日本市場でご期待ください。
●読者に一言どうぞ
BIOSTARは日本ユーザーの皆様にもっとBIOSTAR製品を知ってもらうために毎日コツコツ努力しています。創業32年のマザー老舖ブランドとして、2018年はより積極的に活動を行っていきます。 今年もBIOSTARをご期待下さい。
パソコン工房
パソコン工房 秋葉原 イイヤマストア 店長 大島 貴明氏
●2017年にヒットした製品を教えてください
当社でオリジナル展開している iiyama PC ブランドの「LEVEL∞(レベル インフィニティ)のゲーミングシリーズが引き続き人気です。様々なゲームタイトルの動作推奨モデルをはじめとして、VRやMRの最新技術に対応したハイスペックなモデルに需要が集まっています。
NVIDIA GTX 10 シリーズ、第8世代 インテル Core プロセッサー、AMD Ryzen など、旧製品を大きく上回る性能を持ったパーツが登場したことで、2~3世代前のパソコンを使われていたユーザーの乗り換えが多くありました。
また、当社の強みでもある、パーツの取り扱いにおいても、これらのパーツがコアユーザーに注目の的となったことは間違いありません。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
2017年後半から2018年にかけては、Microsoftが提案している Windows Mixed Reality(MR)に注目しています。当社でもAcerのMR ヘッドマウントの取り扱いがあり、年末時点で全国21店舗にて体験いただけます。ライトハウス(センサー)の設置が不要な点は、日本の家庭事情にマッチしていると思います。
今後、体験型コンテンツやゲームなど MR対応コンテンツが多く登場する予定で、店舗にてユーザーに体感いただけるようにしていきたいと考えております。
●2018年の意気込みを教えて下さい
パソコン工房の全国のショップでは、お客様のより良いPCライフの手助けをできるよう、販売はもちろん、買取やサポート、各種サービスまで親身になって対応させていただきます。
2017年 年末に、秋葉原を中心として活躍している最強の地下アイドル 「仮面女子」とのコラボで、iiyama PCイメージガール「無限女子 ~powered by 仮面女子~」が結成しました!
現在、デビュー記念でオリジナル特典のプレゼントキャンペーンを実施しております。
2018年もパソコン工房の企画にご期待下さい!
●読者に一言どうぞ
AKIBA PC Hotline!の読者の皆様には、お馴染みの パソコン工房 秋葉原 BUY MORE店をはじめとして、各店舗での販売を通してお客様にいただく笑顔は、当社のスタッフの励みになっております。
「あなたの街のITステーション」として、よりお客様に喜んでいただけるよう努めてまりいます。2018年も引き続きよろしくお願いいたします。
PLEXTOR
LITE-ON TECHNOLOGY CORP. / STORAGE SBG / Japan Sales Manager Fanny Chuang & Japan Sales Sharon Yang氏
●2017年にヒットした製品を教えてください
Plextorが今年発売したM8SeゲーミングSSDは、最新世代のNVMe超高速転送インターフェイス規格を採用、さらに高帯域幅、低遅延のPCIe Gen 3 x4転送チャネルを通じ、M8SeはSATA SSDよりも2倍以上のリード/ライト速度を実現、コンピューターのシステム性能を大幅に高めます。
Plextor M8Seは「流線型テクノロジー、高速規格」の革新的な工業デザインで、2017年ドイツiFデザイン賞を受賞しました。外観デザインには流体力学に沿ったラインを取り入れ、超高性能のアルミ放熱片がスピード感あふれる美学を表現すると同時に、高効率の熱流動と放熱機能を兼ね備え、高速転送によって発生する熱エネルギーをすばやく排除し、コンピューターシステムの性能を最高に保ちます。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
