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AMD・Intel・NVIDIAコラボPC?3大メーカ-のハイエンドな性能が活かせるBTO PC「PUNI ROG」

3大メーカーのプロセッサが揃い踏み!STORMが作る夢のデュアルシステムPC text by 坂本はじめ

STORM PUNI ROG

 アイティーシーのBTO PCブランド「STORM(ストーム)」から、AMD、Intel、NVIDIAの三大メーカーの「プロセッサ」を一台の筐体に収めた、ユーモラスなデュアルシステムPCが届いた。

 3大メーカーのプロセッサを1つのPCに搭載するというのは、自作PCの愛好家なら一度は妄想する夢のようなスペックだ。LANカードやストレージなども含めてであれば構築しやすいが、メインのプロセッサで3メーカー競演といったような構成は自作PCであってもそうそう実現するものではない。そんな夢スペックを実際に、それもBTO PCとして実現したのがSTORMの「PUNI ROG」なのである。

 ともあれ、STORMが完成させたユニーク極まりないデュアルシステムPCがどのような出来なのかチェックしてみよう。

AMD Ryzen 9 3900X
Intel Core i9-10900
NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti
Ryzen 9 3900XのCPU-Zによるステータス。
Core i9-10900のCPU-Zによるステータス。
GeForce RTX 2080 TiのGPU-Zによるステータス。

三大メーカーのプロセッサを搭載デュアルシステムPC「PUNI II」ベースの特別モデル

PUNI ROGはSTORMのデュアルシステムPC「PUNI」シリーズの新モデルだ。

 今回、STORMより届いたPCは、同ブランドが手掛けるデュアルシステムPC「PUNI II」をベースに独自のパーツ構成で構築したBTO PC「PUNI ROG」だ。

 STORMのPUNI IIは、PhanteksのPCケース「ENTHOO LUXE 2」と同電源ユニット「REVOLT X PSU」をベースに構築したデュアルシステムPCだ。1つのケースと1つの電源ユニットで、独立した2つのシステムを構築できるという、相当にマニアックなPCである。

 今回のBTO PCでは、そのPUNI IIをベースに、ファーストシステムに「Ryzen 9 3900X」と「GeForce RTX 2080 Ti」を搭載したAMD X570環境、セカンドシステムに「Core i9-10900」を搭載したIntel Z390環境を構築。1つのケース内にAMDとIntelのCPU、そしてNVIDIAのGPUが共存するという夢のようなスペックを実現している。

Ryzen 9 3950XとGeForce RTX 2080 Tiを搭載するファーストシステム。
Core i9-10900を搭載するセカンドシステム。

 今回のPCでは、マザーボードとビデオカードをASUS製品で統一した「POWERED BY ASUS」仕様で、CPUの冷却にはDynatronのオールインワン水冷「L5」を採用。ケース内部のケーブルは「裏配線」を駆使してすっきりとまとめられており、ケース左側面のガラスパネルからは内蔵パーツのLEDイルミネーションを楽しめる。

 多様な構成のBTO PCを数多く手掛けるSTORMらしく、デュアルシステムかつ3大メーカーのプロセッサを搭載するという特殊で複雑な構成でありながら、洗練された組み立て品質には感嘆するばかりだ。

マザーボードとビデオカードをASUS製品で統一したPOWERED BY ASUS仕様を採用。
今回のPCには、ASUSのゲーマー向けブランド「ROG STRIXシリーズ」の製品が採用されている。
サーバー向けの冷却装置を手掛けるDynatronのオールインワン水冷「L5」を採用。写真はファーストシステムであるRyzen 9 3900Xの冷却用。
セカンドシステムのCore i9-10900の冷却にもDynatronのL5を搭載。稼働中はファン搭載の青色LEDが発光する。

