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CHERRYの新作メカキー採用、ゲームで疲れにくいリニアなタッチ感の「CORSAIR K60 RGB PRO SE」
「CHERRY VIOLA」スイッチ搭載のフルサイズゲーミングキーボード text by 白倉甲一
2021年2月9日 00:00
メカニカルキーボードのスイッチには様々な種類があるが、中でも長年に渡りクォリティの高いスイッチをバリエーションも豊富に出し続けている定番中の定番がCHERRY社製のスイッチだ。
CORSAIR製のゲーミングキーボードK60 PROシリーズは、CHERRY社製の高コストパフォーマンススイッチ「CHERRY VIOLA」が採用された国内初のメカニカルキーボード。今回はその中でも最上位モデル「K60 RGB PRO SE」の打鍵感などを実際にゲームをプレイしながら確認してみよう。
CHERRY社製の高コスパな新生メカニカルスイッチ「CHERRY VIOLA」を採用
メカニカルスイッチはメンブレンスイッチなどに比べ高耐久で入力精度も高い反面、品質の管理が難しくどうしてもコストが高くなってしまう。
それを嫌って廉価なメカニカルスイッチを採用したキーボードを選んでしまうと打鍵感に満足がいかなくなるなど、こだわりを持ってキーボードを選ぶユーザーにはなかなか難しい問題でもある。
そこで登場したのがK60 PROシリーズで初の採用となる「CHERRY VIOLA」で、CHERRY社の技術を詰め込みつつもコストを抑え、高品質な打鍵感を実現した新設計のメカニカルスイッチだ。
押し下げ荷重45g、アクチュエーションポイント2mmと数字の上では赤軸スイッチに近く、同様にリニアタイプのスイッチとなるが2mm以降の押し下げ時に荷重が75gと重くなるため、赤軸よりも底打ち時にやや打ちごたえのある印象になっている。
すっきりとしたデザインのアルミニウムフレームとRGBライティングを採用CORSAIRキーボードの特長を踏襲しつつ価格を抑えた新モデル
「K60 RGB PRO SE」はK60 PROシリーズの最上位モデルで、RGBバックライトを搭載。付属品としてクッション付のパームレストも同梱している。
パームレストを除いた本体サイズは441 x 136 x 38mm。本体重量は0.95kg。サイズ的には一般向けのフルキーボードと概ね同じかややスリムな印象だ。
筐体表面はCORSAIR製ゲーミングキーボード特有のヘアライン加工が施されたアルミニウムフレームとなっており高級感のある仕上がりで、デザイン的にも余分なスペースの少ないスッキリしたものとなっている。
Nキーロールオーバーと100%のアンチゴースト、ゲーム中の誤操作防止に役立つキーロック機能や1000Hzのポーリングレートなど、ゲーミングキーボードとしてゲームを快適に楽しむためのスペックを遺憾なく盛り込んでいる。
付属のパームレストは合皮表面にパターンが施されていて汗などをかいてもベタ付かないようになっている。クッション性も高く長時間使用での疲労軽減にもかなりの期待が持てる。
また、従来のCORSAIR製キーボードでは基本的にキー印字にかな表記があったが、K60 PROシリーズではかな印字なしのタイプへと一新された。
ゲーム用途でかな入力が必要な場面が少ないことやデザイン的な意味合いも含めて、かな印字のないキーキャップを待ち望んでいたCORSAIRユーザーには嬉しい変更点だろう。
程よく反発感のあるリニアな打鍵感、長時間プレイでも打ち疲れしない快適さ
リニアタイプの「CHERRY VIOLA」スイッチは底打ちしたいユーザーにもうってつけだ。メンブレンスイッチのように余計な軸ブレや底打ちした際のラバードーム特有のゴムを潰す感触なども無く、長時間使用でも疲れにくくなるだろう。
今回は、実際に人気のバトルロイヤルFPS「エーペックスレジェンズ」をプレイし、使用感を確認してみた。
