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イオシスで売れたスマートフォンなど。ウマ娘などゲーム用に2台持ちが定番化?

~ アキバのショップ店員が語る2021年 その6 ~

 2021年を振り返るこの企画。アキバのショップスタッフに特に印象に残った製品や出来事について聞いてみた。

 2021年に売れたのは圧倒的大差でiPhone SE(第2世代)ですね。うちは買取りにも力を入れて大量に販売しましたが、業界全体で売りまくった感があるので、とんでもない数が売れたのではないでしょうか。搭載SoCはA13 BionicでiPone 11シリーズと同じなのに3万円前後で入手できますからね。性能を考えるとかなり安いです。

 iPhoneシリーズは中古・未使用品も含め年間で10万台を超える売れ行きで好評だったのですが、iPhone 13シリーズが思ったよりも……といった盛り上がりだったのが気になっています。まあ、台数自体はかなり好評といえるくらいに売れているのですが、iPhone 12シリーズからのわかりやすい変化がシネマティックモードくらいだったので、新型が発売されたから買い替えよう!的な空気感があまりなかったですね。自分のやりたいことに対してどれくらいの性能があれば良いのかわかる人が増えてきているので、iPhoneは次のモデル次第で、新モデル人気が続くのか旧モデル購入が定番になるのか、今後の流れを見ることができるかもしれませんね。

 2021年はゲーム向けスマートフォンの問い合わせが多かったですね。ウマ娘が出た時と、PUBG: NEW STATEが出た時は、快適に動作するスマートフォンが欲しいと結構聞かれました。2021年はこの二つのタイトルが特に目立っていた印象があり、端末の売れ行きにも影響を与えたと思いますね。

 都心部のユーザーの動きだと、用途に合わせた2台持ちが定番化しだした感じがしますね。出し入れが多いとスマートフォンは落とすリスクも上がりますし、ゲームなどをしているときに割り込みが入るとイライラもしますし、端末ごとに用途を分けて使う流れになっていますね。出し入れが多くSNSや通話に使うメイン機は最低限の性能のモデル、ゲームや動画といった重い処理を行うサブ機はなるべく高性能なモデル、といった組み合わせの人が多いです。以前であればメイン機が高性能でサブ機は性能を抑えた保険といった感じだったので、今は逆になっています。テレワーク用で複数台持ちになったり、楽天モバイルの無料キャンペーンなどで複数回線を維持しやすい状況があったりと、それらが入り口となり複数台持ちが広まっていったのかなと思います。店頭で見ていても、手持ちのiPhone 13はゲーム専用にしたいから、安めのiPhoneが欲しいとiPhone SE(第2世代)を購入していく人も散見されたので、この流れは広まっていくと思いますね。

 年間を通してみると、中盤からいろいろと回復してきた感じですね。人もだいぶ戻ってきたかなと。iPhoneシリーズ/Galaxyシリーズといった人気モデルはよく売れましたし、メーカーではXiaomiやOPPOのモデルも人気になりましたね。格安SIMカードが使えるSIMフリーの端末で、ミドルクラスのモデルが欲しいという人が多かったと思います。

 普段は旅行で来日する外国人のお客様が多かったんですが、2021年は「初めて中古スマートフォンを購入する」「広告やネット記事をみてセール品を購入しに来た」という日本人のお客様が増えました。あとは知識豊富なお客様の来店数が減ったような気もしますね。

 実は海外のオリンピック関係者の方に寄っていただけていました。海外の方にはXiaomi製のモデルが好評で、Redmi Note 9Tなどが売れていましたね。

 引き続きコロナの影響で店頭販売は厳しい状況でしたが、この機会に接客のレベルアップや店内の改装などを実施しました。年末は忙しかったので、継続してきた定期セールなどの成果が出たのかなと思います。2020年と比べるとテレワーク需要は一旦落ち着いた印象ですが、仕事用ではない趣味やお子さん用なのかタブレットがよく売れていましたね。