抜群のCPU性能と4Kゲームも可能なGPU性能を併せ持つ「Ryzen 9」のファーストシステム

 Ryzen 9 3900XとGeForce RTX 2080 Tiを組み合わせたファーストシステムは、12コア24スレッドCPUの強力なマルチスレッド性能と、4Kゲーミングすら可能とするハイエンドGPUによる優れたゲーミング性能を併せ持っている。

 ベンチマークテストでは、CPUベンチマークのCINEBENCH R20で「7,140cb」、ゲームベンチマークの3DMark Time Spyでは「14,079」を記録。先日発売された第10世代Coreの最上位モデルを凌ぐCPU性能と、ハイエンドゲーミングPCクラスのゲーミング性能を発揮してみせた。

Ryzen 9 3900XのCINEBENCH R20の実行結果。スコアは「7,140cb」。
3DMark Time Spyの実行結果。スコアは「14,079」。

 実際のゲーミングシーンでのパフォーマンスも優れており、モンスターハンターワールド:アイスボーンではNVIDIA DLSSを駆使することで、4K解像度かつ描画設定「最高 + High Resolution Texture Pack」という超高画質設定でも60fps前後での動作が実現できる。

 本格的にゲームを楽しみたいゲーマー向けのハイエンドゲーミングPCとしてはもちろん、動画や3DCGを扱うクリエイターのワークステーションとしても超快適に使えるシステムとなっている。

4K(3,840×2,160ドット)の画面解像度で、グラフィック設定「最高」をベースに「High Resolution Texture Pack」とNVIDIA DLSSを有効化した。

最大5.2GHz動作の10コア20スレッドCPU「Core i9-10900」を備えるセカンドシステム

 Mini-ITXフォームファクタで構築されたセカンドシステムは、最大5GHzで動作する10コア20スレッドCPU「Core i9-10900」を搭載。CPUとGPUがともに強力なファーストシステム程では無いものの、こちらもハイスペックなCPUを搭載した高性能システムだ。

 CINEBENCH R20のスコアは「4,478pts」で、並みのデスクトップPCとは一線を画すマルチスレッド性能を備えている。セカンドシステムはCPU内蔵GPUを使用しているため、3DMark Time Spyのスコアは「529」にとどまるが、イラストや写真編集のようなCPU性能重視のクリエイティブワークや、Intel製CPUに最適化されたアプリケーションなどでは高いパフォーマンスが期待できる。

CINEBENCH R20の実行結果。スコアは「4,478pts」。
3DMark Time Spyの実行結果。スコアは「529」。

 ビデオカードが無いのでサブシステムとして見られがちだが、10コア/20スレッドCPUといった性能面で見ると十分にメインマシンだ。こちら側のシステムにビデオカードを差し替えたり追加し、メインシステムとして使うのも当然アリ。使って性能面で不満が出る場面はほとんどないだろう。

 また、ファーストシステム側をゲームやクリエイティブな作業に使用し、そのほかの作業をセカンドシステムで行うといった作業の分担が行えるのもポイント。

 例えば、ゲーム配信などはゲームをファーストシステム、配信をセカンドシステムで行っていれば、ゲームが不調になった際にファーストシステムだけを再起動させて配信への影響を最小にしたりもできる。また、動画エンコードなどはCPUパワーをかなり使うため、エンコード中のPCを操作するのは快適性が損なわれるが、そうした際にパワフルなセカンドシステムがあれば、快適性の向上にもつながる。

AMD・Intel、注文次第でどちらもメインシステムにできるBTO PC有償ですでに手持ちのパーツも組み込めるSTORMのBTO PC

 STORMからデュアルシステムPCを借用するにあたって、「セカンドシステムに拡張カードを追加できるようにしてほしい」とお願いしたところ、セカンドシステムにPCI Express x16対応のライザーケーブルを実装することでこれに応えてくれた。

 STORMのBTO PCはユーザーの手でパーツの追加が可能で、組み込み作業が原因の不具合はユーザーの自己責任となるものの、パーツを追加しただけでは製品保証は失われない。また、今回のようなデュアルシステムPCにおいては、システム間でビデオカードの組み換えも構造的には可能。ビデオカードの追加や差し替えなどもできる。