Plextor SSDには多様なインターフェイスが用意されており、PCIe、M.2、SATAなどが揃っています。消費者は自分のコンピューターのマザーボードの規格に基づき適したSSDモデルを選択できます。ゲーミングシリーズSSD(M8Se、M8Pe)はPCIeとM.2の2種類のインターフェイスが用意されています。入門シリーズのS3 SSDもSATAとM.2の2種類のインターフェイスがあります。また、Plextorは市場のニーズに応え、ポータブルSSD-EX1シリーズも展開しています。
●2018年の意気込みを教えて下さい
PlextorはゲーミングSSDの開発に尽力しており、今年ドイツのiFデザイン賞を受賞したことは、Plextorにとって大きな励みであり、また研究開発の方向性により確信を持つこととなりました。2018年の展望としては、Plextorはゲーミング市場を掘り下げ、引き続きゲーミングSSDの研究開発に取り組みます。第1四半期により高性能、よりスタイリッシュなゲーミングSSDの新製品、M9Peを発売しますので、どうぞご期待ください。
●読者に一言どうぞ
Plextor SSDはすべてハイクラスのオリジナルダイ(Original Die)を厳選して使用しており、より低クラスのGood DieやInk Dieは絶対に使用しません。高品質のオリジナルダイはSSDの使用寿命とデータのリード/ライトの正確性に絶対的な関係があります。PlextorのSSDは出荷前にどれも厳格な100%のエイジングテスト(Aging Test)を実施しています。これらの取り組みはすべて、ユーザーに最高レベルの信頼性のSSD製品をお届けするためです。
マウスコンピューター
コンシューマ営業統括部 主任 小林 俊一氏、安田 祐三郎氏
●2017年にヒットした製品を教えてください
2017年人気が高かったのはゲーミングPCブランドG-Tuneの「NEXTGEAR-MICRO im570GA8-SP」です。グラフィックスにGeForce GTX1070とCPUにCore i7を搭載。定番ゲームを一通り動かせる構成ながら13万円台という、価格とスペックのバランスが好調な売れ行きの理由の一つです。
また、裏を返すと本モデルはベーシックな構成でもあるため、3Dゲームなど負荷のかかるタイトルを遊びたい方は、目的に合わせてカスタマイズをするためのベースモデルとしても人気を集めました。
本格的にeスポーツが一般にも強く注目を集めた今年、パソコンでのゲーム初心者の方や、複雑なゲームを本格的に試したい方、双方に支持頂けたと感じております。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
2017年は「“人”と“モノ”がインターネットで繋がり広がっていく」をテーマに新たにIoT製品「mouseスマートホーム」を発表、各製品の核となる「ルームハブ」など5製品をオールインワンにした「スターターセット」を2万4,800円(税別)から販売開始しました。この製品はお手持ちのスマートフォンで「ルームハブ」を介し、外出先からも各製品のコントロールが可能で、大きな反響をいただきました。
G-Tuneから登場した「NEXTGEAR-Cシリーズ」は、サイズ158×143 ×87mm 、重さ1.6㎏ながら、ゲーミングパソコンとして活用できるCPU Core i7とグラフィックス GeForce GTX 1060を搭載。片手で持てるほど軽量・コンパクトな筐体と高スペックな構成が注目を集めました。
●2018年の意気込みを教えて下さい
2017年はゲーミングPCでは珍しい小型筐体の「NEXTGEAR-Cシリーズ」や、IoT製品「mouseスマートホーム」など新しい製品に挑戦しました。サービス面では、これまでの電話・メール以外の新たな窓口として、昨年末に運用開始したLINEでトークサポートを本格運用し、「待ち時間の短縮」や、「気軽に問い合わせができる」とお客様にご好評いただいています。
2018年度もお客様の期待を超える製品・サービスをご提供できるように尽力してまいります。
●読者に一言どうぞ
2017年は、AKIBA PC Hotline!の多くの読者様にマウスを応援いただき、誠にありがとうございます。
2018年も引き続き、製品、イベント、直営の店舗を通じて、新しい体験やお客様の生活を豊かにする製品・サービスをご提供できるよう尽力してまいります。「期待を超えるコンピューター」、マウスコンピューターをこれからもよろしくお願いいたします。
【前編はこちら】