普段より意識的に底打ちしつつ長時間プレイしてみたが、手指への負担は少なく、入力精度も高いのでかなり快適に使用できた印象だ。付属のリストレストも品質の良い物であるため疲労軽減に役立っているように感じた。
CORSAIR製ゲーミングキーボードの中では高コストパフォーマンスモデルに位置する製品だが、いかにも廉価モデルといった感触はなく良好。慎重な操作や咄嗟の判断での操作が要求されるような事態でも狙った通りに操作できたので、ゲームで勝つためのゲーミングキーボードとしても十分な性能を持っていると言えるだろう。
スイッチの動作音は青軸などのタクタイルスイッチと違って大きくカチャカチャと音がなるタイプではないが、メカニカル特有の小気味良い打鍵音で軽快な印象だ。
キーキャップによっては塗料や素材によって指が引っかかって上手く操作できないと言うような事もあるが、K60 RGB PRO SEは二色成形のキーキャップを採用しており表面はさらさらとした快適なさわり心地になっている。当然前述のような引っかかりなどもなくスムーズに打鍵できた。
また、メカニカルスイッチはメンブレンスイッチと違い底打ちをせずともスイッチが入るようになっており、これを利用してキー入力時にアクチュエーションポイントまで押し下げるに留める事で余計な力を使わず高速に操作しやすくなる。
特に「CHERRY VIOLA」スイッチの場合は赤軸以上に底に向かって反発が強くなる印象があるので、力加減がわかりやすく、底打ちしない高速入力の練習をするのにも丁度良いかもしれない。
専用ユーティリティiCUEで自由なカスタマイズが可能ライティングやキーアサインはもちろん、ゲーミングヘッドセットとの連携も
CORSAIRデバイスを一括管理できる専用ユーティリティiCUEを使ってキーアサインの割り当てや、ライティングのカスタマイズ、プロファイルの編集などを自由に行うことができる。
ゲームをプロファイル毎に紐付けることでゲーム内のキー設定を変更すること無くユーティリティ上から割り当てをする事も可能だ。視覚的にもどこに何を割り当てたか確認しやすいので、慣れてしまえばゲーム毎に違う設定画面で手間取るようなこともないだろう。
iCUEを起動した状態ではライティングのパターンもかなり細かく自由に指定ができるほか、CORSAIRデバイス同士でリンクして光らせるなど視覚的にこだわりを持った設定が可能だ。もちろん非起動時でも数種類のイルミネーションから好みのパターンを選択できる。
ライティングの一つに「VOIDビジュアライザー」というパターンがあり、CORSAIR製ヘッドセットなどの対応デバイスと連携する事で音声入出力を視覚化しキーボードのライティングとして反映するユニークな機能だ。
単純に視覚効果としても華やかな他、マイクの入力をビジュアライザーで表示することでミュート解除忘れの対策や声量を確認するのに役立つ面白いライティングパターンだ。
機能全部盛りでも価格を抑えられるゲーミングメカニカルキーボード入門用としてもおすすめの一品
メカニカルゲーミングキーボードは同じメカニカルスイッチを採用した物でも、デザインや最低限の機能をゲーム向けにした物と、それに加えゲーミング用途の機能やバックライトのバリエーションが豊富な物、またそれらを専用ユーティリティなどで自由にカスタマイズできるか否かで価格帯が大きく異なる場合が多い。
今回の「K60 RGB PRO SE」は、上位モデルのようなゲーミングキーボードとしての機能をふんだんに盛り込みつつ、価格帯は高級ゲーミングキーボードの一段下となるゾーンに投入されている。実売価格は税込で1万5千円を割り込んでおり、2万円以上の高級機は手を出しにくいが、高機能で高性能なモデルが欲しいというユーザーに向けたものだ。
予算の都合で高級機をあきらめ、泣く泣く廉価ゲーミングキーボードを購入せざるを得なかったユーザーにも、かなり有用な選択肢の一つとして提示できるキーボードだといえるだろう。
[制作協力:CORSAIR]