 今回、Ryzen側のファーストシステムをゲーミングPC、Intel側のセカンドシステムを配信用PCとしたかったので、こうしたリクエストを出したのだが、保証はないものの増設などに関して特に禁止されていないので、柔軟に対応してもらえる。こうした自由度の高さはありがたい。

セカンドシステム側に増設するキャプチャカード。
拡張カードの追加は問題なく行えた。

 今回のようなAMD・Intel両方のシステムがあるのであれば、どちらをメインシステムにしたいかはユーザーによって分かれる部分だろう。ということで、GeForce RTX 2080 Tiの差し替えにも挑んでみたのだが、これは事前に伝えていなかったこともあり、水冷クーラーが干渉して差し替えられなかった。

 これはメーカー想定外の用途なので使えなくても当然なことで、事前に「ハイエンドカードを両システムで差し替えて使いたい」と相談していなかったこちらの落ち度だ。ただ、これは事前に相談をしておけば、回避策があれば対応してもらえたり、構成の変更などの提案を受けられたはずで、可能な限り対応してもらえる。

 有償にはなるものの、STORMは「PCカスタマイズサービス」として自社で扱っていないPCパーツの組み込みや、ユーザー手持ちのPCパーツの組み込みなどにも対応するユニークなサービスも行っており、カスタムに対しての対応力はBTO PCメーカーの中でも屈指。相性問題や物理的な制約などの問題までは保証されないが、事前相談により可能と判断されればできる限りユーザーが望む形のPCを組んでもらえる。

ファーストシステムからビデオカードの組み換えにチャレンジしてみたが、水冷クーラーとの干渉によりビデオカードの組み換えは成功しなかった。自作PCと同じように、組み立て時点で想定していないパーツの追加はこのような問題が起こりがちだが、事前に相談しておけば回避策を一緒に考えてもらえる。
別途用意したGeForce GTX 1660搭載ビデオカードであれば搭載可能だった。今回の仕様であればカード長がそれほど長くないミドルクラスのビデオカードであればセカンドシステム側にも簡単にビデオカードを増設可能。ゲーミングPCとして使用できる。
有償サービスではあるが、STORMでは非常に自由度の高いカスタマイズが可能な「PCカスタマイズサービス」を利用できる。
ケース交換や手持ちのシステムを移植する「パソコン外観変更サービス」といったユニークな有償サービスもSTORMは行っている。手持ちのシステムを今回のような2in1 PCに入れてもらうことも可能だ。

 STORMでは事前の相談次第で、カスタマイズプランにないパーツの利用や、条件付きで手持ち機材の組み込みなどにも対応してくれる。自作PCの自己責任とBTO PCで選べるパーツの限界で悩んでいるのなら、STORMのBTO PCは非常に魅力的な選択肢になるはずだ。

理想のPCを構築できるSTORMのBTO PC、夢のPCから自作PC同様の自由な構成まで幅広く対応

 3大メーカーのプロセッサを搭載するというユーモラスなデュアルシステムPCは、それ自体がさまざまな使い方が考えられる面白いPCなのだが、極めてニッチな需要に応えるPCであることも確かだろう。多くのユーザーにとって魅力となるのは、こうした変則的なPCを高品質に構築できるSTORMの存在だ。

 事前の相談によって様々なパーツ構成でBTO PCを構築してくれるSTORMの存在は、理想のパーツ構成と保証面のせめぎあいで自作PCに踏み切れないユーザーにとって大いに魅力的だろう。

 STORMではパーツの交換・換装を行う有料サポートも提供しているので、パーツ構成をアップグレードしながら長期運用を図るという自作PCのような運用をメーカー任せで行える。市販のPCでは満足できないが、自作PCのリスクも容認できないというジレンマに悩んでいるなら、STORMでBTO PCの構築を検討してみることをおすすめする。

[制作協力:STORM]